2012/02/29

#350 SMJブログの目指すもの (7)

Sport Matters JAPAN が何を目指しているかについての具体的な話は#600から始めたいと考えています。…それまで…いや、SMJブログのゴールまでお付き合いいただければ幸いです。

2011年1月11日からSMJブログを開設しました。ですので、1年余り経過したことになります。この間、色々なことが分かってきました。Terry Bird の個人的な話では、文章を書く上での“癖”や“構想・思考パターン”があることに気がつきました。…可能な限り、変化をつけていきたいと思います。

また、ブログ更新に伴うブラスの副産物が、マイナスのそれを大きく上回っていることを実感することができました。お勧めします!…TSU副学長が近々「仕事日記をつけよう(仮)」という本を出版されるようです。…僭越ながら、趣旨が理解できるような気がします。

その他、SMJブログの読まれ方のトレンドのようなものも分かってきました。…最近は、特に“仮想・五輪メダルランキング”関連についてお読みいただいています。…コンスタントにお読みいただいているものは“日本・中国・韓国の学校体育”関連です。余力があれば、継続研究を再開します。

おまけとして、海外からの“リファラスパム”の存在を知ることもできました。アクセス要注意です。勉強になります。

ところで、今回は“癖”を改善して書きました! お分かりになりましたでしょうか…

2012/02/28

#349 スポーツ政策:独論 (8)

日本のスポーツ(政策)は10年遅れている?

JSAA(日本スポーツ仲裁機構)は、2012年ロンドン五輪アジア大陸予選会の男子軽量級ダブルスカル日本代表クルーの内定を取り消す仲裁判断の骨子を、2月27日付で公開しました。

ある(ネット)報道の論調に、2011年に制定されたスポーツ基本法第15条(スポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決)が、選手の行動(アピール)を後押ししたというものがありました。

(参考)
第15条 国は、スポーツに関する紛争の仲裁又は調停の中立性及び公正性が確保され、スポーツを行う者の権利利益の保護が図られるよう、スポーツに関する紛争の仲裁又は調停を行う機関への支援、仲裁人等の資質の向上、紛争解決手続についてのスポーツ団体の理解の増進その他のスポーツに関する紛争の迅速かつ適正な解決に資するために必要な施策を講ずるものとする。

カナダでは、2003年に制定された「身体活動・スポーツ法」の中で、日本のJSAAにあたる「カナダスポーツ紛争解決センター(Sport Dispute Resolution Centre of Canada:SDRCC)」の設置等が規定されています。

また 「スポーツ・ソリューション」(ウエスタンオンタリオ大学法学部と共同してアスリートカナダによって開発されたスポーツ組織の裁定に不服申立てを行いたい競技者への支援サービス)が1999年の10ヶ月間で扱った137件のうち、67件(49%)が代表選考関連の問題であったという資料もあります。

アバウトですが、この面で日本は10年ほど遅れているような気がします。…独論です。

2012/02/27

#348 スポーツ政策:独論 (7)

Terry Bird の“独り言”だと思ってお読みください。…十分な分析をしている訳ではありません。…ですので“独論”としています。

日本のスポーツ政策における“ボタンの掛け違い”「スポーツ基本法(2011年)」の制定ではないかと思うようになりました。…具体的に言うと「スポーツ振興法(1961年)」の全改正として「スポーツ基本法」を作ってしまったことです。

「教育基本法」が全18条に対して、「スポーツ基本法」は全35条あります。

もっと的を絞ったシンプルな法律で良かったのではないでしょうか。…スポーツ振興法に上書きしたようなものでは「基本法」にはなり得ないのではないでしょうか。

まもなく策定される「スポーツ基本計画」にインパクトがないのは、「スポーツ基本法」そのものが基本計画(基本方針)のようなものであり、具体化する方策を幾つか列挙した程度では、同じものを2度見せられているような印象をもってしまうからだと思います。

日本のスポーツ政策にとって本当に必要なものは「行動計画(Action Plan)」なのでしょう。

2012/02/26

#347 スポーツ政策:独論 (6)

久しぶりに、独論を吐きます! ※独論とは#100で説明してあります!

