2011/03/29

#74 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (1)

Terry は、カナダのスポーツ法と政策に関する研究をしています。そんな関係で、今回、文科省の報告書で「カナダのスポーツ政策」について報告しました。(近日公表予定)

以前、このSMJブログ#20で「カナダのスポーツ政策……世界最高水準にある……」と書きましたが、逆に、学校体育については「日本が世界最高水準にあるのでは…」と思っています。

えっ! 体育なんて…全くいい思い出なかったでぇ! 体育教師は厳しいし、運動をやらされているっていう感じやったし……何で、日本の体育が?

何を隠そう、体育系のTerry でさえ、高校時代は「体育教官室」に入るのが怖かったです。

数年前、Terry、Woods さん、Coach K さんの3人で 『外国人留学生の大学入学以前の体育・スポーツ経験に関する調査研究』(共同研究) をしました。この研究を通じて明らかになった日本・中国・韓国の学校体育の現状をご紹介しつつ、その根拠を示していきたいと思います。

お楽しみに!

#32~36 で予習をしておいてネ!

2011/03/28

#73 解説:カナダのスポーツ政策(11)

カナダには 「SPORT FUNDING AND ACCOUNTABILITY FRAMEWORK」 という制度があります。直訳ですが 「スポーツ資金提供及び説明責任枠組み」 という制度です。

カナダ連邦政府(スポーツカナダ)からの補助金を受けたい中央競技団体(National Sport Organization)等は、申請段階で事業内容や組織の在り方などに一定の基準が課されるとともに、交付された場合はその資金活用について説明責任と透明性の確保が求められるという制度です。1995-1996会計年度から導入されています。

 ★説明責任 ( アカウンタビリティ : Accountability )

いつ頃から、日本で耳にするようになりましたっけ?

最近、日本では 「説明責任」 = 「隠さずいち早く公表すること」  としてのみ、理解されているのではないかと思うようになりました。

 「公表するまでのプロセスの責任」+「公表後に引き起こす結果に対する責任」

水道水の放射能汚染濃度の一連の公表のされ方を見ていると、上記の視点が欠けているのではないかと感じました。時間があったら「Accountability」について調べてみたいものです。

2011/03/27

#72 スポーツ政策研究日誌 (11)

多くの方々にご迷惑をおかけしましたが、何とか「カナダのスポーツ政策」の原稿をSSFに送信しました。(2011年3月27日午前9時)

本当の意味でのデッドラインをギリギリに設定していただきました。
今日1日で、SSFのスタッフの皆さんが総出で仕上げて下さるようです。
恐縮です!

12カ国を取りまとめて、月末には文科省に報告書を納品とのことです。

時間的に執筆できなかった項目もありますが、図表を除いて40,000字を超えました。
(ただし、他の先生方に一部執筆してもらいましたが…)

午後に数回ファイルのやり取りをして、Terry の役割は終了です。
パソコン持参で外出しま~す!

Kaena ,Saint ,Peach  ご協力とご妨害ありがとう!

2011/03/26

#71 スポーツ政策研究日誌 (10)

SMJブログを書き始めて、#71です。
書き始めるきっかけは、何度も言っていますが、今回の仕事!? でカナダ行きが決まったからです。2か月余り経ちましたが、思うところはたくさんあります。

昨日書きあげた、カナダの「Own the Podium(OTP)」は何故かギア?! が変わりました。
途中、ちびっ子たちの騒音&攻撃に妨害されながらも、渾身の“脳力”をこめて打ち込みました。

 ★Own the Podium (約6000字)

今回の「カナダのスポーツ政策」の原稿の中で、もっともイメージどおりにに仕上がりました。Terry なりに満足しています。
……ただし、そういう時に限って……

ゴール間近です!

2011/03/24

#70 スポーツ政策研究日誌 (9)

いよいよデッドラインが明日(25日)の午後1時になりました。

本来の締切日は2月25日でした。
関係者の皆様には、多大なご迷惑をおかけいたしております。
申し訳ありません。

ただ今、最大の関門の「Own the Podium」について執筆しています。
「オウン・ザ・ポウディアム」と読みますが、略してOTPとも呼びます。

2010年バンクーバー五輪においてカナダの競技成績を大躍進させたスポーツ界を挙げてのプロジェクトまたはそれを担った組織名のことです。スポーツ関係者の多くが注目していると思います。

1月末の現地調査でOTPのCEOから直接話を聞いてきましたので、多分、日本中で Terry と Max 氏(SSF)が最新の情報を最も持っていると思います。それだけに、プレッシャーを感じますが、Wikipedia 情報では得られない本質的な記述をしてやろうと、張りきっています。

……期待はずれにならないように……徹夜します!

