2013/07/31

#775 リスクマネジメント本の執筆 (11)

まだ執筆中です…

今月末までに・・・と言うことでしたが、金曜日(8/2)の仕上がりになりそうです。…明日の朝、出版社の方にお願いしてみます。…すいませ~ん!

テニス事故の判例についても紹介しなければなりません。

頑張ります!

2013/07/30

#774 “英会話力”向上プロジェクト (16)

ハワイに行きたくなってきました…

Terry Bird の個人的なプロジェクトです。…NHKラジオ英会話(2012年度)の復習をしています。

7月号は「Fun in Hawaii(ハワイを楽しむ)」でした。…文字どおり、ハワイを楽しみながら12個のダイアログをすべて暗記し終えました。…そう言えば、「それは文字どおりには ~ という意味です」は、It literally means ~ でした。

これで4月号から7月号までの合計48個のダイアログを暗記しなおしたことになります。独り英会話ができます。…しかし、48個すべてを記憶し続けるには繰り返し過去のダイアログを口にしなければなりません。それが次第に苦しくなってきます。

…そこで、考えました。…車の中に修得済みのテキストを置いておくことにしました。…記憶があやふやな時は、すぐに確認して覚えなおすことにします。

来年の3月にはハワイに行けるかな…

2013/07/29

#773 リスクマネジメント本の執筆 (10)

今までとは異なる内容に…

昨日(7/28)の夕方、TTCのService Division Director様に夏季ジュニアテニス大会における安全管理についてインタビュー(取材)させていただきました。

90分ほど話をお聞きする中で、「これだ!」というものを見つけることができました。…今までにはない視点で原稿が書けそうです。…お忙しいところ、ありがとうございました。

Terry Bird の執筆上のこだわりは、現場にとって有用な安全管理上の知識、情報等の提供となり得る原稿に仕上げることです。…チャレンジです。

この件も含め、資料はほぼ揃いました。…やっと執筆作業に取り掛かれます。

…締切まで、あと3日!

2013/07/28

#772 リスクマネジメント本の執筆 (9)

熱中症の怖さを知ろう!

今さらSMJブログで書くまでもありませんが、調べれば調べるほどその怖さを実感します。…2週間前に、テニスのゲーム中に吐き気をもよおしたり、先週の日曜日に、スポーツジムでのトレーニングの後、悪寒がしたりしたのも、今思うと熱中症だったのでしょう。

日本体育協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(平成25年4月)はとても参考になります。…スポーツ指導者にとっては必読資料でしょう。

ただし、色々調べていくうちに、熱中症対策に限ったことではありませんが、指導を受ける側(選手、部員、生徒等)も可能な限り安全管理に関する知識を持っていなければならないと考えるようになりました。

 自分の身は自分で守る!

そのためにも、意味のある原稿を執筆せねば…

2013/07/26

#771 リスクマネジメント本の執筆 (8)

中・高ではテニスがNo1…

ほんの2~3行執筆するためのものですが、中学校と高校の生徒さんがどれぐらいテニス部で活動しているのかについて調べてみました。…なんと、中・高ともにテニスがNo.1でした!

  ●注1 テニス : ソフトテニスを含む
  ●注2 野球 : 軟式野球を含む ※女子は含まず
  ●注3 参考資料 : 下記連盟ウェブサイト公表の平成24年度データ
      (公財)日本中学校体育連盟 (公財)全国高等学校体育連盟 (公財)日本高等学校野球連盟

【中学校】 競技別 加盟生徒数(男女合計:人)
1 テニス 408,173
2 バスケットボール 324,154
3 軟式野球 263,413
4 サッカー 253,671
5 卓球 235,952
6 陸上競技 221,727
【高校】 競技別 加盟生徒数(男女合計:人)
1 テニス 185,290
2 野球 178,941
3 サッカー 165,449
4 バスケットボール 151,008
5 陸上競技 105,484
6 バドミントン 105,363
7 バレーボール   93,763
8 卓球   68,393

