2011/04/30

#101 スポーツプログラムの企画・運営 (5)

第1回TSUキッズテニス大会

昨日(4月29日)、天候にも恵まれ、TSU主催の標記イベントが無事終了しました。
以下、本イベントの趣旨です。

 TSUでは、2008年度から「学生のキャリア形成支援に資する課外活動充実プロジェクト(The課外活動)」に取り組んでいる。同プロジェクトは、課外活動7団体(男女バスケットボール、男女サッカー、男女テニス、女子ラクロス)を指定団体として積極的な支援をおこない、競技力向上のみならず、そこでの諸活動を通じて学生の“人間力”の向上を企図している。本企画は、同プロジェクトの「スポーツキャリア形成プログラム(スポーツボランティア)」の一環として実施するとともに、地域へのスポーツプログラム提供により大学の社会貢献を果たそうとするものである。本学テニスコートにて八千代市内の小学生テニスプレーヤー及びその保護者を対象とした「テニスイベント」を実施(春・秋年2回)する。本学テニス部員は運営補助と試合の対戦相手を担う。

昨日は、TSUテニス部員が、雨天順延となっていた「関東学生テニストーナメント(予選)」出場のため、代わりにOB・OG(4名)が補助要員として大活躍してくれました。勘違いして、ダブルス(選抜選手、保護者、TSU関係者)の部で Teacher M + F ペア が優勝してしまいましたが……。なお、二人は現役の学校の先生ですので、子供への接し方については、プロフェッショナルでした。K coach くんと Kanegon さんも保護者の方を本気?!にさせて盛り上げてくれていました! お疲れさまでした。

90名ぐらいの方々に参加していただきました。

「YKTC(※ボランティア活動団体、運営担当) 」の関係者、小学生テニスプレーヤー及び保護者の皆様、ありがとうございました! またお会いしましょう! バーベキュー、美味しかったです!
第1回TSUキッズテニス大会(4/29) 開会式 
お楽しみの バーベキュー風景


2011/04/29

#100 スポーツ政策:独論 (1)

SMJブログは、#100 から第2ステージに入ります!

…と言っても、日々、1mmずつ目標地点に向かって進んでいきますので、見た目では、その変化については分かりづらいと思います。……第10ステージ位まで、末長くお付き合いください。

記念すべき#100 から「スポーツ政策:独論」シリーズを設けることにしました。「独論」とは、 Terry の独自の理論、考え方、主張等を意味する造語で、エビデンス、裏付け、根拠等の有無にはこだわらず、暴走しない程度に、自由に「スポーツ政策」あるいは「スポーツ政策研究」について語らせていただくものです。

スポーツ政策研究を志す学生・院生たちへ①

様々な制約があることは承知しています。大小は問いません。スポーツプログラムの企画・運営を是非一度、手掛けてみて下さい!

Terry の独論ですが、スポーツ政策研究者は、ある種の「プランナー」「デザイナー」「企画屋」であることを自覚していなければならないと考えています。それも、成果を上げなければならない、あるいは結果を出さねばならないというプレッシャーや責任感を抱きつつ…です。

この独論については賛否が分かれると思います。
「否」の方が多いかなぁ…

2011/04/28

#99 SMJブログ第1ステージ を振り返る!

今から約40年前、Terry が小学1年生の時(1971年)です。
担任の沢田先生(大阪市立今宮小学校)がクラスの全員に言いました。

 「日記をつけてきなさい。先生が読んであげますよ!」 

翌日、日記を提出したのは Terry だけでした……その時から、沢田先生と Terry との交換日記が始まりました……その後、学年が上がっても次の担任の先生に引き継いでいただき、多分、小学校5~6年生ぐらいまで、それは続いたと思います……休業期間中は母親が代わりに続けてくれました……僭越ながら、今の“物書き”の仕事、あるいはブログ“Sport Matters JAPAN”の原点は、そこにあると Terry  自身は考えています。

ただ、SMJブログは “単なるウェブ上の記録(日記)” ではありません。……では、SMJブログは何かと言いますと……Terry は “movement” の布石ないし手段として位置づけています。

…っと、少し、しゃべり過ぎたかぁ

#100 から 第2ステージ に入ります! 

2011/04/27

#98 大学教育・雑感 (7)

キャリア教育について③

……何か行動を起こしなさい!……に、こだわってしまう。

文科省「外国スポーツ政策調査報告書」の編集作業に追われているSSFさんに、また原稿を送ってしまった。ゲラが上がるまでは、先方の最終判断に委ねるが、使われようが、ボツになろうが、原稿を送り続けてしまう……その理由は、カナダのスポーツ政策の全体像、最新情報等をより正確に伝えたい!という思いがあるからです……身体(指)が勝手に動いてしまうのです…… ごめんなさい!

★カナダにおけるスポーツ紛争処理制度 (約900字)
   ※4/25 早朝送信
★カナダの生涯スポーツ施策:CS4L (約900字)
   ※4/27 早朝送信

月並みな表現ですが、勉強すると 自分の「理解していないこと」「分からないこと」「知らないこと」等 が分かりわかります。すなわち、自分が何をするべきかが具体化されるわけです。そして、それをクリアしても、その過程でまた???に出会います。……その繰り返しです。

今回の「カナダのスポーツ政策」の原稿も、このサイクルをらせん状に繰り返しながら執筆してきました。あっという間の100日余りでした。

この例え話で、メッセージが伝わるだろうか…

2011/04/26

#97 大学教育・雑感 (6)

キャリア教育について②

SMJブログを書きはじめて、#100を目前にしています。…その時は、何を書こうかなぁ…

 前回(#96)、…何か行動を起こしなさい…と、書きました。その続きです。

学生にそのメッセージを投げかけると、1)私、色々やってますよ、2)余計なお世話やで~、3)何を行動したらいいのか分からな~い、4)・・・・・・・など、反応は様々だと思います。そもそも、「(自分は)何をしたらいいのか分からない」と言っている学生に対して、「何かしなさい!」と言うこと自体、的を得たアドバイスじゃないですよね…

う~ん、……では、「思考(考え方)を変えなさい!」ではどうか?

