2011/01/31

#21 「2011カナダ現地調査」を終えて思うこと①

皆様! 私 Terry は、午後6時過ぎ、日本に無事帰国しました。(正確に言うならば家に戻れました。) 家族とは感動の対面でした! 子供って、1週間も会わないと、随分変化して見えるものなのですね。

トロント~成田間(約13時間)のフライトでは、ほとんど寝てしまったので、やはり午前1時(現地11:00a.m.)ごろから脳が活発化してきてしまいました。ですので、現地調査関連の細々とした事務処理をしていました。

さて、SMJブログは今後も日々更新しようと思っていますが、現地調査ネタでしばらく引っ張らせていただきます……もちろん、書きたいという欲求がフツフツと湧いてきた場合は、別のテーマに移ることもありますし、これまでのテーマ(連載)の続きを書くこともあります。

今回の調査を終えて、まず始めに思うことは「現地に行かせていただいて良かった!」ということです。以前、SMJブログでこの件に触れたこともありますが、私がカナダのことを勉強し始めた頃と今を比べると、国内で収集できる情報は、その質・量ともに格段の差があります。もちろんインターネットの普及、航空貨物輸送の発達などによるものなのですが…

★インターネット情報は必ずしも 最新のものであるわけではない ということを再認識させられました。具体的には、ある機関の home page に掲載されている組織図(これが最新と思っていたもの)と今現在の組織図が大きく異なっていることが分かりました。

★逆に、インターネット上に情報が公開されているにもかかわらず、その情報の 存在場所に辿りつけていなかった ことを知りました。Terry が最も知りたかった(質問事項にしていた)重要事項の詳細な情報が、実はインターネット上に存在していることを教えられたのです。それも PDF で! ショック!

現代の研究調査の手法として、表現が適切か否か分かりませんが)「アナログ的手法」と「デジタル的手法」を如何に適切に使い分けられるかが課題であると言えるのではないでしょうか。 (つづく)

2011/01/29

#20 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告⑥

調査⑧は Library and Archives Canada(国立図書館・公文書館)で資料収集する予定でしたが、急きょ予定を変更して SIRC に行くことにしました。SIRCはシルクと読みます。正式名称は Sport Information Resource Centreカナダスポーツ情報センター と訳されています。1973年にカナダで設置されたカナダのみならず世界中のスポーツに関するドキュメント情報等を(世界に先駆け)収集・保管・公開してきた(きている)非営利法人です。Sport Canadaからの補助金も受けています。

調査⑧ 1/28 9:30~12:00 SIRCにて資料収集
SIRCの表札

午前調査では、主にカナダの障害者スポーツ政策に関する情報を収集しました。これまで見落としていましたが「Disability Sports In Canada」(Gregson, I. (1999))という本が出版されていたことがわかりました。その他の情報もUSBにダウンロードすることができました。

また、 SIRC Home Page で会員登録を過去に2~3度試みたにもかかわらずレスポンスがなかったSIRC会員登録についても、帰国後もデータベースにアクセスして資料を探したり、デリバリーサービス等を受けたりしたいので年間登録($49.95)しました。

SIRCからの帰り道、散歩がてら雪景色の 国会議事堂 Library and Archives Canada の写真を撮りに行きました。SIRCに移り気してごめんなさい!


短期集中・強行日程の調査でした。もう若くないのだと、思い知りました。ヒアリングに応じてくださったカナダの関係者の皆さんは、とても好意的かつ協力的でした。トロント調査・協力者のNakaさんには急な依頼だったにもかかわらず的確に通訳していただきました。Max氏はじめSSFの皆様には、フル・サポートしていただきました。感謝です!