2013/07/24

#770 リスクマネジメント本の執筆 (7)

SMJブログ#672 以来です…

…この間、何をやってきたのか! 忙しさにかまけて後回しにしてしまいました。…改めて、関係者の皆様にお詫びいたします。…今月末までに何とか仕上げます。

Terry Bird が分担執筆するのはテニス(指導時)の安全管理、すなわちテニスに関する(スポーツ)リスクマネジメントについてです。…執筆内容の構想段階で企画していた関係機関へのインタビュー調査を7/28にお願いすることができました。…夏季ジュニアテニス大会における安全管理について独自の取組をされているTTCの関係者に取材をさせていただく予定です。

先日、TSUでも地域の中学校ソフトテニス大会の会場としてテニスコートをお貸ししました。…猛暑のこの時期に、限られた日程で予定されている試合を消化しようとすると、どうしてもリスクが高まります。…今回も大きな事故等はなかったようですが・・・。

大会運営サイドにはどのようなリスクマネジメントが求められるのか?…ほんの数行ですが、そのような事柄を執筆するための情報を収集してきます。

締切まで、あと7日!

2013/07/23

#769 海外調査の準備 (3)

分担執筆のデッドラインが…

以前、SMJブログでも特集として書いていましたが、スポーツリスクマネジメント本の分担執筆についてです。…関係者の皆様、まことに申し訳ありません。

海外調査の準備は抱えている仕事を終わらせることを含む!…と書いた矢先に、本日(7/23)夕方、出版社の方からお電話をいただきました。…デッドラインの通告がなされました。

数か月前は何とか期限までに間に合わせようとしていました。…ところが、新年度がスタートし、次から次に新しい仕事が舞い降りてきたため後回しになってしまいました。

今月末までに何とかしなければ…

ブラックリストに載ってしまう~

2013/07/21

#768 スポーツ政策ニュース (第36号)

「ねじれ」解消して何が変わる…

本日(7/21)、参議院議員通常選挙が実施されました。…Terry Bird も投票してきました。…現時点で、自公が参議院の過半数の議席を確保することが確実のようです。…いわゆる衆参の「ねじれ」が解消されることになります。

 スポーツ政策は劇的に変わるか?

…それは、ないと思います。…これまでと同じように、これからも日本的なスポーツ政策が続いていくことでしょう。…民主党政権の時に、幾分、政治主導になったかと感じましたが、そのキーパーソンも当選が難しそうです。

一般の方にとっては、スポーツ政策のプライオリティは低く位置づけられていると思いますが、日本が抱える重要な問題の幾つかをスポーツで解決できると、Terry Bird は確信しています。

…Sport Matters JAPAN がその仕掛けを作るしかないのでしょうか…

本家 Sport Matters のシニアリーダーBob Elliott 氏に9/10にSIRCで会ってきます!

2013/07/20

#767 スポーツ政策ニュース (第35号)

文部科学白書の刊行

文科省のウェブサイト(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/07/1337617.htm)によると、7月下旬に「文部科学白書(平成24年度)」が刊行されるようです。…購入する予定はありませんが…

同サイトでは、その骨子が公表されています。…スポーツ関係をピックアップしてみました。

第1部 特集③ 世界にはばたくチームジャパン!
   第1節 ロンドンオリンピックにおける日本人選手の活躍とその支援
   第2節 2020オリンピック・パラリンピック競技大会東京招致
   第3節 スポーツ指導における暴力行為の根絶

第2部 文教・科学技術施策の動向と展開
  第7章 スポーツ立国の実現
   第1節 「スポーツ基本計画」の推進
   第2節 子供のスポーツ機会の充実
   第3節 住民が主体的に参画する地域のスポーツ活動の充実
   第4節 国際競技力向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備等
   第5節 スポーツ界における透明性、公平・公正性の向上
   第6節 スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出

…ウェブで公開されるのを待ちたいと思います。

2013/07/19

#766 海外調査の準備 (2)