「スポーツ基本法(平成23年法律第78号)」の第9条に基づき、まもなく「スポーツ基本計画」が策定されようとしています。…本来なら、スポーツ関係者は“ワクワク・ドキドキ”して見守っているはずなのですが、どうも、そのような気配が感じられません。

以前、同僚 Coach K さんから「スポーツ基本法が成立したら何が変わるんですか?」と質問された時に、答えに窮しましたが、「スポーツ基本計画」についてはそれ以上に窮すると思います。

どうしてでしょうか?

2012/02/25

#346 スポーツ政策ニュース (第21号)

「見え消し修正版」が面白い!

現在、「スポーツの推進に関する特別委員会」において「スポーツ基本計画」の策定に向けての審議がなされています。その第12回会議(1/24)で配付された資料の中にとても面白いものがありました。

「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)(案)(見え消し修正版)」
     http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo5/010/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2012/02/07/1315797_2.pdf

この資料では、1月30日に中央教育審議会スポーツ・青少年分科会から公表された「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」の直前の修正箇所及びその内容をすべて確認することができます。…修正前後の文章を比較することにより、策定者の意図込められた深~い意味などを理解することができます。

第13回会議(2/21)では、「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について」が議題の1つに挙げられていました。…どのような意見が寄せられたのでしょうか、興味深いです!

2012/02/24

#345 スポーツ政策:「世界の動き」 (8)

Canadian Sport Policy 改定の進捗状況

奇しくも、日本の「スポーツ振興基本計画」とカナダの「連邦スポーツ政策(Canadian Sport Policy)」が同じ時期(2012年)に改定されようとしています。

カナダでは2月14日付の「Canadian Sport Policy 2.0」の草案が公表されています。…2010年から2年を費やして本年4月に策定される予定です。…実に計画的です。…それに、カナダのスポーツ界、スポーツ関係者、研究者、ステークホルダー等を巻き込む形で“協議プロセス”が展開されてきました。

最近、考えるようになったことですが、日本の“政策立案プロセス”については、見直す必要のある部分があるのではないでしょうか? 他国のものがすべて良いとは言いませんが、カナダ研究を通じて、日本のスタイルはスタンダードではない…と言うか、合理的ではない…と言うか、英知が結集されていない…ような気がします。…と言うか、そうならないような仕組みやプロセスになっているような気がします。

今回の両国の「策定過程に関する比較研究」をしてみたいです!

2012/02/23

#344 Bird's メモ (3)

決断しました!

先ほど、2012年度中の最大の仕事になるであろう「依頼(打診)」に対する「受諾メール」の送信ボタンを押しました。…先方で正式決定されるか否かは分かりませんが…

 妻(Peach)Prof. Woods さんから背中を押されたこともあり、決断しました!

具体的な話はしばらく書けませんが、おそらくSMJブログの主要なテーマとして扱うことになると思います。…とりあえず、現在執筆中の原稿を仕上げなければ…

忙しさの面では2011年が最大級でしたが、難易度や刺激度の面ではそれを上回りそうです。…そんなこんなで、家族(特に妻Peach)を嵐に巻き込む前に、温かい国に連れていくことにしました。

Kaena と Saint はお留守番です!

2012/02/22

#343 Bird's メモ (2)

とても大きな仕事が舞い降りてきました!

2012年は“研究の年”にしようと思っていましたが…

Terry Bird にとって、色々な意味で大いなるチャンスなのですが、あまりにも大きすぎて…と言うよりも、能力・実力の範囲を超えている仕事です。…まさに大きな“壁”です。…そう言えば、先日のTSUスキー&スノーボード実習で「“壁”を乗り越えるたびに、人は成長していきます。これからも幾つもの壁に向かってチャレンジしていってください!」と参加学生にコメントしたばかりです…

 今週中に返事をしなければなりません。

仕事が仕事を呼んできます!