約6時間後にはチェックアウトして日本に帰ります。wife に「ずっと体調が悪かった」とメールしたら、「変な菌持って帰って来ないでね!」という返信があり、バイ菌扱いされて少しショックでした……でも4歳のオテンバ娘Kaenaと2歳のイタズラ坊主Saint、そして??歳の妻 Peach♡ に早く会いたいです……2/6~2/10までスキー&スノーボード実習で、また出張してしまいますが……

帰国後の私の仕事は、今調査で得られた情報、経験等を踏まえ、カナダのスポーツ政策について把握・分析・報告することです…2/25〆切かぁ…

最後に、「カナダにおけるスポーツに関する事象?(政策、施策、プログラム、movement、機関、組織・団体、研究、ボランティアスピリット、ビジョン、企画力、行動力、抑制力、バランス感覚、謙虚さ、Inactivityへの危機感…etc.)は、世界最高水準にあることを実感しました。」という一文で現地からの報告を終えることにします。

最後の最後に、今後のSMJの方向性のヒントです!

SIRCにて検索中に撮影
寝坊しないようにしようっと……オタワ(1/29 1:05)より Terry でした!

2011/01/28

#19 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告⑤

ヒアリング調査⑥⑦が無事終わりました。明日の調査⑧は Library and Archives Canada (国立図書館・公文書館)での資料収集だけですので、今回のメインの調査は完了しました。とても充実したものでした。

調査⑥ 1/27 9:30~11:00 Own the Podium の CEO にヒアリング

Podium は オリンピック・パラリンピックの表彰台 を意味していますので、敢えて翻訳するのであれば「メダルを所有せよ!」になります……ただし、しっくりする訳をオタワ調査パートナーのMax氏と二人で考えたいと思います。個人的には Own the Podium (or オウン・ザ・ポウディアム)で良いと思っていますが……

周知のように、Own the Podium (OTP)は 2010バンクーバー五輪においてカナダのメダル獲得数を飛躍的に向上させた取組み(組織名)で、注目している国は多いと思います。Max と Terry は、しつこいぐらい質問しましたが、CEOは丁寧に答えてくれましたし、彼らにとって予定外の資料まで引き出すことができました。

午前調査の収穫は、OTPのロゴ入りブリーフケース(ファスナー付)をいただいたこと、OTPの実体を把握することができたこと、OTPの最新情報を入手できたこと etc.


調査⑦ 1/2713:00~14:30 オタワ大学 Jean Harvey教授にヒアリング

詳細は、後日、ご紹介しますが Sport Matters Group (SMG) について多くの情報を提供してもらいました。 あれっ、Sport Matters って…どこかで見たことが……

そうなんです! Terryのブログ名と同じなんです。

午後調査の収穫は、uOttawaのロゴ入りステンレスマグ とルーズリーフをいただいたこと、Harvey教授が我々二人をホテルまで歩いて送ってくれたときにリドー運河の天然スケートリンクを案内してくれたこと、その途中ビーバー・テイルという揚げパンを食べさせてくれたこと etc.


調査①~⑦を終え ホッ としています……2/25まで過酷な日々が続きますが……

初めてテレビの power を押しました……オタワ(1/27 21:55)より Terry でした!

世界最長の天然スケートリンク (ユネスコ世界文化遺産に登録)

2011/01/27

#18 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告④

ヒアリング調査④⑤(1/26)の日でした。午前中の Sport Canada は、日本で言えば 文部科学省 スポーツ・青少年局 のようなものです…が、厳密に言うと日本でこれから議論になるであろう「スポーツ庁」の方が役割・機能が近いのではと考えています。Sport Canada は Canadian Heritage(Department of Canadian Heritage:民族遺産省)の1つの Branch(局) です。

調査④ 1/26 9:30~12:00 Sport Canada のスタッフ3名にヒアリング

午前調査の収穫は、Sport Canada の内部に入れたこと、日本国内では絶対入手できない貴重な資料を大量に入手できたこと、2010バンクーバー五輪の記念グッズ:アイスホッケーのパック(幸運の象徴)をいただいたこと etc.