他の仕事を終わらせること…

今年度の最大の研究上のイベントは海外調査(カナダ:9/2~9/14)です。…それに向けての準備が本格化してきましたが、現在抱えている仕事を終わらせることもその準備のうちの1つだと考えています。

何故なら、現地に日本の仕事をもって行きたくないからです。…あるいは、日本に仕事を残したまま行きたくないからです。…前者は資料という重荷をスーツケースに入れることになりますし、後者は精神的な重荷となります。

今のところ、学会誌の編集分担執筆原稿の提を抱えています。…その他に雑務が色々あります。…7月中にはすべて終わらせたいのですが…

忙しい日々が続きます…

2013/07/17

#765 海外調査の準備 (1)

「世界の医療事情」(外務省)

外務省のウェブサイトを覗く機会はあまりありませんでしたが、9月のカナダ現地調査(9/2~9/14)を前にして、色々情報収集している過程でとても有益な情報に巡り合うことができました。

 もし、カナダ滞在中に怪我をしたり、病気になったりしたら…

外務省ウェブサイト(http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html)「渡航関連情報」の中に「在外公館医務官情報」があり、「世界の医療情報」というページがあります。…同ウェブサイトで以下のように説明されていました。

 「世界の医療事情」は海外の医療事情について基本的情報を整理し邦人の方々に滞在や旅行の際の心構えをもっていただくこと、また、万が一、病気や事故に遭われた時にどのような医療機関で受診が可能かなどの「海外で身を守る」ための大切な情報を満載しています。この情報は、大使館等の在外公館に配属されている90人余の医務官が、現地における地道な情報収集活動の成果をとりまとめたものです。

…カナダについても詳しくまとめられています。…活用したくはありませんが、プリントアウトして持参することにします。

2013/07/16

#764 2013 カナダ・スポーツ政策研究 (22)

迅速な返答!

早々に、Sport Canada(民族遺産省スポーツ局)とJeanから返信がきました。…Sport Canadaは日本の文部科学省スポーツ・青少年局に相当しますが、学校体育は所掌していません。…その理由は、教育の管轄が州政府にあるからです。…日本で設置が構想されている「スポーツ庁」のようなものだとお考えください。

そのSport Canadaでのインタビュー日時が決定しそうです。…個人研究レベルで他国の中央政府内に入れるのは極めて困難なことなのですが、ありがたいことにトントントンと話が進みました。…Jeanのおかげです。

また、Jeanからはオタワ大学での作業場所、インターネット環境等の希望に関する質問がありました。…Terry Bird としてはオタワ大学内で図書館とインターネットの無線LANの利用だけできれば十分です。

現地調査スケジュール表が埋まりはじめました!

2013/07/14

#763 2013 カナダ・スポーツ政策研究 (21)

インタビューの日程調整

カナダ現地調査(9/2~9/14)でインタビュー実施日に充てられるのは原則として平日です。…ただし、移動日や祝日を引かねばなりませんので、9/3-6, 9/9-12のたった8日しかありません。

その他、オタワ大学図書館、Library and Archives Canada(国立図書館・公文書館)、SIRC(カナダスポーツ情報資源センター)等で資料収集もする予定ですので、かなりタイトです。

先ほど、関係者に第2弾のメールを送信しました。…ここからが大変な作業になります。…先方の都合もあり、効率よく日程を組むことができるかが不安です。

今回はオタワのホテルに11泊します。…食事、洗濯、移動、通訳者の手配、健康管理、気分転換など…研究に関すること以外にも考えなくてはならないことが結構あります。

決まっていることは、早朝にホテルのフィットネスジムに行くことぐらいでしょうか…これって、Terry Bird の海外調査時のルーティーンです!…2007年にFRP Awardで初めてカナダに行かせていただいたときは、宿泊したオタワのホテルにジムがありませんでしたので、早朝、オタワ大学の構内をランニングしたほどです。…まさか、オタワ大学とこのような関わりをもつとは…

2013/07/13

#762 2013 カナダ・スポーツ政策研究 (20)

