2011/04/03

#77 日本・中国・韓国の学校体育の比較 (4)

★結果&考察★

<属性等>

「実態調査Ⅰ・Ⅱ」により、日本語学校10校及び4大学を通じて、25を上回る国・地域の出身者から回答を得ました。(※有効回答部数…1667)

 日本(603)、韓国(583)、中国(371)、台湾(27)、アメリカ(12)、ベトナム(11)…

サンプル数の関係で、日本、中国及び韓国の3カ国を主たる分析対象としました。

①年齢(推定)について
 日本人学生の平均推定年齢は概ね20歳(男性20.0歳、女性19.8歳)でしたが、中国人留学生は概ね22~23歳(男性22.4歳、女性22.9歳)、韓国人留学生については概ね25~26歳(男性26.0歳、女性24.9歳)でした。回答時、日本語学校の留学生は日本語学校に在籍していますので、大学へ進学した場合の年齢は、これらの年齢に1~2歳加算して考える必要があります。すなわち、実際の混在授業においては、日本人学生が20歳前後であるのに対して、留学生は20歳代半ば以上の年齢であること、中国人留学生よりも韓国人留学生の年齢が高く(男性3.6歳差、女性2.0歳差)、また、韓国人留学生については女性より男性の年齢が高い傾向(1.1歳差)があることが確認されました。(韓国は兵役の関係でしょうか…)

 → 混在授業では、留学生と日本人学生の年齢差に配慮(体力面、精神面等)する
   必要があるのでは…

②中等教育を受けた学校の種別
 研究上あまり関係ありませんでしたが、一応、中等教育期(中学校-高等学校)に在籍した学校の設置種別(国公立・私立)について調べてみました。中学・高校ともに国公立である割合は中国(70.9%)、日本(59.0%)が高く、ともに私立である割合は、韓国(28.5%)、台湾(26.9%)が高かったです。また、中学が国公立、高校が私立である割合は、日本、韓国及び台湾が30%前後であるのに比べ、中国は15.1%でした。
 出身学校の設置種別の違いが大学入学以前、すなわち中等教育期における青少年の体育・スポーツ経験に何らかの影響を及ぼしていることも考えられますが、この研究では、特に確認作業をしませんでした。スイマセン!

次回は、本題(日本・中国・韓国の学校体育の特徴)に入ります。(つづく)

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