換言して、信念、こだわり、ポリシー、夢、目標、決め事、課題、テーマなどを持ちなさい、あるいは○○宣言、一日○○、3か月○○実践などを公言しなさい…ではどうか?

何でも良いと思います。事例を挙げるならば、毎朝6時に起きて新聞を15分読むとか、日記をつけるとか、500円貯金をするとか、エレベーター・エスカレーターを使わないとか、電車の中では絶対座らないとか、中学の数学問題集からやり直すとか、故事成語を100個覚えるとか、週3回トレーニングルームで体を動かすとか、TSU体育系部に入るとか、SMJブログを#1~読むとか……のようなものです。

最後の1つはオ・マ・ケ!

2011/04/25

#96 大学教育・雑感 (5)

キャリア教育について①

何の因果か、ここ数年、TSUのキャリア教育に携わってきました…もちろん、専門外です…あの時のあの会議で、あんな発言をしなければ、余分な仕事が回ってこなかったのに…と、後で後悔したことがTerry には何度もあります……でも、懲りずに発言してしまいます。

3月でご退職されたTSU前副学長からは「あなたのサブメジャーにしなさい!」と発破をかけていただきました。多い時で、キャリア関連の授業を3つ担当していましたが、今年度は「キャリアデザイン実習Ⅱ(3単位:インターンシップ+演習)」の1つだけです。……まだまだ足を洗えそうにありません。

最近、TSUの各種調査で「(自分は)何をしたらいいのか分からない」というコメントをよく目にします。TSUに限ったことではなく、また今に始まった事ではないと思いますが……

昨日、久しぶりのスポーツジムで「ボディ・トレック」(有酸素)をやりながら、そんな学生へのメッセージとして、ふと名言!? が思いつきました。恥ずかしくて、とても、とてもブログでは書けないで~す。

人生 or 運命を変えたければ、何か行動を起こしなさい!……というようなメッセージです。

あれっ、書いてんじゃん!

2011/04/24

#95 スポーツ法ニュース (第1号)

日本スポーツ産業学会スポーツ法学専門分科会
 「2011年度第1回研究会」の開催について

Terry の所属する学会の標記研究会が、2011年6月11日(土)・12日(日) に広島県福山市で開催されます。今のところ参加する予定です。下記テーマでの発表の準備に着手しました。今年度の「日本スポーツ法学会大会」(12月)での発表、学会誌への論文投稿までもっていければ…と考えていますが……頑張ります!

★カナダにおけるスポーツ紛争処理制度に関する基礎的研究①
  :カナダと日本のADR機関の比較を中心として

   カナダ: 「カナダスポーツ紛争解決センター(SDRCC)」
   日本:  「日本スポーツ仲裁機構(JSAA)」

第一段階の研究として、上記の2つの機関の比較をしてみます。

早速、インターネットで資料収集しましたが、参考になる論文等がいくつか公開されていました。勉強させていただきま~す!

2011/04/23

#94 大学テニスの指導法 (2)

#91(不定期シリーズ)の続きです…

ファイブ・ステップ・ドリル(5 Step Drill:5SD)の指導原理

まず、Terry のテニス指導キャリアから紹介します。

大学(体育学部)へは専門実技「陸上競技」、基礎実技「野球」「器械体操」で入学しましたが、膝を故障(腸脛靱帯炎)していたため「テニス」に転向しました。……大学卒業後、某家電病院の膝の権威に手術していただき完治!? しました。M島先生、その節はお世話になりました!

もともとテニスについては、軟弱なイメージをもっていました。……そんな Terry ですが……1984年の全仏決勝「レンドル vs マッケンロー」の試合を深夜にテレビで偶然見たとき、電気が走りました!…そう言えば、学生時代「体育会会報」にも同様の表現をしていたなぁ~

大学在学中:
 ・部を引退してから、公共コートで“おばさま達”へのコーチ
大学卒業後~大学院在学中:
 ・某私立女子中高の保健体育科非常勤講師 & 同テニス部コーチ
 ・某短期大学体育実技非常勤講師 & 同テニス部コーチ
 ・某名門テニスクラブ「ジュニアチーム」のトレーニングコーチ 等
現在:
 ・TSUテニス部監督
 ・チーバくん大学非常勤講師(「テニス」、「専門テニス」担当)

5SD は某短期大学でのテニス授業中に“偶然”誕生しました!

その指導原理は、
 ①初心者にテニスの楽しさを味わってもらう
 ②フルスイングさせない(※不必要な力を使わせない)
 ③フォームにこだわらない
  ただし、
 ④押さえておくべき“基本動作”は身につけてもらう
 ⑤テニス経験が浅い指導者でも活用できる

……と言ったところでしょうか。 (続きはいつか)

2011/04/22

#93 スポーツ政策研究日誌 (17)

インターネット情報入手の肝(きも)!