2011/03/23

#69 スポーツ政策研究日誌 (8)

計画停電まで、あと6時間弱かぁ…

原稿執筆、焦ってます!

「カナダのスポーツ政策について」の報告書なのですが、執筆する以上、学術論文並みとは言いませんが、用語、文章、訳語、年、関係性などの記述において、神経質になってしまいます。したがって、時間がかかります。

朝から、スポーツ振興政策に関心のある人なら多分知っていると思いますが、
カナダの「ParticipACTION(パティシパクション)」について執筆しています。

日本で権威のある文献においても、幾つか誤った記述がありました。
…ということは、日本で「パティシパクション」の情報が正確に伝わっていなかった、ということになります。

Terry の報告書も、そう言われないようにしないっと!

こわーい!

2011/03/22

#68 スポーツ政策研究日誌 (7)

あと、いくつ寝れば お正月?! なのだろう…

・民族遺産省スポーツカナダ (6800字+α)
・公衆衛生庁ヘルシーリビングユニット (2800字+α)
・オンタリオ州健康増進・スポーツ省 (3300字+α)
・スポーツ税制 (1700字+α)
・障害者スポーツ政策 (6600字+α)
・スポーツマターズグループ (1800字+α)
・スポーツ参加 (2100字+α)
・スポーツ関連法 (1500字+α)
・スポーツ基本計画 (3000字+α)  など

今回の外国スポーツ政策調査委員会の親分 Prof. Ken さんからのハードルは高~い!
自分に厳しく、周囲にも厳しい人らしい…
院生がよく泣いているらしい…

鬼か!

 でも、良い仕事をまわしてくれて、感謝! 感謝!

早く、お餅が食べたい!

                       

2011/03/21

#67 スポーツ政策研究日誌 (6)

カナダのスポーツ政策は面白い!

 それとも、

… 外国スポーツ政策研究が面白いのか?
… 諸外国のスポーツ政策が面白いのか?
… カナダのスポーツ政策研究が面白いのか?
… カナダが面白いのか?
… 日本のスポーツ政策が面白くないからなのか?
… 日本に不満があるからなのか?
… 好きな仕事がやれているからなのか?
… やりがいのある仕事ができているからなのか?
… 地球上で誰も手掛けていないパズル?!を解いているからなのか?
… 「なるほどねぇ!」を連発しているからなのか?
… ゴールが見え始めてきたからなのか?

うーん……色々あるが……とにかく、面白いんです!

近いうちに、「カナダのスポーツ政策の面白いところ」(仮題)でブログを
書きたいと思います!

2011/03/19

#66 スポーツ政策ニュース (第3号)

現在、Terry が手掛けている「カナダのスポーツ政策」に関する報告書作成の仕事は、笹川スポーツ財団(SSF)が文部科学省から受託した調査研究の一環です。締切はとっくに過ぎていますが、最終的には、30000字には収めたいです。図表を入れると35000字は超えるかなぁ…

これまでは、カナダのスポーツ法・政策について1つのことを深く研究していましたが、この度の仕事は、カナダのスポーツ政策の全体像を把握・分析・報告するということで、「広く・浅く」的な仕事になると思っていました。ところが、浅い理解では、とても、とても、書けないということに気がつき、現在、冷や汗をかいています!

そのSSFですが、これまでの生涯スポーツに関するプログラムへの助成事業中心から、スポーツ政策研究の拠点あるいは政策提言機関としての「スポーツ系シンクタンク」を目指すことになったようです。以下は、本学の学生(Terry のゼミ学生)にチャレンジさせてみたいSSFの企画です。

★Sport Policy for Japan 2011★

・日本のスポーツ政策の現状や将来について問題意識を持つ大学3年生が所属大学の枠を超え、政策提言を持ち寄り、意見を交換する場。(コンペ形式?)
・5名程度のグループ参加(最小3名)。指導教員が付くことが必須。(原則大学3年生)
・締切:2011年5月10日(火) 
・大会:2011年10月1日(土)~2日(日)
・最優秀賞(1団体)、優秀賞(3団体程度)には、トロフィー&副賞(内容変更あり)

 詳細 → http://www.ssf.or.jp/s_policy/index.html

……迷ってます!