2012/02/21

#342 カナダのスポーツ関連組織 (2)

新CEOアン・マクリンガー氏について

「オウン・ザ・ポウディアム(Own the Podium:OTP)」の第3代CEOのアン・マクリンガー(Anne Merklinger)氏の主要なキャリアについてインターネット情報をもとにしてまとめます。

元水泳カナダ代表チーム(1977-81)
  ※1977年ユニバーシアード銀メダリスト(200m平泳ぎ)など
水泳引退後・カーリング選手に転身
  ※Scott Tournament of Hearts(当時の名称)において2度ファイナルに進出
カナダカヌーカヤック協会(CanoeKayak Canada)の事務局長
障害をもつ競技者のインクルージョンコミッション(Commission for Inclusion of Athletes with a Disability)
カナダ障害者スポーツ団体連盟(Canadian Federation of Sport Organizations for the Disabled)
スペシャルオリンピックスカナダ(Special Olympics Canada)理事 など

詳細はもう少し調べないと分かりませんが、数々のスポーツ関連組織でマネジメント能力を発揮してきた実績と夏季及び冬季スポーツにおける競技歴・強化歴が評価されてOTPの第3代CEOに選ばれたようです。

2012/02/20

#341 カナダのスポーツ関連組織 (1)

SMJブログ・新シリーズです!

カナダのスポーツ関連組織は非常に多岐にわたっています。…Terry Bird もその全体像を整理しきれていません。…しかしながら、文科省報告書(2011)でも書きましたように「オウン・ザ・ポウディアム(Own the Podium:OTP)」がカナダの国際競技力向上分野の中核機関として、また「パティシパクション(ParticipACTION)」がカナダ国民のスポーツ参加の向上及びそれを通じた健康増進に寄与する中核機関として位置付けられていることは間違いありません。…ちなみに、OTPは連邦政府からの年間約7,000万カナダドル(約56億円)の競技力向上関係資金の配分原案を作成する重要な組織です。

そのOTPの第3代CEOにアン・マクリンガー(Anne Merklinger)氏が就任したのですが、彼女は一体どのようなキャリアの持ち主なのでしょうか? 

カナダの場合、一流有名スポーツ選手が引退後ただちに“中央競技団体の要職”に登用されることはほとんどないと Terry Bird は見ています。

2012/02/19

#340 スポーツ政策:「世界の動き」 (7)

Own the Podium の第3代CEOが決まる!

カナダの「オウン・ザ・ポウディアム(Own the Podium:OTP)」の新しいCEO(Chief Executive Officer)アン・マクリンガー(Anne Merklinger)氏が就任されたことが、1月26日付で発表されていました。

前CEOアレックス・バウマン氏の退任後、そのポストの公募情報が世界に発信され、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパ、イギリス、アジア、カナダなどから約100人の応募があったようですが、その中からOTP理事会はマクリンガー氏を選びました。

彼女は2009年10月からOTPの夏季スポーツ担当部長(director of summer sport)を務めており、結果として今回の人事は内部からの昇格ということになりました。…なお、カナダのスポーツ関連組織の人事は日本のそれとは異なり、“実力・実績主義”のような印象をTerry Bird は持っています。…SMJ新シリーズを立ち上げます!

2012/02/18

#339 スポーツ政策ニュース (第20号)

SSF「感謝の集い」のご案内をいただく!

設立20周年を迎え、スポーツ専門シンクタンクとしての活動を本格化させた「公益財団法人笹川スポーツ財団(SSF)」から「感謝の集い(交流会)」のご案内をいただきました。

 日時:2012年3月14日(水) 18:30~20:30(予定)
 場所:アークヒルズ「クラブルーム」
       ※アーク森ビル イーストウィング37F 「ARK HILLS CLUB」

当日は、関係者が集まり“スポーツ界の進むべき未来についての情報交換”がなされる予定です。…SSFさんには“カナダのスポーツ政策に関する情報発信”をさせていただく機会を与えていただきましたので、逆にこちら(Terry Bird)から感謝申し上げたいです。

SSF のさらなるご発展を祈念いたします!

2012/02/17

#338 スポーツ実施率について考える (8)

まとめ

…っと、その前に…

TSUスキー&スノーボード実習(2/12~16)を無事に終えることができました。関係者の皆様、この場をお借りして御礼申し上げます。…“実習総務”兼“責任者代理”ということで、実習全体を統括しましたが、異なる立場で仕事をすると、いつもは見えなかった物を見ることができました。…来年以降の実習に活かしたいと思います。
瑪瑙山頂から戸隠連峰を望む by Terry
やはりSMJブログの今回のシリーズに対する皆様の関心は薄いようでした。…実習中ということもありましたが、Terry Bird も“ワクワク感”を抱いてキーを打ち込むことができませんでした。…スイマセン!