Request for an interview on Canadian Sport Policy ~その2~

昨日(7/12)、関係者に正式なインタビュー依頼メールを送信しましたが、皆さんとてもレスポンスが早かったです。…最も早かった人で3分後に返信メールが来ました。…現時点で、7通(7名)の依頼メールに対して、4通(6名相当)の返信(承諾)がありました。…Sport Canada では3名の関係者に同時にインタビューできそうです。

残りの1通は、ケベック州の政府機関関係者です。…やはり、英文メールでは読んでもらえていないのでしょうか…フランス語のものを送信すべきか…うーん…ムリっ

Jean のメールには以下のように書いてありました。

His office is in Québec city. You may have to fly to Quebec to see him, but he may be in Montreal or Ottawa during your study trip. I can check with him if you want.

もちろん、ケベックシティに行くことも検討しますが、可能ならオタワかモントリオールでお会いしたいものです。…Jean に相談してみます。…英作文が続きます。

…英文メールなんて…昔のTerry Bird なら、ありえないことです。

2013/07/12

#761 2013 カナダ・スポーツ政策研究 (19)

Request for an interview on Canadian Sport Policy ~その1~

現地調査中(9/2~9/14)にインタビューをお願いしている関係者のリストです!

 【現地調査:インタビュー対象者(交渉中)】 ※仮訳

D・S氏(民族遺産省スポーツ局、政策・企画課長)
  Director, Policy and Planning, Sport Canada
S・F氏(民族遺産省スポーツ局、連邦・州・準州調整部長)
  Manager, Federal-Provincial-Territorial Coordination, Sport Canada
J・K氏(民族遺産省、上級政策分析官)
  Senior Policy Analyst, Canadian Heritage
E・P氏(ケベック州、教育・レジャー・スポーツ省、スポーツ顧問)
  Sport advisor, Ministère de l’Éducation, du Loisir et du sport, Quebec
C・J氏(カナダ身体・健康教育協会、事務局長・CEO)
  Executive Director and CEO, PHE Canada
D・L氏(公共政策フォーラム、上級参与)
  Senior Associate, Public Policy Forum
B・E氏(スポーツ・マターズ、シニアリーダー)
  Senior leader, Sport Matters

…っと、uOttawa のJean にもインタビューさせていただく予定です!

2013/07/10

#760 2013 カナダ・スポーツ政策研究 (18)

Jean の協力

前期授業がまもなく終了します。…「カナダにおける連邦スポーツ政策の策定過程に関する研究」に時間が割けそうです。…いよいよ、これからです!

9/2~9/14までカナダ現地調査に行きますが、Jean の協力もあって、インタビュー調査の調整が順調に進んでいます。…連邦スポーツ政策(Canadian Sport Policy 2012)策定上のキーパーソンへの接触がうまく図れそうです。

個人レベルの研究で、連邦または州政府機関の中枢に入り込むことは極めて困難なことです。…通常は“門前払い”でしょう。…それが、Jean の口添えがあることにより、“ウェルカム”対応となります。…Jean は、それだけ影響力のある人物ということなのでしょう。…そのような大物と交友関係が構築できていることに感激しています。

Jean から関係者への依頼メールには…he will be a guest researcher with our research Centre. という一文がありました。…とても、嬉しかったです。…ただし、話がだんだん大きくなってきているのが怖いところですが…

刺激的な経験ができそうです!