Terry は、以前、研究(論文等)へのインターネット情報の引用、活用等について否定的でした。やはり、紙ベースで手元に現物があるものからではないと……と考えていました……が、今日のように、ウェブサイトによる情報の所蔵・公開の仕方が確立し、それらの活用が認知され、日常化してくると、逆に、その膨大な情報から取捨選択し、良質な資料を見出し活用していく方がより良いものを生みだせる…と考えるようになりました。今回、「カナダのスポーツ政策」について報告書原稿(約45,000字)をまとめるにあたり、そのスキルが少しアップしたような気がします。

そこで、実践を通じて体得したインターネット情報入手の肝(きも)について思うところを列挙します!

前提:誰もが等しく膨大な資料にアクセスできるが……
 ①必要な情報にたどりつけるか
 ②情報を的確に厳選(取捨選択)できるか
 ③情報の信憑性が確認できるか
 ④最新の情報を入手できるか
 ⑤情報を入手(データ保存)・管理できるか 等

上記①~⑤のスキルの度合いによっても、作品の良し悪しが決まってくると思います。

後天的なスキル? 先天的な嗅覚? どちらかは分かりませんが…

2011/04/21

#92 スポーツ政策研究日誌 (16)

「カナダのドーピング施策」(約1600字)を執筆しました!

月曜日(18日)の朝までには仕上げるつもりでしたが、結局、何だかんだ忙しくて昨日(20日)の午後5時になってしまいました。……関係者の皆様、申し訳ありませんでした……

それにしても、カナダのスポーツ政策は面白い!
何度も書いていますが、“3次元パズル”を解いているような ワクワク感 が味わえます。

この“3次元”の意味をお分かりになりますでしょうか?
共感あるいは共鳴していただける方がいらっしゃったら、語り合いたいです。

 他の国はどうなのだろうか?

このパズルは“一生”解き続けなければならないような気がしています。

…っとすると、一生楽しめるということかぁ…

2011/04/20

#91 大学テニスの指導法 (1)

大学テニスの指導法について、シリーズを設けます。
大学テニスといっても、①授業でのテニス指導、②大学体育会テニス部の指導 の2つに分けて不定期にSMJブログで書いていきます。※トップシークレット(企業秘密!?)は書きませんが…

★テニス授業(90分×15回) 
    設定 : コート6面、定員48人、ラケット24本~、ボール24球~

①オリエンテーション
②コンチネンタルグリップ理解 、 ファイブ・ステップ・ドリル(5 Step Drill:5SD)
③5SDの復習 、 初級サーブ&リターン練習
④③の復習 、 ダブルス簡易ゲームⅠ(全員ベースラインから!)
⑤ボレー練習 、 ダブルス簡易ゲームⅡ
⑥雁行陣理解 、 ダブルス簡易ゲームⅢ(雁行陣で!)
⑦チーム分けチェック: フォアハンドストローク・プレースメントテスト(35点満点)
⑧正式ゲームの進め方の理解 、 サービスゲーム1回ずつの4ゲームマッチ
⑨チーム練習・ゲーム
⑩模擬チーム対抗戦(ダブルス4ポイント、各4ゲーム先取マッチ、ノーアド)
⑪チーム対抗戦:第1戦
⑫  〃 第2戦
⑬  〃 第3戦
⑭  〃 第4戦
⑮  〃 最終戦 、 表彰式

次回は、テニスが全く初めての人でも、3回目の授業でダブルスの簡易ゲームが楽しめるようになる上記の Terry の考案した“魔法のドリル”「ファイブ・ステップ・ドリル(5SD)」について解説しま~す!

2011/04/17

#90 大学教育・雑感 (4)

1991年の大学設置基準の大改正(大綱化・自由化)により、日本の私立大学の数は大幅に増えました。文部科学省の統計を基にして2010年から3年刻みで遡って、その期間の私立大学増加率を算出してみると、以下のようになっていました。

★私立大学増加率 ※( )内:増加数
   1983-86年 ・・・ 1.8% (6)
   1986-89年 ・・・・・・・・・・・・・・・ 9.0% (30)    
   1989-92年 ・・・・・・・・・ 5.5% (20)
   1992-95年 ・・・・・・・・・・・・・ 8.1% (31)
   1995-98年 ・・・・・・・・・・・ 7.0% (29)
   1998-01年 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11.7% (52)
   2001-04年 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 9.3% (46)
   2004-07年 ・・・・・・・・・・・ 7.0% (38)
   2007-10年 ・・・・・ 2.9% (17)

Terry の勤務する TSU は1993年に開学しました。まさに、大学設置基準緩和後に設置された、いわゆる新興(小規模)大学です。このような新興大学は、国立大学を定年退官された先生方を主要なポストを担う教員として採用する傾向があります。

Terry の個人的な感想ですが、そういった先生方の多くは、それぞれの分野で業績を残されてきた“一流 or ホンモノ”ですので、年を召されていても、とてもパワフルです。洞察力があって、行動力があります。妥協をせず、手を抜きません……実際は、うまく力の配分をしているのでしょうが……いずれにしても、老体(※失礼ですネ!)に鞭打って、率先して背中で教えてくれています!

…… そう言われるような大学教員になりたいものです!

2011/04/16

#89 スポーツ政策研究日誌 (15)

プロスポーツについて考える③

SMJブログ#87からのつづきです。
浅田真央選手は、アマチュアスポーツ選手 or プロスポーツ選手?