2011/03/18

#65 TSUテニス部指導記録 (1)

スポーツ科学研究者の多くは、研究上の専門分野とスポーツ(競技)の専門分野を持っています。Terry の場合は、一応、テニスが専門です……と言っても、競技者としては大成しませんでしたが…

現在、TSUテニス部の部長・監督をしています。SMJブログは、研究上の記録としてしたためていますが、教育活動日誌もネタの一つにしています。

先ほど、TSUテニス部OBの Teacher M 君からメールをもらいました。
今月末に予定していた結婚式&披露宴を延期するとのことです。

人生いろいろあります。

今回の震災を機に、Terry も勉強させていただいています。
懐中電灯を照らしながら、大幅に遅れている「カナダの障害者スポーツ政策」に関する図表作成作業をしました。体験した訳ではありませんが、まるで 戦時中?! のようです。

この時期、自分の仕事ができていることを感謝しなければならないと思います。

Teacher M 君も頑張ってください!

2011/03/17

#64 スポーツ政策研究日誌 (5)

#56~57のつづきです。
20年前と今を比べて、研究する正味時間が増え、入手できる資料が増えたにもかかわらず、人間の“脳力”、すなわち“情報処理・分析能力(速度)”はそれほど向上していない……という話のつづきです。

Terry が思う“新たな問題”とは、「研究資料の整理方法」です!

研究の正味時間が増え、資料も増えると、それらを整理・分析等した研究上の資料(データ)も必然的に増えることになります。現在、以下のようなケースで頭を抱えています。

★論文、報告書等執筆のために加工した研究上の資料は豊富にあるが…

①パソコン(USB、フォルダ等)内の何処にあるのかが分からないことがある
②存在自体を忘れてしまっていることがある
③同じような作業(整理・分析等)を繰り返していることがある
④時間をかけて整理・分析した貴重な資料を使わないことがある
⑤見つけ出すのに数時間費やすことがある
⑥ファイルの新旧が判別できないことがある
⑦階層を作りすぎて、必要なファイルにたどり着くのに手間がかかることがある
⑧ファイルを探しているうちに、気がついたら他の作業をしていることがある
⑨パソコンがないと仕事が進まないことがある
⑩同じ資料(PDF等)をダウンロードしていることがある

結果として、最近、ストレスを感じたり、無駄な時間を費やしていることに気がついた。
誰か「情報の整理&有効活用方法」を教えてくださ~い!

でも、これも現代の研究者が修得すべき研究上のスキルの1つかもしれない。

… 企業秘密?! …

2011/03/16

#63 リスクマネジメント(3)

個人的な話で恐縮です!

3月11日の地震以後、日本が沈んでいます。
そういった中でも、各自が日々学習して生きていかなければなりません。

★Terry のリスクマネジメント(事後対応!?)で上手くいったこと

①ワンセグ付DVDプレーヤー(バッテリー付)の購入
②懐中電灯の大阪への調達依頼(16日夕方届く)
③スマホ(REGZA)を持っていたこと
④地震前にガソリンを満タンにしておいたこと(偶然)
⑤ドコモのデータ通信端末(L-05A)を持っていたこと

①は、停電中の情報収集に役立っています。
②は、明日の夜の計画停電に間に合いました。
③は、規制中の携帯電話の連続発信がしやすかった(家族の安全確認がすぐできた)
④は、あと400kmは走れそう。
⑤は、停電中のインターネット接続(仕事の継続)が可能でした。

ただし、被災された方々のことを思うと…

2011/03/15

#62 リスクマネジメント(2)

右往左往の1日でした。

輪番停電……気がついたら「計画停電」……でも、計画性が感じられない…

誰しも「シミュレーション」してから行動することが多いと思います。今回の場合、「ある時間停電する」という発表を受けたら「その間の自分の行動・家族の行動はどうなるのだろうか?」と考えるのが普通でしょう。Terry 一人だけなら「何とかなるやろ」で済みますが、家族がいると真剣に考えざるを得ません。

「食糧」「水」「暖房」「照明」「情報収集」「子供の過ごさせ方」をリストアップ!