Terry と Canada の接点は「スポーツ政策研究」だけだと思っています。ただそれだけなのですが、「国をつくること」に対するカナダ人の意識の高さを垣間見れているような気がします。

調査⑤(Canadian Olympic Committee)の詳細については、後日、SMJブログで紹介しますが、午前・午後を含めパートナーの Max氏 には 大活躍していただきました。

残りの調査⑥⑦⑧も頑張りまーす。……オタワ(1/27 1:00)より Terry でした!

2011/01/26

#17 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告③

ヒアリング調査③(1/25)が終わり、トロントからオタワに移動しました。現在、Wホテルの12階です。部屋も広く、清潔で、インターネットにもアクセスでき、明日以降のヒアリング調査の事前準備が進みそうです……今晩も徹夜かぁ……

調査③ 1/25 10:00~12:10 ParticipACTION のスタッフ2名にヒアリング

ParticipACTION とは パティシパクション と読みます。Pariticipation と良く間違えられることもありますが、カナダで1970年代から始まった スポーツ(身体活動)への参加を促進・啓蒙する団体(NPO)の名称です。また、その団体により実施されるプログラムを束ねる標語 or 総称 にもなっています。participate と action からなる造語 なのです。

今日の収穫は、パティシパクションのロゴ入りシャツと万歩計です。レアもの!? です。


Terry が、カナダ・スポーツ政策研究を始めたころから注目していた団体 or プログラムでしたが、日本で得られる情報だけではその実態がものすごく掴みにくかったものの一つです。今回のヒアリング調査によって、モヤモヤが少し晴れたような気がします。写真はパワーポイントの映像です。…何だか、興味がそそられそうなイラストじゃないですかぁ?…


今晩からMax氏(SSF)と合流します。彼は英語が堪能のようで、心強いです。
最後に、トロント調査の助っ人(通訳者)Nakaさん! 英語も拙いうえに日本語も拙かったTerry だったと思います。ご苦労をおかけしたと思います。Thank you so much !

明日は最大の山場 Sport Canada です。……オタワ(19:40)より Terry でした!

2011/01/25

#16 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告②

ヒアリング調査①②(1/24)が終わりました。昨晩は、ほぼ徹夜で準備していましたので、3時間ほど夕寝?! をして起きたところです…おそらく今日も眠れません…

調査① 1/24 9:15~11:00 トロント大学 Kidd 教授にヒアリング

午前調査の収穫は、日本から持参したKidd 先生の御本にサインをしていただいたこと、帰る間際にトロント大学グッズ(帽子)をいただいたこと etc.


調査② 1/24 13:30~15:30 オンタリオ州ヘルスプロモーション・スポーツ省 Zavitz 氏にヒアリング

午後調査の収穫は、2011年のカナダ競技大会(日本の国体のようなもの)オンタリオ州代表選手・関係者に配布される小物(バッジ、キーホルダー)をいただいたことと、カナダに来たらティム・ホートン(Tim Hortons)と言われるくらい有名なドーナツをいただいたこと etc.


もちろん、それ以外の貴重なもも多数収集できました。

明日に備えます……トロント(21:10)より Terry でした!


2011/01/24

#15 2011 カナダ スポーツ政策調査:現地報告①

日本時間1/23 17:10 成田発AC002便搭乗により、Terry のカナダ・スポーツ政策調査の旅が始まりました。カナダ研究をしていると言っても、カナダへは今回で2度目です。その他の国を含めても海外経験は浅く ブログ同様に海外ビギナーです。色々ありました。
 ……どうなる事やら……


カナダ時間1/23 15:20 トロント・ピアソン国際空港に約12時間のフライトを経て無事に到着しました。旅行の準備でほとんど寝ていなかったので、いつ離陸したのかわかりませんでしたし、途中夕食、夜食(カップヌードル)、朝食を食べた時間と「踊る大捜査線3」を観た時間以外は爆睡していました。…体のあちこちが痛いです。
 (星条旗が見えますが間違いなくカナダの空港です!)