とても難しいです! ぬかるみ!? にはまってしまいました。
解説するには、論文1本書かないと……

以下は、把握しておかなければならない基礎情報等です。

★公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)
  「JOCマーケティング」 「JOCシンボルアスリート」

★財団法人日本スケート連盟(JSF)
 諸規程:
・財団法人日本スケート連盟寄附行為
・細則
・競技者資格規程
・JOCが行う選手強化キャンペーン事業特別認定選手・役員の取扱い規程
・JOCが行う選手強化キャンペーン事業特別認定選手・役員の取り扱いに関する留意事項

その他、調べなければならないことが幾つかあります。
JOCの Yasu さんにも是非お話を聞いてみたいです……ただし、お忙しい方なので……

もともと、明快な解説ができるとは思っていませんでしたが、浅田選手を題材にして色々調べてみた結果、「日本のプロスポーツ(政策)」 を考える1つの糸口が見えてきたような気がします。

中途半端で申し訳ありませんが……現時点での、冒頭の問いに対する答えは、「プロスケーターはJSFに加盟できない」(#86)ことのようですので、その意味では、浅田選手は「プロではない」と言うことになります。

この件については、いずれ続編を書きます。
月曜(18日)の朝までに、「カナダのドーピング政策・施策」について執筆しま~す!

2011/04/15

#88 TSU 講義ノート (1)

午前2時すぎから睡魔と闘いつつ、今日の講義の準備をしていましたので、「プロスポーツについて考える」はお休みします。もし、お読みいただいている方がいらっしゃったら申し訳ありません。

2011年度から、健康・スポーツ心理学科3年生対象の専門科目『スポーツ心理学特講Ⅰ(現代社会とスポーツ)』(金曜2限:前期)がスタートします。健スポは、全国の多くの体育系大学・学部・学科と同じように、日本体育協会・公認スポーツ指導者養成講習会「講習・試験免除適応コース」の承認を得ています。

TSUでは、希望学生が5つの指定授業を履修・単位取得し、同協会に申請すれば、卒業時に「共通科目Ⅰ+Ⅱコース修了証明書」が発行されます。この段階で、地域のスポーツクラブやサークルでの指導を念頭に置いた「スポーツリーダー」の資格が取得できます。(要申請) さらに、卒業後、各自で「専門科目」の講習会に参加すれば「ジュニアスポーツ指導員」「指導員」「上級指導員」「スポーツプログラマー」「アシスタントマネージャー」「クラブマネージャー」の資格取得が目指せます。その他、時間はかかりますが「共通科目Ⅲ」及び「専門科目」の講習会に参加すれば、「アスレティックトレーナー」「コーチ」などの資格取得も目指せます。

特講Ⅰでは主として「スポーツの概念と歴史」「文化としてのスポーツ」「地域におけるスポーツ振興方策と行政のかかわり」「地域スポーツクラブの機能と役割(総合型地域スポーツクラブを中心として)」「社会の中のスポーツ」「我が国のスポーツ振興施策(世界のスポーツ事情と日本のスポーツ振興施策)」「スポーツ事故におけるスポーツ指導者の法的責任」「スポーツと人権」について講義をする予定です。

テキストにある程度準拠して話さねばなりませんが、大学の授業ですの、Terry色を濃くしていきたいです!

2011/04/14

#87 スポーツ政策研究日誌 (14)

プロスポーツについて考える②

浅田真央選手は、アマチュアスポーツ選手 or プロスポーツ選手? …の続きです。

チーバくん大学の先生によりますと、プロスケーターは日本スケート連盟(Japan Skating Federation:JSF)に加盟できないそうです。国際スケート連盟(International Skating Union:ISU)にも加盟できないことになります。

そこで、2006年トリノ五輪・女子フィギュア金メダリストの荒川静香さんのことが頭に浮かびました。トリノ後、荒川さんはフィギュアの公式戦に参加していない(現役引退している?)ようですし、アイスショーなど各種イベントに参加したり、キャスターや解説などの仕事をしているので、もうプロ(スケーター)なのだろうと思いましたが、ISUのホームページ内の Skater Biographies では、職業(profession)が「Full Time Athlete」として掲載されていました。

……荒川さんは ISU に登録されているのか? そうであるなら JSF でも登録されているのか?

ちなみに、浅田真央選手は「Student」と記載されてありました。

複雑だぁ~ ……(つづく)

2011/04/13

#86 スポーツ政策研究日誌 (13)

プロスポーツについて考える①

昨日は、チーバくん大学の非常勤の日でした。テニス3コマです。計画停電等の影響で、7月中旬で前期授業が終了する予定に変更されました。土曜日を活用して15回授業(試験日も含む)を確保するという仕組みです。土曜日は Terry の本務校の授業がありますので、2回分は課題レポートで代替することにしました。残り12回がテニス実技です。

チーバくん大学には、フィギュアスケートに詳しい先生がおられますので、お会いした時には、いつも 日本及び世界のフィギュアスケートに関する様々な情報 を引き出させていただいております。

以前、Terry は、出身大学の「体育・スポーツ行政学概論」(集中講義)を担当していました。その時、「日本のプロスポーツ政策」について扱うことになり、「プロスポーツ」について少し考える機会があり、それ以来、幾つかの研究課題を持ち続けています。…未だに、整理しきれていませんが…

 2008年10月時点での、Terry の捉え方(私案レベル)は以下の通りです。
★プロスポーツ選手
特定のスポーツを専門職として、その活動または関連活動の対価を得ているスポーツ選手
★プロスポーツ
プロスポーツ選手(チーム)を主体として、試合、大会、トーナメント、リーグ、ショー、興行等が成立または確立しているスポーツ

さて、フィギュアスケートの 浅田真央選手 は、アマチュアスポーツ選手 or プロスポーツ選手 のどちらでしょうか?