14日:午前0時過ぎ、ドンキに行く
    「ワンセグ付きポータブルDVDプレーヤー(バッテリー付)」購入
    ※買えなかった物 → カセットコンロボンベ、懐中電灯
  :ドンキから帰宅後  
    「カセットコンロボンベ」15本、「キャンプ用ランタン(3電源)」1個
    「水」10リットル×2箱 をAmazonで注文
14日:午前10時前、ホームセンターに行く
    ※買えなかった物 → 懐中電灯
   :大学への移動中に大阪の姉にメールをして「懐中電灯(バッテリー式)」2個の
    調達・発送を依頼

DVDプレーヤー以外は、ほぼ「品切れ」でした。※ガソリンも…

Terry 自身のリスクマネジメントの拙さはさておき、今回の重大災害・事故に関する「公表」に際しては、可能な限り、それにより「聴き手がどのような行動をとるか」あるいは「どのような行動をとって欲しいのか」というところまでシミュレーションしてから、「正確」かつ「簡潔」に発言していただければと思います。東電他のリスクマネジメントに期待します!

2011/03/14

#61 リスクマネジメント(1)

スポーツ政策どころではない事態です。

恩師Knob先生が「スポーツ政策にもリスクマネジメントの考え方を…」と述べられていたことを思い出し、ブログを更新しています。

リスクマネジメントの関連で現状を捉えると「事後の対応」の段階であります。関係機関・関係者の皆様には最大限の知恵を結集してご対応願いたいものです。特に、菅首相には頑張っていただきたい!

Terry なりに対応策を考えようとしていますが、解決すべき問題が想像の域を超えています。ただ、仮設住宅の準備を人命救助と並行して早急に進めなければ…と思い、インターネットで検索してみたところ、下記の情報がありました。気になるのは、「要請があった場合…」の箇所です。要請がなくても国が、あるいは被害を被っていない他の自治体が受け入れを表明し、自発的に仮設住宅設置の準備に取り掛かるべきではないでしょうか。自治体の首長のリーダーシップが問われています!

************************************************************************************
国交省、プレハブ協会に仮設住宅提供の準備を指示
(産経新聞 3月11日(金)20時38分配信)

東北・太平洋沿岸地震に関連し、国土交通省は11日夜、社団法人プレハブ建築協会
に対し、被災した県から要請があった場合、仮設住宅をすみやかに提供できるよう
準備を指示した。
************************************************************************************

2011/03/13

#60 プロフィール(1)

ブログ60回目の更新を機に「SMJブログ」の執筆者(Terry Bird)の「所属・氏名」(→)を
公開することにしました。

何故 Sport Matters JAPAN なのか? 何故 Terry Bird なのか?……についてですが、深~い意味があります。

機が熟したら、ご披露します。

今後も Terry で登場しますので、よろしく!

2011/03/12

#59 スポーツ政策ニュース (第2号)

皆様、ご無事でしょうか? Terry は車で移動中でしたが、無事です。家族他も無事でした。皆様のご無事を祈ります!

下記報告会は「中止」となりました。

平成22年度 文部科学省『スポーツ政策調査研究』調査報告会

 外国スポーツ政策調査:12カ国(米、英、独、仏、中、韓、豪、伊、カナダ、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランド)の報告会

    日時:平成23年3月11日(金) 18:00~20:00
    会場:日本財団ビル2F 大会議室

追記 Woods さんの故郷「相馬」が心配です…

2011/03/09

#58 スポーツ政策ニュース (第1号)

①日本体育・スポーツ政策学会 平成22年度第5回理事会

Terry が理事(編集担当)を務める学会の理事会(3/8)に行ってきました……と言っても、すでに終了していましたが……現会長退任の慰労と4月からの新会長(元JISSセンター長)率いる新体制の決起を兼ねた「懇親会」からの参加となりました。

理事会の場所は、「筑波大学東京キャンパス5F」(神保町)でした。間に合いませんでしたが、同僚 Coach K さんが現在通っている 学び舎 の空気を吸ってきました。“M論”楽しみにしてま~す!!

 ※日本体育・スポーツ政策学会のホームページ  
   (http://www.geocities.jp/spopolicy/index.html

②平成22年度 文部科学省『スポーツ政策調査研究』調査報告会

    日時:平成23年3月11日(金) 18:00~20:00
    会場:日本財団ビル2F 大会議室

外国スポーツ政策調査:12カ国(米、英、独、仏、中、韓、豪、伊、カナダ、スウェーデン、デンマーク、ニュージーランド)の報告会です。担当者のうち7名が登壇して報告(各10分)を行います。主要新聞社のスポーツ政策担当者がほぼ全員来られるようです。Terry のカナダ報告もありま~す!   