18:00過ぎにトロント・ヒアリング調査での助っ人の通訳者Nakaさんと合流して打合せを済ませ、夕食後の今は、明日午前のトロント大学のKidd教授、午後のオンタリオ州ヘルスプロモーション・スポーツ省政策アドバイザーのZavitz氏への質問等の最終準備に取り掛かるところです。

大学のスキー&スノーボード実習で-10度ぐらいは体験しているので、周囲からは寒いと聞いていたにもかかわらず、まぁ大丈夫だろうと思っていました。

カナダの寒さをなめていました。…-15~17度位と言われましたが、未体験ゾーンの寒さでした。オタワはもっと寒いそうです。……寒~い!

最終準備がんばろっと……トロント(22:30)より Terry でした!

2011/01/23

#14 カナダ・スポーツ政策「現地調査2011」③

いよいよ出発の日(17:10成田発)を迎えました。20079月以来のカナダ行きになります。その時は23日間でトロント、モントリオール、オタワ、バンクーバーを資料収集等しながら周りました。懐かしいです。
(資料収集に明け暮れたオタワにてホテルの窓から撮影 2007.9.13)


今までブログなんて書くものか…と思っていたにもかかわらず、SMJブログを開設するに至ったのも、この「現地調査2011」でカナダに行くことになったからです。旅行記を書きたいと以前から考えていました。ただし、研究調査旅行記のことなのですが……

政策、施策等を立案する際に、諸外国の成功事例をそのまま鵜呑みにして日本に当てはめることがあると思います。そのようなケースでは、あまり上手くいっていないことの方が多いのではないでしょうか。もし、そうだとすると、参考にした事例の表層部分しか見ていなかったからなのでしょう。

2010年バンクーバー五輪でカナダはメダル獲得数において大躍進を遂げました。スポーツ界では「カナダの国際競技力は向上した」と言います。その際、カナダの「Own the Podium(OTP)」という取組みが機能したからだ…と説明ないし紹介されます。カナダは莫大な資金を選手強化に投入した、選手の競技種目を変更させたことでメダルを獲得した、などのように……

OTPに限らず、カナダのスポーツ政策、施策、プログラム等についてはインターネット(HP)を通して概略を知ることができます。けれども、それらの真の姿は、何らかの問題意識を持った上で関係者・機関から情報収集しないと把握できないと考えます。そして、その他の諸施策との関連も踏まえるなどして、分析・咀しゃくする必要があります。そのような意味で、差し障りのない範囲ではありますが、研究調査の一部をSMJブログで公開することで、日本のスポーツ関係者・機関の方々に有益となるような情報を発信できればと思います。

インターネット環境にもよりますが、可能な限り現地報告します!
……技術面で少し不安……

2011/01/22

#13 何故 カナダ(Canada) なのか ③

私(Terry)が、カナダのスポーツ政策について勉強し始めたきっかけは、大学院に入学した際、学部時代に卒論の指導教官をしていただいた恩師・Knob先生から「カナダのスポーツ政策・行政をやってみないか」と勧められたことにあります。

えっ、何でやねん・・・ドイツのスポーツ政策やろうと思うてたのに・・・と拒絶しようとしましたが、1冊の洋書を渡されました。
 「Sport and Politics in Canada: Federal Government Involvement Since 1961」(D. MacIntosh

Knob先生はドイツがご専門でしたが、当時、日本、アメリカ、フランス、ソ連、イギリス、韓国などのスポーツ政策・行政・法を研究している弟子や研究仲間とともに、ある種の研究グループを形成しておられました。

日本のスポーツ政策を改善し、色々な意味でより良いスポーツ環境を整えていくために、諸外国のスポーツ政策を参考にすることは意味のあることです。ただし、日本版にアレンジしたり、日本独自のものを考え出さねばならないことは言うまでもありませんが・・・