2011/04/12

#85 スポーツ政策研究日誌 (12)

戦友の負傷

2007年9月の「カナダ研究調査旅行」出発の直前に購入してから今日まで、大活躍してくれていた「電子辞書(EX-word XD-SW9400)」が負傷しました。原因は、悪ガキSaint (2歳)の仕業でした。

「ON/OFF」と「バックライト」のボタンを見事にホジクリ出していました!
おとなしい時に限って、何かをやってくれます。

仕方がないのでブログネタにしようと思って、スマホで証拠写真を撮ろうと思ったら、カメラのシャッターが下りてくれません。……今度は、愛娘 Kaena (5歳)の仕業でした。彼女は最近スマホいじりにハマっていて、カメラ機能の設定を変更してくれたみたいです。そう言えば、以前、研究室のマックも壊されたことがある……それ以来、Windows に浮気してます……

昨日、SSFから「カナダのドーピング施策」に関する追加執筆の指示がありました。ドーピングと言えばカナダ(ベン・ジョンソン)ですので、かなり重要な項目でしたが、執筆の準備をしていたにもかかわらず時間切れで書けなかった項目の一つでした。また、頑張ります。

負傷した戦友にも、もうひと踏ん張り、頑張ってもらうことにします。
月末には入院させてあげるネ!

…昨日、ヤマダ電機で「EX-word XD-B10000」を見てきました…(彼らには内緒)…

2011/04/11

#84 大学教育・雑感 (3)

今年は、Terry の所属する学科(健スポ)の新年度オリエンテーションが3回ありました。来年は4学年揃うので、4回になります。学生たちに何か気の利いた事でも話そうかと思いつつも、他の先生方のような名スピーチはできませんでした。…Coach K さんは、さすが現役の大学院生でもあるので一味違ってました…

4月7日(木)2年生に対して

「昨年は、授業等で接する機会があったが、今年はそれがないので、顔を合わせることはほとんどない……ただし、側面的なサポートはしていく……健スポは皆さんにとって役に立つ独自のプログラムを展開している……マナー・身だしなみ研修Ⅱでは、魅力を引き出すカラーコーディネート術というテーマで実施する……3年生には好評だった……基礎学力確認テストも今後の個別対策を練る上で重要だ……コーチから効果的なメニューを提示されても選手がそれを実行してくれないとパフォーマンスは上がらないのと同じように……だから、皆さんも、乗ってきて欲しい!」というような事を Terry は言いました。……学生は神妙な顔をして聞いてくれていました!!

翌日:4月8日 (金)
 「基礎学力確認テスト②」
 「マナー・身だしなみ研修Ⅱ:魅力を引き出すカラーコーディネート術」

残念ながら、参加率は50%余りでした~ぁ

余談ですが、Terry は、政策(学)の領域で「PDCAサイクル」という考え方を用いることに否定的です……いつか、それを凌駕する理論を構築したいと考えています。ただし、まだ準備段階すら入っていないですし、生きているうちに果たせるかどうかも分かりませんので、大言壮語で~す!

不本意ながら、そのPDCAに依拠して言うならば、まさに PIDCA のサイクルで考えなければならない案件です。

さて、I とは何でしょうか?

2011/04/10

#83 大学教育・雑感 (2)

大学選びの基準について思うところを書きます。

Terry の場合、①自分のやりたいこと、②国立(学費が安い)、③その領域で最も充実している大学……などが大学選びの基準でした。ただし、その大学の名前を初めて知ったのは、高校1年生の4月に新採の保健体育科教諭として就任してこられた Ichi 先生に出会った時でした。…ですので、その大学の赤本を立ち読みしたことが、そもそものスタートでした。

バレーボールの実業団チームからの誘いを蹴って教員を選択した…という逸話を聞くほどの“凄い”先生でした。万能でした。片手でハンドスプリングしていました。スパイクが直角でした。……高校生のTerry にとって衝撃的で、眩しかったです。……で、Ichi 先生の出身大学に行って、体育教師を目指すことにしました。

さて、現在はどうでしょうか? 

正確な分析はできていませんので、大したことは書けないですが、「就職率」が大学選びの主要な判断基準になりつつあるようです。もちろん「偏差値」で序列化されますので、「F」よりは「E」「D」に位置する方が有利だと思いますが……

そんなこんなで、我が学科(健スポ)の命運も1期生の就職状況にかかっていると考え、既に幾つかのオリジナル・プログラムを展開しています。(既述) その内の一つに「基礎学力向上プログラム」がありますが、3回の基礎学力確認テストを終え、目論見通り!?  色々なことが見えてきました。

近々、「健スポ・就職力向上プラン(仮称)」を立案する予定ですが……最大の課題は学生の意識改革を促すための“inspire 方法”です!