2011/03/08

#57 スポーツ政策研究日誌 (4)

#56のつづきです。
人間の情報処理・分析能力(速度)は向上しているのでしょうか?
以下、Terry の経験に基づく現時点での感想です。

生身ベース?!の能力(速度)が、20年前と今を比べて、劇的に向上しているとは思いません。当然ですよね……“脳力”が2倍も3倍も高まる訳ないですよね……2~3%はあるかもしれませんが……でも、「俺って、仕事(※研究上の諸作業)が早くなったなぁ」という実感はあります。

このギャップを Terry なりに分析したものを箇条書きします。

① 資料収集などに費やす時間(労力)の短縮
② 電子辞書、PCの辞書機能、インターネットなどの活用による“調べもの”時間の短縮
③ USB等による大量の資料の持ち運びの容易さ
④ モバイル(PC)活用による仕事場の移動 ※Anytime, Anywhere!
⑤ 資料(データ、文章等)の整理、加工、編集等の効率性向上
⑥ PCの検索機能利用による時間短縮
⑦ コピペ機能の効果的利用 ※不正利用の意味ではありません
⑧ E-mailの効果的活用による時間短縮
⑨ PCソフトの効果的活用による時間短縮
⑩ PCの諸機能(iTunes等)利用による気分転換 ※集中力の持続

要するに、“研究に費やせる正味時間が増えたことによる錯覚”ということなのでしょう。
また、それ以外の要素もあります。大量情報下における“処理・分析ノウハウの修得(開発)”による時間短縮です。…どうであろうと、時間が増えるということは、良いことなのですが…

ただし、新たな問題を抱えることになりました。(つづく)

2011/03/07

#56 スポーツ政策研究日誌 (3)

今日は、「研究資料収集の昔と今」について Terry の思うところを書きます。

例えば「カナダのある法律の成立過程研究」をするとします。
一次史料は議会資料になるわけですが、「官報(Gazette)」「制定法(Act)」「法律案(Bill)」「上院議事録(Debates of the Senate)」「下院議事録(Debates of the House of Commons)」等が最低限必要になります。

20年前(1991年)でしたら、カナダ研究が盛んな大学の図書館、カナダ大使館(E・H・ノーマン図書館)、国立国会図書館法令資料室(今は、議会官庁資料室?)に行って収集するしかなかったです。それも、自分でひたすらコピーしまくるか、1日・1回の制限枚数を気にしながら高いコピー代を払って時間をかけて複写してもらうのを待つしかなかったのです。参考にしてみたい文献等については、大学図書館の外国文献データベース(SPORT Discus他)で検索して、カナダから複写またはマイクロフィッシュを取り寄せたこともありました。

ところが、今はどうでしょう……すべてではありませんが、インターネットを活用すれば、大概のものにアクセスできて、自分のプリンターで出力することができます。また、20年前ではたどり着けなかったような資料にも簡単に手が届くようになりました。

体感ですが、20~30分の1、いや、それ以下の労力で資料が入手できているような気がします。別の言い方をすると、同じ時間で20~30倍の資料が入手できる時代になっていると言えるのではないでしょうか。

では、人間の情報処理・分析能力(速度)は向上しているのでしょうか? (つづく)

2011/03/06

#55 日本とカナダの比較③~政策立案の迅速さ~

今日は、カナダの「政策立案の迅速さ」について Terry の思うところを書きます。

両国(日本-カナダ)ともに行政機関における政策立案のされ方には様々なパターンがありますので、一概に比較することはできないですし、客観的・合理的な比較ではありませんので、気楽にお読みください。

例えば、カナダには連邦レベルの「児童フィットネス税額控除(Children's Fitness Tax Credit)」という制度があります。“子供をスポーツなどの運動プログラムに参加させた際の費用のうち、その親が年間500カナダドルまで所得税控除申請できる”という制度で2007年から導入されたものです。詳細は文科省の報告書あるいは論文? で…

カナダは国家的課題の一つに「Inactivity Crisis」を抱えています。そして、子供に対するそれが特に重要視されています。……理由は書くまでもありませんが……そこで、SMGを中心とした民間レベルからの要望もあってこの制度が導入されました。ところが、期待通りの成果(効果)が上がっていないようです。(高所得と低所得の家庭のどちらにおいても子供の運動参加が向上しなかった!)