2013/07/09

#759 カナダの体育・健康教育 (9)

プロサッカーチームと教育委員会との連携

現地調査の最後に、カナダのプロサッカーチームの練習を見学するとともに、関係者からとても参考になる取組を紹介してもらいました。…報告書では、ごく簡単にまとめられていますが…

プロサッカーチームのモントリオール・インパクト(Montreal Impact Soccer Academy)がヨーロッパ(フランス)で行われているサッカーエリートを養成するモデルをケベックで導入した。将来のプロのサッカー選手を養成することを目的とし、英語系モントリオール教育委員会(English Montreal School Board)及び高校と連携して行われている。

このアカデ ミーに参加できるのは、サッカーの技術だけではなく必ず学業成績がチェックされ選抜される。またアカデミーでの選手の様子は学校、家庭に報告され、サッカーの競技力だけでなく態度も重要視される。さらに学校の体育の成績として評価され単位認定もされる。小さい頃からしっかりとした自己形成ができ、フィロソフィーをもったサッカー選手を育てるためにこのアカデミーが作られた。

…詳しく調べると面白いと思います。…なお、説明していただいたアカデミー・ディレクターはフランスで松井大輔選手と一緒にプレーしたことがあると言っていました。

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) p.40 より

2013/07/08

#758 カナダの体育・健康教育 (8)

PHE Canada について~表彰プログラム~

カナダ身体・健康教育協会(Physical and Health Education Canada)の表彰プログラムについてです。…報告書内では、以下のように説明されてあります。

PHE Canada はカナダ国内において、「教材開発」「ネットワーク開発」「教師支援」「全国会議の開催」「大学生リーダー育成」「表彰」「学校認証」など様々な身体・健康教育に関する取組・サービスを行っている。特に、PHECanada の表彰制度はとても参考になると思われる。以下は、主要な賞(Award)である。

 「体育指導優秀賞(Physical Education Teaching Excellence Award)」
 ※卓越した体育指導を行った指導者を表彰するカナダ唯一の全国表彰
「健康促進学校優秀賞(Health Promoting School Champion Award)」
 ※(2012年度:新設)健康促進学校の発展、推進、実施への模範的貢献を行った個人、グループまたは組織を表彰
 「健康教育者賞(Health Educator Award)」
 ※(2012年度:新設) カナダにおいて健康教育の重要性を助長する顕著な働きなどをした個人を表彰

これらの受賞者はPHE Canada 他が年1回開催する全国大会(National Conference)において発表される。2012 年は、ハリファックスにおいて5月10 日~ 12 日の日程で開催された「身体・健康教育に関する全国大会(2012 TAPHE and PHE Canada National Conference)」において発表された。

そして、その結果を踏まえ、今回の現地調査では、「体育指導優秀賞」については最優秀賞を受賞したアンドレア先生に、「健康促進学校優秀賞」については最優秀賞を受賞したコールドウェル・ストリート小学校(Caldwell Street Public School)に視察・面談等を申込み受け入れられた。

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) pp.25-26 より

2013/07/07

#757 カナダの体育・健康教育 (7)

PHE Canada について~概要~

PHE Canada とは、「カナダ身体・健康教育協会(Physical and Health Education Canada)」のことです。…その概要については、報告書内において、以下のように説明されてあります。

PHE Canada は、カナダにおける身体及び健康教育関係者のための職能団体(professional organization)である。全国規模でカナダにおける身体教育と健康教育に関して唱道する団体であり、カリキュラムの中で「体育」と「保健」は中核になる科目であるという信念のもと、各州の学校で体育あるいは保健の学習が効果的に実践されていくように諸活動・諸プログラムを通じて学校や教師をサポートしている。PHE Canada は1933 年に創設された会員10,000 人を超える組織であり、全国15,000 の学校とのネットワークがある。前身はCAHPERD(Canadian Association for Health,Physical Education, Recreation and Dance)であった。大学、教育委員会、教育省との関係も深く、プログラム開発は教育者や専門家によって行われ、適宜改善等も図られる。以下は、PHE Canada のプログラムの4本柱である。

  良質の日常体育(Quality Daily Physical Education:QDPE)
 健康促進学校(Health Promoting Schools:HPS)
 良質の校内レクリエーション(Quality School Intramural Recreation: QSIR)
 ダンス教育(Dance Education)

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) p.25 より

2013/07/06

#756 カナダの体育・健康教育 (6)