2011/04/09

#82 大学教育・雑感 (1)

Terry の所属する「健康・スポーツ心理学科」(以下、健スポ)も開設3年目を迎えました。スポーツ政策を研究している者が何故“心理学科”にいるのかは、あまり深く考えないでください。今年から3年次ゼミ(下記授業)を担当し、卒論領域として「お店」を構えることになっています。

「スポーツ心理学演習3(スポーツ活用)」

 本演習は、心理学と若干テイストが異なりますが、社会を元気にすれば個人も元気になる、と考えれば、健康・スポーツ心理学科の一領域に加わることができます。社会を、そして日本を元気にする方策を共に考えていきましょう! (※学生へのメッセージより)

さて、新年度行事が一通り終わろうとしています。健スポ独自のプログラムを幾つか実施しています。多分、とても意義深い企画だと、自画自賛しています。…企業秘密!?

そんな素晴らしい企画なのですが、学生の参加率が芳しくありませんでした。参加してくれれば、自分のためになるのに……最近の若者は…コラッ!!

ここからが「企画屋」の腕の見せ所なのですが…

2011/04/08

#81 スポーツ政策ニュース (第4号)

昨日、SSFの担当者からメールをいただきました。

SSFが文科省から受託した「外国スポーツ政策調査研究:報告書」の完成・納品が、東日本大震災(3/11)の影響で1カ月延期になったようです。

震災以降、様々なスポーツ関連事業に影響が及んでいますが、Terry の関わった事業(カナダ担当)にも影響が及ぶとは……でも、震災に直接見舞われた方々に比べると微々たるものです。

文科省は、この度の「報告書」(12カ国のスポーツ政策調査)を、今後の日本のスポーツ振興のエビデンスとして、重要なものと位置づけておられるようです。Terry が現物を手にできるのは5月中旬ぐらいになりそうです。楽しみ半分、怖さ半分……の心境です!

2011/04/07

#80 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (7)

まとめ

日本人学生と留学生が混在する体育実技授業(「混在授業」)の教育成果向上に資する研究の一環として、外国人留学生の大学入学以前の体育・スポーツ経験の実態を調査・分析することにより、日本を含めた留学生の出身国・地域別の大学入学以前の体育・スポーツ経験について比較・考察してきました。※SMJブログ#74~79

日本の学校体育の良いところ(※日本・中国・韓国の比較から)

 ①誰もが多くの種目を経験することができる。
 ②スポーツを楽しむことができ、なおかつ社会性が身につく場である。
 ③教科として確立しており、授業時間が確保されている。
  (例:受験準備等の理由により軽視されることはない)
 ④体育施設・設備・用具等のスポーツ環境に恵まれている。
 ⑤その他

いかがでしょうか?
日本の学校体育への評価を見直すきっかけになりましたでしょうか?

おそらく、日本の「学校体育」は、上記①~④+α の面でみた場合、世界最高水準にあると言っても過言ではないと思います。何故なら、欧米諸国の「体育」も充実していると思いますが、連邦制を敷く国、例えばドイツ、アメリカ、カナダなどでは州によって、その制度が異なっていることもあり、日本のように国民の大多数が相当水準かつ均質な「体育」を受けられているとは限らないからです。

ただし、日本型とは異なる「体育(スポーツ)」の授業が欧米では展開されているようです。いずれ機会があったら、調べてみたいものです。(完)

引用資料
 『外国人留学生の大学入試以前の体育・スポーツ経験に関する調査研究』(2009)
  (大学体育学6号、pp.79-90.)
   ※2007年度全国大学体育連合大学体育研究助成金研究

2011/04/05

#79 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (6)

日本・中国・韓国の学校体育の実態

中等教育期の学校の「体育の授業」についての回答者の考えを自由記述で求めたところ、3カ国で計982人からの回答を得ることができました。そして、記述内容を詳細に検討し「肯定的」「否定的」「実情」「問題点」「意見・提言」の5項目で整理・分類し、日本・中国・韓国の学校体育について比較し、留学生の大学入学以前の学校体育を通じた体育・スポーツ経験の実態把握を試みました。

①「肯定的」な記述
 肯定的記述の分類カテゴリー割合をもとに3カ国を比較すると、割合の多い項目は、日本は「楽しかった、好き、面白かった等(41.1%)」「良かった、充実、有意義等(19.8%)」「社会性(9.9%)」、中国は「良かった、充実、有意義等(36.7%)」「体力向上、健康づくり等(19.4%)」「楽しかった、好き、面白かった等(17.3%)」、韓国は「楽しかった、好き、面白かった等(40.7%)」「良かった、充実、有意義等(27.8%)」「大切、必要等(12.0%)」でした。また、中国の「息抜き、ストレス解消(9.2%)」は他の2国と異なる傾向でした。
 これらの結果から、日本の体育の授業は社会性を身につける場にもなっていること、中国では他の2国に比べ体育の授業の楽しさが欠けていること、中国では体育の授業が息抜きやストレス解消の機会になっていることなどが推察されます。

②「否定的」な記述
 否定的記述の分類カテゴリー割合をもとに3カ国を比較すると、日本は「面白くない、つまらない等(28.2%)」「苦痛、だるい等(20.5%)」「好きじゃない、嫌い等(15.4%)」、中国は「面白くない、つまらない等(62.9%)」「好きじゃない、嫌い等(11.4%)」「苦痛、だるい等(11.4%)」、韓国は「意味、意義がわからない等(28.8%)」「面白くない、つまらない等(19.7%)」でした。
 このように、中国では他の2国に比べ学校の体育授業に面白みや楽しさを感じられない傾向があること、韓国では他の2国に比べ学校における体育授業の意味や意義を感じられない傾向があることなどが推察されます。さらに、韓国では「時間の浪費、遊ぶ時間(9.1%)」のように他の2国には見られないコメントが分類されました。