さて、本題(まとめ)です。…「国民(成人)の週1回以上のスポーツ実施率を3人に2人(65%程度)」という政策目標を達成しようとする“気迫”「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」から感じることはできませんでした。…お題目程度の数値目標なら無くても良いと思います。…それよりも、国民が“何のためにスポーツをしなければならないのか”、あるいは“何故スポーツをする必要があるのか”がピンとこないところが気になります。

“スポーツの未実施者”や“週1回未満のスポーツ実施者”を“週1回以上のスポーツ実施者”にするためには、阻害要因(障壁)を取り除いたり、環境を整えるだけでは不十分です。…視点を変えて、もう一工夫する必要があるでしょう。

スポーツ実施にまつわる“国民の側の論理”と“国家(社会)の側の論理”を区別(整理)して基本計画策定や政策立案することが求められていると、Terry は考えます。…カナダのスポーツ政策から得られるヒントは、SportPhysical Activity です。

2012/02/15

#337 スポーツ実施率について考える (7)

国民のスポーツ実施率向上策~国の具体的施策(案)~

1月30日に中央教育審議会スポーツ・青少年分科会より公表された「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」に、国民のスポーツ実施率向上に向けての具体的施策が記述されてあります。…以下、主要なものを一部文言を省略または要約して記します。

ライフステージに応じたスポーツ活動の実態を把握する調査研究
  → ライフステージに応じたスポーツ活動を促進するための方策を検討
各年齢層、性別等ごとに日常的に望まれる運動量の目安となる指針・基準の
  策定及びその普及・啓発
スポーツ実施率の低い比較的若い年齢層(20歳代、30歳代)の
  スポーツ参加が困難な要因の分析
仕事や家事・育児の合間に行える運動等の開発及びその普及・啓発
高齢者が無理なく日常的に取り組むことのできる日常生活動作を
  活かした運動等プログラムの開発及びその普及・啓発 等

キーワードは「調査研究」「検討」「要因分析」「開発」「普及・啓発」などです。…政策目標(65%程度)の達成につながれば良いのですが…

 TSUスキー&スノーボード実習(2/12~16:戸隠)も明日で最終日です!

2012/02/14

#336 スポーツ実施率について考える (6)

“週1回以上のスポーツ実施”とはどの程度か?

「国民(成人)の週1回以上のスポーツ実施率が65%程度を目標にする」と言われても、それがどの程度の頻度なのかイメージしにくい方もおられるかと思います。…そこで、「体育・スポーツに関する世論調査」(平成21年9月調査:内閣府)の「調査票」を見てみました。

 Q4) の選択肢
   (ア) 週に3日以上(年151日以上)
   (イ) 週に1~2日(年51日~150日)
   (ウ) 月に1~3日(年12日~50日)
   (エ) 3か月に1~2日(年4日~11日)
   (オ) 年に1~3日

上記が示すように、“1年間に何らかのスポーツ(運動含む)を51日以上行うような人”“週1回以上のスポーツ実施者”ということになります。

皆さんは、上記 (ア) ~ (オ) のどれに当たりますでしょうか?

2012/02/13

#335 スポーツ実施率について考える (5)

“国民のスポーツ実施率”向上のためのターゲットは?

まもなく策定される「スポーツ基本計画」の政策目標の1つに「できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となることを目標とする。」が掲げられていることはSMJ#334で紹介したとおりです。

 A:スポーツの未実施者グループ
 B:週1回未満のスポーツ実施者グループ
 C:週1~2回のスポーツ実施者グループ
 D:週3回以上のスポーツ実施者グループ

週1回以上のスポーツ実施率を65%程度にするには、当たり前の話ですが、C・Dグループがターゲットなのではなくて、A・Bグループがターゲットになります。…ただし、AがBになるだけでは政策目標に到達することはできません。A・BグループをいかにCグループにできるかがポイントです。

Terry は、今、出張で戸隠(長野)にいます!