Terry 自身は Canada との出会い運命的であったと思っていますが、Knob先生からすると必然であったのかもしれません。

2011/01/21

#12 何故 カナダ(Canada) なのか ②

何故、カナダなのか?・・・の前に、何故、スポーツ政策研究なのか?・・・を説明する必要があるかと思います。

ずばり、日本の様々なスポーツ問題を解決したい という 私(Terry)の思い(願望、野望)がその源泉なのであります。では、様々なスポーツ問題とは何かということなのですが、それらについては今後のテーマにしたいと思っています。・・・でも、それまでSMJブログを書き続けているかなぁ・・・

ブログ初心者ですので、始めは無我夢中で毎日書いていましたが、「統計」なるものを発見してチェックしだした途端、何だか色気が出始めてきました・・・が、1月20日のお客様が1人というデータを目の当たりにした瞬間、書くことのモチベーションが   ・・・気がしました。

“ビギナーズ・ラック”ならぬ“ビギナーズ・ショック”とでも言いましょうか・・・・・・

でも、この事でブログを書くこと自体が目的なのではなくて、前述のTerryの思いを実現するための手段の1つとして SMJブログ があるのだということに立ち返ることができました

テーマからズレてしまいました。   (つづく)

2011/01/20

#11 何故 カナダ(Canada) なのか ①

日本人にとって カナダ(Canada) という国はどのように位置づけられているのでしょうか?

おそらく、隣国の超大国 アメリカ の陰に隠れ、そして、北米という地理的枠組みの中に埋没してしまい、その存在感は薄いものになっているのだと思います。アメリカの51番目の州のようなものじゃないの? とさえ聞こえてきそうです。

「カナダのスポーツ政策と法を研究してま~す!」と言うと、たまに「何故カナダなの?」と聞かれることがあります。博士論文の中間審査の時も、副査の教授からその質問を投げかけられ、時間をかけて説明したにもかかわらず、最後まで納得していただけなかった苦い思い出があります。

研究者にとって、ライフワークになるような研究テーマに出会えることは、(大げさに言うと)恋人や永遠の伴侶に出会うことに匹敵するぐらいのことではないかと、思っています。今のところ、私にはその伴侶が3人います。(うち1人は本物の奥さんですが・・・)

私のカナダ研究の原点は 恩師 との出会いでした。 (つづく)

2011/01/19

#10 カナダ・スポーツ政策「現地調査2011」②

2011 Onsite Survey in Canada について書かせていただきます。

今回(1/23~1/30)のカナダでの現地調査は SSF が MEXT(文部科学省)から受託した「(外国)スポーツ政策調査研究」の一環として実施されるものです。トロントで2泊、オタワで4泊しますが、オタワ調査の2日間はSSFの Max氏 が同行してくれます。とても頼りになる人物です。スケジュール調整もほとんどしていただきました。

スケジュール(現地時間) ※予定(1/18現在)
 1/23  移動
 1/24 (AM)   トロント大学Kidd教授
         (PM)  オンタリオ州 Ministry of Health Promotion and Sport
 1/25 (AM)  パティシパクション(ParticipACTION)  (PM) 移動
 1/26 (AM)  民族遺産省 Sport Canada  (PM)  カナダオリンピック委員会(COC)
 1/27 (AM)  Own the Podium(OTC)  (PM)  Sport Matters Group(SMG) 
 1/28     Library and Archives Canada(国立図書館・公文書館)
 1/29  移動

非常にタイトですが、「SMJ ブログ」で 現地報告 する予定です!

2011/01/18

#9 スポーツガバナンス(sport governance)③

スポーツガバナンス(sport governance)とは何か?
もちろん万国共通の定義はないのですが・・・

オーストラリアの ASC は「(スポーツ組織の)ガバナンスとは、組織目標の設定・達成、組織の意思決定の規則・手続きの詳細説明、成果の最適化・監視手段の決定及びリスクの監視・査定に影響を及ぼす組織の管理・経営システムである」と説明しています。

また、ニュージーランドの SPARC は「ガバナンスとは、戦略方針・優先事項を設定し、政策及び経営業績期待を設定し、リスクを特徴づけ管理し、その組織及び所有者への説明責任を遂行するために組織業績を監視し評価する役員会によるプロセスである」と説明しています。

例をあげて、スポーツガバナンスとは何説明するとすれば、財団法人日本相撲協会 理事会 による「組織統治システムまたはその統治プロセス」ということになるのでしょう。

 参考文献
  Hoye, R. & Cuskelly, G. (2006). Sport Governance. UK: Butterworth-Heinemann.