③「実情」を示す記述
 3カ国の学校体育の実情を示す記述を分類した結果、中国及び韓国では、体育授業を他の勉強科目の授業に振り替えたり、受験準備等のための自習時間に充てている実情(日本0%、中国15.6%、韓国11.4%)が確認されました。また、中国は体育の授業時間を「自由時間・遊びの時間(28.1%)」として、すなわち勉強の疲れを癒す息抜きの時間として活用されていることが記述内容等から明らかになりました。韓国は高校(特に3年生)になると、大学受験準備のため「体育授業が少なくなったり、ほとんどなくなる(21.1%)」実情があることも明らかになりました。それに比べて、日本は突出した実情についての傾向はなく、体育授業が勉強や受験等の影響を受けたり、他の教科に比べて軽視されるような実情はほとんどないものと考えられます。

④「問題点」を示す記述
 3カ国の学校体育の問題点を示す記述を分類した結果、日本では「教師の資質等(22.9%)」「達成度、充実感等(16.7%)」「種目数、種目の偏り(12.5%)」、中国では「授業時間(36.2%)」「種目数、種目の偏り(21.3%)」「施設・設備・用具の乏しさ(12.8%)」、韓国では「授業時間(20.0%)」「指導方針、カリキュラム等(15.4%)」「重視していない(13.8%)」などの問題点があることが確認されました。その他、日本の「評価について(10.4%)」は他の2国ではほとんど見られず、逆に他の2国に見られる「施設・設備・用具の乏しさ(中国12.8%、韓国12.3%)」については日本ではまったく問題になっていませんでした。
 3カ国の学校体育の問題点を比較すると、日本では体育施設・設備・用具等及び授業時間についての不満はないが教師の資質や評価に不満を感じている傾向があり、それに対して、中国及び韓国では体育施設・設備・用具等の乏しさ及び授業時間の少なさに不満を感じている傾向があることが推察されます。さらに、韓国出身の留学生の記述から、韓国は体育を重視していないこと、また、体育のカリキュラムが体系化されていないこと、体育が非常に形式的であること等の詳細な問題点の指摘が何件か見られたように、韓国の学校体育については、他の2国に比べ授業方針、カリキュラム、体育授業の軽視などに対する不満があることが特徴的であると考えられます。

⑤「意見・提言」を示す記述
 3カ国ともに出身国の学校体育に対して「種目・時間増」「種目の採用」についての意見・提言の割合が高い傾向を示していました。3カ国の違いが見られたのは、日本の「楽しい、自由な授業(20.9%)」を求める意見・提言、中国の「不要論(13.6%)」が他の2国より多く見られたことでした。また、既述のように、韓国では勉強(受験)が優先され、体育授業は重視されていない実情にあるものの、韓国出身の留学生から「授業の進め方の工夫(12.7%)」「種目・時間増(21.1%)」「体育で学ぶべきもの(14.1%)」などの意見・提言が多くみられました。韓国において体育授業が形式的なものであったり、他の教科に振り替えられたりすることがあったとしても、韓国出身の留学生は必ずしも学校体育を否定しているわけではないことが窺えます。

次回は「まとめ」です! …つづく…

2011/04/04

#78 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (5)

中等教育期の学校における体育・スポーツ経験
 ~日本・中国・韓国の比較~

★日本の学校体育では多くのスポーツ種目が経験できる! 

 学校体育(中等教育期)において経験した「体育・スポーツ種目数(平均値)」

   1.日本 =11.76 種目
   2.韓国 = 8.15 種目
   3.中国 = 7.59 種目  ※有意差あり

★日本は中国・韓国に比べて経験率の高い種目が多い!
    → 多くの人がそれぞれの種目を経験しているということなのでしょう

画像をクリックすると拡大されます!

日本は、水泳(81.9%)、バレーボール(94.5%)、テニス(63.7%)、ソフトボール(61.5%)、武道(53.2%)、スキー(16.7%)などにおいて中国・韓国と比べて経験率の差が顕著です。中国は、ハンドボール(7.3%)、ダンス(21.0%)の経験率が日本・韓国と比べて低いですが、スケート(11.9%)は逆に高いです。韓国は、器械運動(93.3%)とハンドボール(46.7%)が日本・中国よりも高い傾向にあります。3カ国の特徴が明らかになって、面白いですねぇ……見づらくて申し訳ありません……(つづく)

2011/04/03

#77 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (4)

★結果&考察★

<属性等>

「実態調査Ⅰ・Ⅱ」により、日本語学校10校及び4大学を通じて、25を上回る国・地域の出身者から回答を得ました。(※有効回答部数…1667)

 日本(603)、韓国(583)、中国(371)、台湾(27)、アメリカ(12)、ベトナム(11)…

サンプル数の関係で、日本、中国及び韓国の3カ国を主たる分析対象としました。

①年齢(推定)について
 日本人学生の平均推定年齢は概ね20歳(男性20.0歳、女性19.8歳)でしたが、中国人留学生は概ね22~23歳(男性22.4歳、女性22.9歳)、韓国人留学生については概ね25~26歳(男性26.0歳、女性24.9歳)でした。回答時、日本語学校の留学生は日本語学校に在籍していますので、大学へ進学した場合の年齢は、これらの年齢に1~2歳加算して考える必要があります。すなわち、実際の混在授業においては、日本人学生が20歳前後であるのに対して、留学生は20歳代半ば以上の年齢であること、中国人留学生よりも韓国人留学生の年齢が高く(男性3.6歳差、女性2.0歳差)、また、韓国人留学生については女性より男性の年齢が高い傾向(1.1歳差)があることが確認されました。(韓国は兵役の関係でしょうか…)