カナダの体力テストについて…

海外派遣プログラムのカナダ現地調査において、「カナダにおける子どもの体力・運動能力向上対策:成果と課題、カナダの体育授業(実践)」を調査研究項目(副問)の1つとして掲げていました。…我々は、カナダの体力テストはどうなんだろう?…という関心をもち現地調査に臨みました。…以下は、そのまとめです。

州ごとで教育カリキュラムの異なるカナダにおいて、全国共通の体力テストは実施されていなかったが、州や学校独自で体力テストを1年に複数回実施し、子どもの実態把握やその後の授業展開に役立たせようとする取組は見られた。全国共通テストではないため、州内での学校間比較や学校内での年間比較に用いることは可能だが、カナダ全体における子どもの体力を推し量る指標としての成果はみられなかった。

しかし、州や学校独自で取組まれている体力テストは、筋力、瞬発力、持久力、柔軟性に関するテスト項目から構成されており、不足している体力を客観的に十分明確化することができ、子どもの実態を把握するうえでは有効であると考えられる。また、学校によっては、年に複数回実施して体力テストの結果を授業の見直しや改善を図るうえでの重要なデータとして活用したり、子どもの体力を向上させるための授業を展開していた。

要するに、日本のように全国共通の体力テストがなくても、自治体、教育委員会または学校独自の体力テストを授業と関連付けて実施することさえできれば、子どもの体力を真に向上させる方法として十分機能するものと考えられる。

カナダにおける子どもたちの体力・運動能力向上方策の成果と課題を調査テーマに掲げて現地調査に臨んだが、その答えとして得られたものは、地域ごとや学校独自の体力テストが機能すれば、十分子どもたちの体力・運動能力の向上は図れるということであった。

…Terry Birdは、今回のカナダ現地調査を通じて、日本のような全国一律の体力テストが本当に必要なのかどうか、検討しても良いのではないかと考えてしまいました。…ソフトボール投げでなくても、サッカーボールのキック力でテストを実施する地方や学校があっても良いのではないでしょうか。全国比較のデータ作りを優先するよりも、本当に子どもたちの体力向上に資するようなテスト及びその結果の活用さえできればそれで良いのではないでしょうか…いかがでしょうか?

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) pp.51-52 より

2013/07/05

#755 カナダの体育・健康教育 (5)

研修成果報告書:SAまとめより④

SMJブログ#754からのつづきです…

「フィジカルリテラシー」という考え方の導入~その2~

今回の現地調査を通じて、カナダではフィジカルリテラシーが、学校体育、生涯スポーツ及び競技スポーツの基礎部分に置かれていることが明らかなった。その発端は2004 年に連邦・州・準州スポーツ担当大臣会議において「カナディアン・スポーツ・フォー・ライフ(Canadian Sport for Life:CS4L)」のコンセプトが承認され、スポーツカナダ(民族遺産省スポーツ局)の特別施策として位置付けられたことにあった。

CS4L とは、カナダにおける“スポーツ(身体活動)の質”を改善することにより、健康増進、コミュニティ強化、競技力向上及びナショナルアイデンティティ強化を目指そうとするムーブメントであり、そのスローガンでもある。2005 年、スポーツカナダの支援を受け6 人の専門家からなる委員会(LTAD Expert Group: LEG)がCS4L を具現化するためのプログラム( モデル) となる「長期競技者発達(Long-TermAthlete Development:LTAD)モデル」の開発に着手した。そして、LTAD モデルが開発され、それ以後、連邦政府から資金援助を得ようとする中央競技団体(National Sport Organization:NSO)は、「スポーツ資金交付及び説明責任枠組み(Sport Funding and Accountability Framework: SFAF)」の基準に基づき当該スポーツ版LTAD モデルを作成しなければならないことになった。CS4L のLTAD では、カナダ人が「競技スポーツ」「生涯スポーツ」に関わらず生涯を通じて身体活動やスポーツに有意義に取組んでいく上で低年齢期にフィジカルリテラシー(基本的運動技能等)を身に付けておくことが必要不可欠であるとされている。言うまでもなくNSO は当該スポーツの普及・振興のみならず競技力の向上を図ろうとする団体である。