すると、この問題を解決するための州独自の税額控除制度が迅速(オンタリオ州:2010年)に導入されたのです。もちろん、連邦レベルにおいても、この制度を分かりやすくするなどの工夫等をしているようです。

長期的なビジョンをもった政策も必要ですし、時宜を得た政策も必要だと思います!

2011/03/05

#54 日本とカナダの比較②~立法過程~

今日は、カナダの「立法過程(legislaitve process)」についてです。ただし、Terry の理解している範囲ですし、概略ですので参考にする場合はご注意を!

法案(bill)にはいくつかの種類がありますが、一般的に以下のようなプロセスを経て法律が制定されます。

★下院(the House of Commons)
   1.FIRST READING:第一読会
   2.SECOND READING:第二読会
   3.CONSIDERATION IN COMMITTEE:委員会審議
   4.REPORT STAGE:委員会報告
   5.THIRD READING:第三読会
★上院(the Senate)
   6. 1.~5.と同じ
       ※法案の修正(有or無)付メッセージを下院に送付
★下院
   7.上院からのメッセージに対する審議~可決
   8.ROYAL ASSENT:女王裁可 → 法律制定

例えば、カナダにおける2003年「身体活動・スポーツ法(Physical Activity and Sport Act)」の場合、2002年4月10日に下院・第一読会が行われてから女王裁可(2003年3月19日)まで、両院で計22日間の審議が行われました。(※議会が閉会したこともありましたが…) このように、カナダでは、忠実に(それが当たり前なのですが…)プロセスに従って、法律が作られています。

外国スポーツ政策研究を通じて、他国(カナダ)の政治(立法)制度、例えば法律の制定プロセスを垣間見ていますと、如何に日本の立法府(国会)が機能していないかが良くわかります。……国会議員の責任だけではないのですが……

カナダ上院議場 (2007年9月14日撮影 by Terry)


2011/03/04

#53 図書館間相互利用について

研究資料収集について雑感を書きたいと思います。
Terry は、資料収集・整理・保管が得意ではない方です……研究室を見れば一目瞭然です!

他の先生の部屋にお邪魔した時や、テレビでインタビューを受けている先生の研究室を見た時などに、その整理法に感服することが良くあります。……うらやましい~です。
……妻 Peach からは、“あなたホントにA型なの?”と、よく言われます。

さて、本題です。今の職(教育・研究職)について、この4月で15年目になりますが、恥ずかしながらこの度初めて 「図書館間相互利用」 を活用して文献複写をお願いしました。
…院生時代にカナダの図書館からマイクロフィッシュを借りたことはありますが…

経緯は以下の通りです。

① カナダの障害者スポーツ政策に関する資料収集中
   「Adapted physical activity」 Robert D. Steadward et al. の存在を発見
② Web上で目次&中身を読んだところ、要収集と判断
③ Amazonで検索したが、1~3週間かかるとのこと……これでは締切に間に合わない!
④ Webcatで検索 → 日体大他2館での所蔵を確認
⑤ 2月27日夜、TSU図書館司書にメール ← 翌日28日午前9時頃に返信あり
⑥ 現物の貸出または複写どちらも可能、ただし要押印 → 研究費枯渇のため自費での複写選択
⑦ 3月1日午前中、書類に押印 ※既に先方に複写の打診をしていただいていた
⑧ 3月3日午後、TSU図書館経由で資料入手(34枚:1,360円)

もし、資料請求(書類作成&押印)が同時にできていれば、欲しいと思ってから2.5日程度で入手可能だったということになります。

・Chapter 3:The History of Adapted Physical Activity in Canada
・Chapter 8:The Role of Canadian Organizatios in the Development of Adapted Physical Activity
・Chapter26:History of Disability Sport

今から、読もっと!

<参考>
図書館間相互利用マニュアル(2004年4月)」国立大学図書館協会
(http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/j/projects/rci/sogoriyo_manual.pdf#search)

2011/03/03

#52 スポーツ政策研究日誌 (2)

現在、仕事!? で「カナダのスポーツ政策」をまとめています。
皆さん、いくつご存知ですか?

・Sport Canada
・Healthy Living Unit 
・Own the Podium
・Long Term Athlete Development
・Canadian Sport for Life (CS4L)
・ParticipACTION
・SOGO Active
・Sport Funding and Accountability Framework
・Children's Fitness Tax Credit
・Dubin Inquiry
・Mills Report
・Canadian Centre for Ethics in Sport
・Sport Dispute Resolution Centre of Canada
・Recreational Infrastructure Canada Program etc.