 → 混在授業では、留学生と日本人学生の年齢差に配慮(体力面、精神面等)する
   必要があるのでは…

②中等教育を受けた学校の種別
 研究上あまり関係ありませんでしたが、一応、中等教育期(中学校-高等学校)に在籍した学校の設置種別(国公立・私立)について調べてみました。中学・高校ともに国公立である割合は中国(70.9%)、日本(59.0%)が高く、ともに私立である割合は、韓国(28.5%)、台湾(26.9%)が高かったです。また、中学が国公立、高校が私立である割合は、日本、韓国及び台湾が30%前後であるのに比べ、中国は15.1%でした。
 出身学校の設置種別の違いが大学入学以前、すなわち中等教育期における青少年の体育・スポーツ経験に何らかの影響を及ぼしていることも考えられますが、この研究では、特に確認作業をしませんでした。スイマセン!

次回は、本題(日本・中国・韓国の学校体育の特徴)に入ります。(つづく)

2011/04/02

#76 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (3)

Terry、Woods さん、Coach K さんの3人による「外国人留学生の大学入学以前の体育・スポーツ経験に関する調査研究」は、㈳全国大学体育連合 から研究助成金(20万円)をいただくことができました。……その節は、お世話になりました!……

★外国人留学生(以下、「留学生」)の大学入学以前の体育・スポーツ経験の実態を把握するために、日本の大学に在籍している留学生だけではなく、日本の大学進学を目指す日本語学校の留学生に対して『中等教育期における体育・スポーツ経験に関するアンケート調査』を実施しました。また、留学生の体育・スポーツ経験との比較をするために日本人学生に対しても同様の調査を実施しました。

★日本語学校の留学生に対する調査を「実態調査Ⅰ」、大学における日本人学生と留学生に対する調査を「実態調査Ⅱ」とし、4言語(日本語・中国語・ハングル・英語版)の調査票を用いて調査を実施しました。

(1)調査票の内容
  ①フェイスシート
  ②体育の授業で経験したことのある運動種目について
   (選択式、日本の中学校及び高等学校学習指導要領をもとに20項目設定) 
  ③体育の授業以外で経験したことのある運動種目について(自由記述)
  ④体育の授業についての感想等(自由記述)

(2)実態調査Ⅰ:日本語学校の留学生に対するアンケート調査
  ・千葉県及び東京都に所在する日本語学校10校
  ・2008年7月23日~7月31日
  ・計1,373部(日本語115、中国語453、ハングル660、英語145)の調査票を郵送
  ・有効回答部数は1,020部

(3)実態調査Ⅱ:日本人学生及び留学生に対するアンケート調査
  ・4大学で開設されている延べ23授業の受講学生(日本人学生・留学生) 
  ・2008年7月20日~21日
  ・有効回答部数は647部

(4)統計処理
  ・SPSS 14.0J for Windows

なお、Terry が台湾に、Woods さんが中国に、Coach K さんが韓国に実態把握&資料収集のために現地調査に行きました。以下は、台湾調査時に撮影したものです。 (つづく)

訪問した台湾の中学校
用具の保管場所
授業風景
            以上、3枚の写真は2008年1月28日にTerry が撮影

2011/04/01

#75 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (2)

2008年7月29日、文部科学省他5関係省は、2020年を目途に留学生の受入れ30万人を目指す「留学生30万人計画」の骨子を発表しています。大学院、専修学校等まで含めての数ですが…

平成22年5月1日現在、日本の大学、短期大学及び高等専門学校には、72,665の外国人留学生(以下、「留学生」という。)が在籍しています。大学院、専修学校等まで含めると141,774人いますので、単純計算すると、9年後には大学等に今の2倍の留学生が在籍していることになります。したがって、日本の教育機関は、留学生受入れに伴う今以上の、あるいは新たな問題・課題に直面することになると考えられます。

Terry が担当している大学でのスポーツ実技に関する授業(体育実技、スポーツ実技、健康スポーツ等)においても、従前の日本人学生のみを対象とした授業の進め方ではなく、留学生への配慮もしつつ、日本人学生及び留学生双方の授業満足度を高めるための授業改善がさらに求められると考えています。

そのような背景もあり、以前、Terry、Woods さん、Coach K さんの3人は、共同研究(2007)として、日本人学生と留学生が混在する大学体育実技授業(以下、「混在授業」という。)の実態及び課題に関する研究を行いました。 ※SMJブログ#32~36 参照

その結果、1)留学生の混在率が高まるほど混在授業がやりにくくなること、2)日本人学生と留学生では体育レディネス(スポーツ経験他)に違いがあり、それにより混在授業がやりにくくなること等が明らかになりました。ただし、この研究は、混在授業のやりにくさの主たる要因となる留学生の出身国における体育・スポーツ経験についての調査・分析が十分ではなかったことから、留学生の出身国での体育・スポーツ経験を踏まえた継続研究の必要性が課題となりました。

そこで、日本人学生と留学生が混在する体育実技授業(「混在授業」)の教育成果向上に資する研究の一環として、日本を含めた留学生の出身国・地域別の大学入学以前の体育・スポーツ経験について比較・考察する研究に取り組むことになったので。  (つづく)