2012/02/11

#334 スポーツ実施率について考える (4)

「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」が平成24年1月30日に“中央教育審議会スポーツ・青少年分科会”から公表されました。…同資料及びその他の資料は、以下のURLからダウンロードすることができます。

  http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000560&Mode=0

国民のスポーツ実施率に関する「政策目標」を抜粋します。(上記資料より)

「ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するため、国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでも安全にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備を推進する。そうした取組を通して、できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となることを目標とする。また、健康状態等によりスポーツを実施することが困難な人の存在にも留意しつつ、成人のスポーツ未実施者(1年間に一度もスポーツをしない者)の数がゼロに近づくことを目標とする。」

下線は Terry が引きました!…つづく…

2012/02/10

#333 スポーツ実施率について考える (3)

“国民のスポーツ実施率”を分かりやすくすると…

SMJブログ#331の「例題」を別の書き方にすると以下の通りになります。

●有効回答者数…1,800人
 a) この1年間でスポーツをしたと回答した人数 … 1,200人
 b) この1年間で全くスポーツをしなかったと回答した人数 … 600人
 c) スポーツをした頻度が週1回未満であった人の割合 … 40% ※480人
 d) スポーツをした頻度が週1~2回であった人の割合 … 40% ※480人
 e) スポーツをした頻度が週3回以上であった人の割合 … 20% ※240人

すなわち、国民全体を大きく4つのグループに分けて考えることができ、「例題」における有効回答者数に対するそれぞれの割合は以下の通りになります。

 b') スポーツを全くしない          33.3%
 c') 週1回未満の頻度でスポーツをする 26.7%
 d') 週1~2回の頻度でスポーツをする  26.7%
 e') 週3回以上の頻度でスポーツをする 13.3%

「スポーツ基本計画(2012年策定予定)」では「d' +e' 」のところを65% 程度にする目標が設定されそうです。 (※上記の数値は例題としてのものですので…)

目標を達成するためのポイントはどこか?

2012/02/08

#332 スポーツ実施率について考える (2)

国民のスポーツ実施率の算出方法②

SMJブログ#331の続きですが、おそらく誰も計算してくれていないと思います。…寂しい!

…でも、視点や視覚を何処に置くかによって、見えないものが見えてくることもあります。…いや、見なくて良いものを見てしまっているのか…

★ 例題:国民の週1回以上のスポーツ実施率(答え)  40%

 A 標本数…3,000人
 B 有効回答者数…1,800人
 C この1年間でスポーツをしたと回答した人数 … 1,200人
 D この1年間で全くスポーツをしなかったと回答した人数 … 600人
 E スポーツをした頻度が週1~2回であった人の割合 … 40%
 F スポーツをした頻度が週3回以上であった人の割合 … 20%
  ※E、Fの分母はC

(解説)
E と F から「週1回以上スポーツを実施した人の数」が 720人 ということが分かります。したがって、「C:スポーツを全くしなかったと回答した人数」の 600人 を加えた 1,800人(有効回答者数)で 720 を割り 100 をかけると答え(40%)が算出できます。

   720 ÷ 1800 × 100 = 40(%)

この「例題」の答えは、国民の10人のうち4人、あるいは5人のうち2人が「週1回以上のスポーツを実施している」ということを示します。…Terry Bird は何を言いたいのか!(つづく)

2012/02/07

#331 スポーツ実施率について考える (1)

国民のスポーツ実施率の算出方法①

「スポーツ振興基本計画(2000年策定)」「スポーツ基本計画(2012年策定予定)」のなかで登場する「国民のスポーツ実施率」はどのように算出していると思われますか?

周知の通り「体力・スポーツに関する世論調査」(内閣府)の結果に基づき算出されています。実際の調査は「社団法人新情報センター」に委託されて実施されているようです。…昭和54年調査の実施が確認できましたので、少なくとも30年以上前からのデータの蓄積があるということになります。

では、以下の「例題」で、国民の週1回以上のスポーツ実施率を算出してみて下さい!
 (実際の調査及び報告書内の文言とは異なっていますので…)

 A 標本数…3,000人
 B 有効回答者数…1,800人
 C この1年間でスポーツをしたと回答した人数 … 1,200人
 D この1年間で全くスポーツをしなかったと回答した人数 … 600人
 E スポーツをした頻度が週1~2回であった人の割合 … 40%
 F スポーツをした頻度が週3回以上であった人の割合 … 20%
  ※E、Fの分母はC

大雑把な「例題」ですが、これから色々な話を展開していきたいと思います。

2012/02/06

#330 スポーツ政策ニュース (第19号)

「スポーツ基本計画の策定について(中間報告)」の意見募集!