このように、カナダでは子どもたちのフィジカルリテラシーの習得がNSO を通じて図れるような仕組みが構築されている。LEG は、2011 年以降、17 人の構成員からなるCS4LLeadership Team に拡大され、現在、カナダにおいてCS4L 推進の役割を担っている。なお、フィジカルリテラシーは、2012 年6 月に2022 年までのカナダの連邦スポーツ政策として改定されたCanadian Sport Policy 2012(CSP 2012)のフレームワークの根底にも置かれており、カナダのスポーツ政策のアンカー的な役割も果たしている考え方である。

・・・日本において、どうしたら役立てられるのか…

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) pp.79-80 より

2013/07/04

#754 カナダの体育・健康教育 (4)

研修成果報告書:SAまとめより③

今回の海外派遣プログラムを通じて多くのお土産をカナダから持ち帰ることができました。…それらの中で、最大級のものは「フィジカルリテラシー(Physical Literacy)」と「理解のためのゲーム教授法(Teaching Games for Understanding:TGfU)」でした。すなわち、この2つが日本の教育現場等に還元できる主要ポイントに当たります。…なお、TGfUについてはSMJブログ#737~741で書いています。…それでは、フィジカルリテラシーですが・・・

「フィジカルリテラシー」という考え方の導入~その1~

SA準備段階において、フィジカルリテラシー(Physical Literacy)が今回のカナダ現地調査で重要なキーワードになることは容易に想像できたが、日本で入手できる情報だけでは、その実態を的確に掴むことはできなかった。そこで、本団の調査研究テーマの1つとして掲げ、12日間の現地調査全体を通じてフィジカルリテラシーの把握に努めた。

日本でもフィジカルリテラシーという用語が以前から使われているが、フィジカルリテラシーに関する「概念論文(Physical Literacy Concept Paper)」が71ページもあるように、カナダのそれは比較にならないほど奥深いものであった。また、フィジカルリテラシーの概念を体育(Physical Education)に取り入れようとする動きがイギリス、アイルランド、ギリシャ、オランダ、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、フィンランド、スペイン、オーストラリア、ドイツ等に広がっていることから、フィジカルリテラシーへの注目は世界的な潮流であると考えられる。

そもそもフィジカルリテラシーは、現象学(Phenomenology)と実存主義(Existentialism)の研究から発展した概念で、現在では認知心理学(cognitive psychology)や社会学(sociology)を含む他の学問分野からも注目されている。フィジカルリテラシーに関する第一人者であるイギリスのマーガレット・ホワイトヘッド(Margaret Whitehead)は、2007 年に自身のそれまでの定義を「フィジカルリテラシーとは、生活の質(QOL)の向上に大きく寄与する各人の運動潜在能力を十分に生かす能力及び意欲のことである。」という作業定義として更新した。なお、2013年6月12・13日にイギリスのベッドフォード(Bedford)近郊のセントノエツ(St. Neots)で「第2回フィジカルリテラシー国際会議(テーマ:生涯にわたるフィジカルリテラシー)」の開催が予定されている。

・・・後半は、#755で!

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) pp.78-79 より

2013/07/03

#753 カナダの体育・健康教育 (3)

研修成果報告書:SAまとめより②

3つの調査研究テーマ(副問)に基づき、カナダ現地調査(2012.10.29~11.09)で収集した情報等を整理・検討したところ、主たる現地調査結果を以下の5つにまとめることができました。

1) カナダ人の健康・体力は、10 年前に比べ肥満や体力低下がさらに進み、深刻な状況であることが分かった。例えば、カナダの子どもの3人に1人(160 万人)が肥満傾向にある。その根本原因は国民の運動不足(physical inactivity)にあるが、カナダ身体活動ガイドラインが示す1日の身体活動時間を達成しているのは、子ども(5~ 17 歳)で7%、大人(18 歳~)で15%にしか過ぎない状況であった。カナダでは、このような国民の運動不足が年間68 億カナダドル(6,120 億円)の医療費の負担増につながることから「運動不足の危機(InactivityCrisis)」として国家的課題の1つに位置付けられている。