2011/01/17

#8 スポーツガバナンス(sport governance)②

ガバナンス(governance)という用語は、一般に、企業などの統治能力を表すときによく使われますが、それとは対照的な、社会貢献活動やコミュニティーサービスなどを推進するボランティア組織等の統治能力を表す「非営利ガバナンス(nonprofit governance)」もその対象に含んでいます。

スポーツ関係団体の多くが非営利組織ですので、その統治能力については、特に「スポーツガバナンス」と呼ばれています。スポーツガバナンスに関する諸外国の取組みは日本よりも先行しています……と言うよりも、国内のスポーツ関係団体の不祥事が多発しているように日本はかなり遅れていると思います。

諸外国の代表的な取組みとして、イギリス(UK Sport)の「Mission 2012」、ニュージーランド(Sport and Recreation New ZealandSPARC)の「SPARC Online Governance Evaluation System」などがあります。

 参考文献
  Hoye, R. & Cuskelly, G. (2006). Sport Governance. UK: Butterworth-Heinemann.

2011/01/16

#7 スポーツガバナンス(sport governance)①

最近、スポーツ界においても「ガバナンス(Governance)」という言葉をよく耳にします。様々な背景があってのことなのですが、2010年8月26日に文部科学省から公表された「スポーツ立国戦略-スポーツコミュニティ・ニッポン-」の中でも、その柱の4番目『スポーツ界における透明性や公平・公正性の向上』としてガバナンスについて触れています。
一般に、「ガバナンス」は「統治能力」を意味します。

同戦略の策定に向けて、文部科学省は①有識者等からのヒアリング調査(5回)と②現場に出向いてのヒアリング調査(延べ44日)を行いました。その①調査の議事録を読むと、ガバナンスに関する文部科学省(主に副大臣)の認識と、意見を求められたスポーツ団体代表者の認識の間にズレがあることがうかがえます。

スポーツガバナンスについて、日本では、まだまだ漠然としたイメージしかないのだろうと思います。私の知る限り、オーストラリア ニュージーランド のスポーツガバナンスについての考え方・取組みがとても参考になります。

2011/01/15

#6 日本とカナダの比較①

日本とカナダは、近代国家の道を歩み始めた年(1867年) と 国(連邦)レベルのスポーツ法が制定された年(1961年)が、奇しくも同じなんです。前者は日本での大政奉還(→明治政府の誕生)、カナダでの連邦結成(コンフェデレーション)、そして、後者は日本のスポーツ振興法、カナダのフィットネス・アマチュアスポーツ法がそれらに当たります。

したがって、日本とカナダともに、国(連邦)レベルのスポーツ法制定から今年で50年になります。その間、カナダでは2003年に新しいスポーツ法として身体活動・スポーツ法が制定されましたが、日本では、スポーツ振興法に代わる新しい法律としての「スポーツ基本法」の国会審議が、ようやく始まろうとしている段階です。

カナダのフィットネス・アマチュアスポーツ法(1961年)の国会(下院・上院)議事録を以前翻訳しましたが、400字詰め原稿用紙400枚程度の分量でした。また、身体活動・スポーツ法(2003年)は、1961年法の3~5倍ぐらいの分量でしょうか。