標記テーマについてパブリックコメントが募集されています。…その情報を見つけるのに一苦労しました。…「e-Gov(イーガブ)」にありました。…ご存知だと思いますが、e-Gov(イーガブ)とは「電子政府の総合窓口(electronic government)」の略称です。…そのウェブサイト内の“パブリックコメント”~“任意の意見募集”の順にクリックしていくとたどり着けます。

意見募集開始日が2012年1月31日で、意見受付締切日が同年2月14日(必着)となっていました。宛先は「文科省スポーツ政策企画室政策調整係」で、郵送、FAXまたは電子メールでの意見提出が求められています。

Terry Bird でさえ、その所在を見つけるのに時間を要したのですから、関心があってもサーフィンしているだけでは、ほとんど気がつかないと思います。…まぁ、形式的なもの(手順・手続)なのでしょう…

まだ、「スポーツ立国戦略」の“熟議カケアイ”の時の方が熱意を感じました。

2012/02/05

#329 スポーツ政策用語(翻訳編) (1)

Carded Athlete の訳し方!

何時間、いや何十時間、考えた(調べた)ことか~

日本語的感覚で文字通りに訳せば「カードを発行された競技者」ということになるのでしょうが…(実際、そのように訳している方もいますし、そのような国もあるかもしれません)…カナダ現地調査(2011)の際、Terry がスポーツカナダで、「例えば、クレジットカードのような“カード”そのものは存在するのか?」と冗談のような質問をした時に、「いや、存在しない」(苦笑)と答えられたので、カナダでは少なくとも連邦政府(スポーツカナダ)発行の競技者に手渡されるカード(現物)は存在していないようです。…したがって、先の訳は正しくないということになります。

…では、どう訳せばよいのか?

ありがたいことに、カナダにはフランス語バージョンがありますので、そちらをチェックしました。…「Card」に当たる語が「Brevet(ブルヴェ)」となっていました。以下は、手元に仏和辞典がないため、インターネットで調べた限りでの“仮訳”です。

 Carded Athlete → 「認定競技者」、「有資格競技者」・・・

カナダにおいて「競技者支援プログラム(Athlete Assistance Program:AAP)」に基づき、連邦政府からの“金銭的支援(月額900~1,500カナダドル)が受けられる競技者”として認定された(資格を有する)競技者…ということです。

2012/02/03

#328 仮想・ロンドン五輪国別メダルランキング (7)

総メダル獲得数において中国とアメリカの差が拡大!

オーストラリアの「アデレード・ナウ(AdelaideNow) 」「仮想ロンドン五輪メダル予測(VIRTUAL MEDAL PREDICTOR:VMP)」の更新が2月2日付で確認されました。

前月と比較すると、総メダル獲得数で中国とアメリカの差6個に開いたこと、金メダル獲得順位において韓国がフランスを抜いてトップ10入りしたことなどがトピックスです。日本の銀メダル1個増は柔道です。…総メダル獲得数ではフランスが8位(34個)、日本が9位(33個)、韓国が10位(26個)となっています。

以下は、最新の国別メダル獲得予想(金メダル獲得数10傑+1)です。※順位・国名・(金, 銀, 銅:合計)・前月データ

 1. アメリカ      (40, 20, 28 :88)  ※41, 21,29 :91
 2. 中国       (35, 35, 24 :94)  ※36, 34, 23 :93
 3. ロシア      (20, 28, 32 :80)  ※20, 29, 29 :78
 4. ドイツ        (19, 17, 18 :54)  ※17, 18, 20 :55
 5. イギリス     (16, 22, 16 :54    ※17, 18, 20 :55
 6. 日本       (12, 10, 11 :33)  ※12,  9, 11 :32
 7. オーストラリア (10, 14, 18 :42)  ※10, 15, 16 :41
 8. イタリア      ( 9, 11, 15 :35) ↑ ※ 9, 11, 14 :34
  9. ケニア       ( 9,  5,  6 :20)  ↑ ※ 9,  5,  6 :20
10. 韓国       ( 9,  2, 15 :26) ↑  ※ 8,  3, 14 :25
11. フランス      ( 7, 13, 14 :34) ↓  ※ 9, 13, 12 :34