今の時代、情報収集は主として website からになりますが、いつも思うことは、カナダの各種機関・プログラムに関するホームページは実に洗練されています。デザインも素晴らしく、統一性も保たれています。要するに、どこのホームページも、とても見やすく、欲しい情報が Site 内のどこにあるのかが容易に検討がつくのです。やはり、インターネット関連技術の発祥・先進地域である北米の国だからなのでしょうか。

それに比べて日本は……

2011/03/02

#51 大学でのスポーツキャリア形成 - その意義と方法 - (4)

 (4) 大学でのスポーツキャリア形成の方法:まとめ

、「TSU入学前特別授業(2/26)」の講義内容の“まとめ”です。 

 ① 「健スポ」2年間の歩み
 ② 健スポ1・2期生の評価
 ③ 大学でのスポーツキャリア形成の意義
④ 大学でのスポーツキャリア形成の方法
⑤ 入学までの宿題
 ⑥ 質疑応答

大学生活を通じてスポーツキャリアの形成を図るための方法には様々なものがあるでしょうが、Terry が自信をもって言いたい、そして、お勧めしたい方法は、

 「大学時代に本格的にスポーツに取り組むこと」 です。

★まとめ

#50で示したように、大学4年間は人生を方向づける上でとても大切な時期です。健スポ3期生となる皆さんには、スポーツキャリアをしっかりと築き上げていってほしいと思っています。そのために、健スポのカリキュラムでは基礎的・専門的授業としてさまざまな講義、演習、実習等を用意しています。特に、理屈だけではなく実際に体を動かす実習を10個用意しています……が、スポーツキャリア形成の観点からすると、授業として行っている以上、それらは理論の修得という範疇に入るとTerry は考えています。

大切なのは「理論」と「実践」の両輪の修得です。

この実践とは「4年間を通じたスポーツ実践」のことで、大学4年間、健康・スポーツ心理学+α について勉強するとともに、学内外を問わず “本格的にスポーツに取り組むこと” で、その実践力が身につくものと考えています。“本格的に” と書きましたが、その意味は、単に余暇や楽しみだけで終わるものではないスポーツについての取組み ということです。

さて「宿題」です!

 入学までにあなたの 「スポーツキャリア形成の方法」 を具体的に考えておいてください!

ちなみに、TSUでは次のようなプロジェクトを展開しています。(完)

2011/03/01

#50 大学でのスポーツキャリア形成 - その意義と方法 - (3)

 (3) 大学でのスポーツキャリア形成の意義

記念すべきブログ#50は、教育活動日誌になってしまいました。……ここで、ちょこっと研究日誌!……カナダ統計局(Statistics Canada)はスゴ~イ機関だということが分かりました。

さて、「TSU入学前特別授業(2/26)」の講義内容の続きです。 

 ① 「健スポ」2年間の歩み
 ② 健スポ1・2期生の評価
③ 大学でのスポーツキャリア形成の意義
 ④ 大学でのスポーツキャリア形成の方法
 ⑤ 入学までの宿題
 ⑥ 質疑応答

TSU健康・スポーツ心理学科(略して「健スポ」)の学生を 立派な大人 にするためには「健康・スポーツマインド」の涵養が必要だと考えています。そのために、3つの柱を設けています……と言っても、学科として公式発表している表現・内容と若干異なっているかもしれません……が、大筋はオーソライズされているとお考えください。Terry は、次の3つの柱のうち、特に「3」が重要だと考えています。……もちろん「1・2」も重要ですが……

(3つの柱)
1.充実したカリキュラム
2.オフ・カリキュラムの展開
3.スポーツキャリア形成の推進

ここで、「スポーツキャリア」とは何か?…についてですが、
 スポーツ」を(一つの)核とする自分らしい生き方 と定義しておきます。

★大学でのスポーツキャリア形成はなぜ必要か?
  ①大学4年間は人生を方向づける
  ②本当の意味での「スポーツ」は大学から
  ③スポーツキャリア形成 → 人間力の向上

当日は、Tさん(柏市在住・46歳)を例に挙げて、大学でのスポーツキャリア形成が如何に重要であるか、すなわち大学でのスポーツキャリア形成の意義について説明しました。(省略)

次回(最終回)につづく!