スポーツ基本法の国会審議の中身が原稿用紙何枚ぐらいになるのか、期待して見守りたいと思っています。

50枚、いや30枚ぐらいかなぁ・・・

2011/01/14

#5 「研究」と「英語」について

私(Terry)は、日本人です。
「何でオマエが外国研究してんのや!」・・・と、高校時代の友人たちが今の私の研究対象を知ったら、ボロクソに言ってくると思います。
ちなみに、私は「大阪府立住吉高等学校」出身(35期)です。
英語を教えていただいた 秦先生横山先生 お元気でしょうか? ・・・遅刻が多く、寝てばかりで、指されても答えられず、いつも赤点ギリギリの、私服OKなのに学ランを着ていた・・・あの僕です。その節は大変ご迷惑をおかけしました。
・・・お二人とも、優しかったなぁ・・・

人にもよりますが、研究に英語はつきもの だと思います。本当は避けて通りたいのですが、何かを知りたい、あるいは追究したいという気持がそれを上回ってしまっています。

現在は、本学のタマちゃん (失礼な呼称お許しを!) に大変お世話になっています。

自分の子供には「英語で苦労させたくない!」と考える親の一人です。
2歳の息子に「サンキュー」と言うと「ユアウレンカン」と答えてくれるので、
いつもイジッテます。

2011/01/13

#4 カナダ・スポーツ政策「現地調査2011」①

1月23日から30日まで、カナダ(トロント、オタワ)に行く予定です。
エア・チケット等は まだ 手元にありませんが・・・

目的はカナダのスポーツ政策・施策等に関する情報収集です。
大学院入学(1991年)以来、カナダのスポーツ政策について勉強してきました・・・と言ってもサボっていた期間が結構あります・・・が、その当時と現在を比べると、日本国内で収集できる情報は、質・量ともに格段の差があります。
もちろん インターネットの普及 のおかげです。

このように、インターネットを活用すれば、誰でも諸外国のスポーツ政策の状況を知ることができます・・・・・・が、仮に国内で90%の紙ベースの情報を収集できたとしても、全体像および個別事項の適確な把握という面では・・・どうでしょう?・・・50%といったところでしょうか。

百聞は一見に如かず! です。  (この展開で、この表現は的確でしたっけ?)

2011/01/12

#3 私の研究テーマ①

大学の教員という者は、いわゆる“学校の先生(教育者)”なのですが、研究者 でもあります。私の場合、学内では“体育の先生”という肩書もあります・・・が、研究もしています。

現在、カナダのスポーツ政策と法に関する研究 に取り組んでいます。
  ※その他にも研究テーマを抱えています。(後日、書きます!)

今年は「日本のスポーツ政策」が大きく動く年です。
2010年8月の「スポーツ立国戦略」の公表に始まり、2011年は「スポーツ基本法の制定」「新スポーツ振興基本計画の策定」「スポーツ庁の設置」等が予定されています。

そんな関係で、現在、文部科学省(※スポーツを所管)は、諸外国のスポーツ政策に関する情報の収集・分析を急ピッチに行っています。カナダもその対象国になっており、お陰様で、私も少々忙しいです。

2011/01/11

#2 Sports Masters Japan ではありません!

私はブログ初心者です。
先ほど Yahoo! で Sport Matters Japan を検索してみたところ
ヒット件数“0”の上、ご丁寧に 「Sports Masters Japan ではありませんか?」 と画面に出てきました。

本ブログは、日本スポーツマスターズ(大会)とは関係ありません。
スポーツ・マターズ・ジャパン です!

その由来は ヒ ミ ツ です・・・、いや、いずれご説明します。

#1 2011年1月11日(火)から SMJ のブログが始まります!

ブログなんて絶対やるものか、と思っていましたが、 SMJ のブログを始めることにしました。Sport Matters JAPAN って何? と首をかしげる方もいると思います。
(ブログ開設早々では、そのような方はいないですね・・・)

小さな一歩ですが、私(Terry)なりの夢の実現に向けての記録のつもりで、日々書き記していきたいと思います。日記を書くのは小学6年生以来です。

私は「スポーツ政策(Sport Policy)」の研究をしています。
日本のスポーツを、そして日本を良くしていくために Action  を起こしていきます。

1月23日(日)から カナダ に行ってきます!