★ 日本の【金】メダル獲得者(予想)内訳:
「柔道(7)」
 Daiki Nishiyama(Men's 90kg) Takamasa Anai(Men's 100kg) Tomoko Fukumi(Women's 48kg) Misato Nakamura(Women's 52kg) Kaori Matsumoto(Women's 57kg) Yoshie Ueno(Women's 63kg) Akari Ogata(Women's 78kg)
「レスリング・フリースタイル(2)」
 Saori Yoshida(Women's 55kg) Kaori Icho(Women's 63kg)
「体操競技(2)」
 Kohei Uchimura(Men's Individual All-Around)(Men's Floor Exercise)
「射撃(1)」
 Tomoyuki Matsuda(Men's 50m Pistol)

★ 日本の【】メダル獲得者(予想)内訳:
「水泳(3)」
 Ryosuke Irie(200m Backstroke) Kosuke Kitajima(200m Breaststroke) Takeshi Matsuda(200m Butterfly)
「柔道(3)」
 Hiroaki Hiraoka(Men's 60kg) Riki Nakaya(Men's 73kg) Megumi Tachimoto(Women's +78kg)
「体操競技(1)」
 Japan(Men's Team)
「射撃(1)」
 Tomoyuki Matsuda(Men's 10m Air Pistol)
「サッカー(1)」
 Japan(Women's Team)
「ボクシング(1)」
 Ryota Murata(Men's Middleweight)

★ 日本の【】メダル獲得者(予想)内訳:
「水泳(2)」
 Ryosuke Irie(100m Backstroke) Kosuke Kitajima(100m Breaststroke) 
「柔道(3)」
 Masashi Ebinuma(Men's 66kg) Takahiro Nakai(Men's 81kg) Yoriko Kunihara(Women's 70kg)
「トランポリン(1)」
 Masaki Ito(Men's Individual)
「卓球(1)」
 Japan(Women's Team)
「レスリング・フリースタイル(3)」
 Hitomi Sakamoto(Women's 48kg) Tatsuhiro Yonemitsu(Men's 66kg) Kyoko Hamaguchi(Women's 72kg)
「陸上競技(1)」
 Koji Murofushi(Hammer Throw)

「仮想・ロンドン五輪国別メダルランキング表(Virtual Medal Table for London 2012:VMT)」についての説明は http://sportmattersjapan.blogspot.com/2011/08/188-2012-4.html をご参照ください。

2012/02/02

#327 Road to Employment (4)

SPI2 対策特別授業

本日(2/2)、TSUの「キャリアデザイン実習Ⅱ」の受講生を対象に「SPI2対策特別授業」(2コマ、自由参加)を実施しました。名簿上は69名の学生が履修していましたが、1コマ目(9:00~10:30)は女子4名、2コマ目(13:00~14:30)は男子4名のみの参加でした。

内容は「損益算」と「集合」にしました。…残念ながら、我が健スポ学生の参加は“0”でした。8名ともC学科の学生でした。参加した8名には“解法のコツ”をたっぷり伝授しました。…やはり“やる気のある学生+少人数”の授業は手応えがあります。

しかたがないので、4月に健スポ学生対象に希望者のみの特別講義を実施することにしましたが、“0”だったらどうしましょう。…その時は、世紀末~です!

2012/02/01

#326 スポーツ政策研究日誌 (25)

ADRsportRED とは?

外国(カナダ)スポーツ政策研究をしていて困るのは、重要な用語であるにもかかわらず、その意味が分からない時です。…関係者(Prof. Bruce Kid)にお聞きすればすぐにわかることなのですが…あまりにも初歩的(基本的)な事柄ですので“自力で”と粘っていました。

「灯台もと暗し」とでも言いましょうか、2007年にカナダに行った時に「スポーツカナダ(民族遺産省スポーツ局)」の方から頂いた資料の中にその説明(定義)が書いてあったことに1週間程前に気がつきました。

カナダでは英語とフランス語の二言語が公用語ですので、当然 RED は英語のAlternative Dispute Resolution (ADR) に当たるものだということは推測していましたが、根拠となる資料にに辿り着いていなかったので、確信するまでには至っていませんでした。…なお、ADRとは“裁判外紛争解決” or “裁判外紛争解決手続”のことです。

「ADR-sport-RED CODE」(カナダのスポーツADR 規程)で定義付けされていました。

 Règlement Extrajudiciaire des Différends(RED) とのことです!