2) カナダでは「パティシパクション(ParticipACTION)」「オンタリオ身体・健康教育協会(OPHEA)」「カナダ身体・健康教育協会(PHE Canada)」「中央競技団体(NSO:カナダバレーボール協会他)」等の民間団体(NPO)が身体・健康教育分野に対して非常に効果的なプログラム、サービス等を提供していた。

3) カナダ国民の生涯スポーツの実践に向けた取組の中核に「カナディアン・スポーツ・フォー・ライフ(CS4L)」の「長期競技者発達(LTAD)モデル」が位置づけられていた。

4) カナダには全国統一の体力テストはなく、州、教育委員会または学校独自の体力テストが実施されていた。体育の授業においては「理解のためのゲーム教授法(TGfU)」が活用されていた。また、高校の卒業率を向上させるプログラムの中でスポーツが活用されていた。

5) カナダでは「フィジカルリテラシー(Physical Literacy)」という概念(考え方)が、学校体育においては州教育省レベルの保健・体育カリキュラムの中で、また生涯スポーツ及び競技スポーツにおいてはLTADで、それぞれの基礎部分に置かれていた。

・・・約1年前に、このようなまとめができるとは、まったく想像もつきませんでした!

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) pp.77-78 より

2013/07/02

#752 カナダの体育・健康教育 (2)

研修成果報告書:SAまとめより①

 カナダは、やはり期待どおりの国であった。我がG-1団は、12 日間のカナダ現地調査を通じて、同国の「スポーツ・健康教育」の在り方、取組等から多くの有意義な示唆を得ることができた。そして、それらについては本報告書で詳細に述べられているのだが、そこでは主として事前研修において設定した3つの調査研究テーマ(副問)それぞれの答えが見出されたに過ぎない。すなわち、本団の派遣テーマ(主問)である「スポーツ・健康教育の推進」に対する答えはまだ見出されていない。
 そこで、本節では、G-1団の派遣テーマ「スポーツ・健康教育の推進」に対する答えをまとめとして見出しつつ、さらに、日本に還元できるポイントを具体的に示すことにする。

解説:3つの副問
1.生涯スポーツの実践に向けた基礎づくりに関するカナダの取組
2.カナダにおける子どもの体力・運動能力向上対策:成果と課題、カナダの体育授業(実践)
3.スポーツ・健康分野における「リテラシー」という考え方について

・・・さて、日本に還元できるポイントとは…

※平成24年度 教育課題研修指導者海外派遣プログラム研修成果報告書『スポーツ・健康教育の推進』(カナダ:G-1団) p.76 より

#751 カナダの体育・健康教育 (1)

報告書がWeb公開されています…

Terry Bird がシニアアドバイザー(SA)を務めた独立行政法人教員研修センター(NCTD)主催の「平成24年度教育課題研修指導者海外派遣プログラム」の報告書が、NCTDのウェブサイトで公開されました。

 テーマは「スポーツ・健康教育の推進」で、調査対象国はカナダでした。

報告書の現物はすでに公刊されていましたが、ごく限られた機関や関係者しか手にすることはできませんでした。…ところが、今日のようなインターネット社会では、本報告書がWeb公開されたことで世界中の人々が目にすることができるようになったわけです。…凄いことです。

これを機に、カナダの体育・健康教育についてSMJブログで解説していくことにします。…っと、解説と言いましたが、実は、まだまだ把握できていないことが山ほどありますので、それらを調べつつ新たな情報を加えて、さらなる把握に努めていきたいと考えています。…すなわち、Terry Bird の勉強も兼ねているのです。…よろしかったらお付き合いください。

なお、報告書は他の団のものも含め、以下のサイトから閲覧等が可能です。

 http://www.nctd.go.jp/lecture/report/h24kaigaireport_all.html