2011/06/30

#160 日本のスポーツ政策考 (20)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの⑥

きりが良いので、もう1つだけ、書いちゃいます!

 ★ 実行可能かつ効果的な Action Plan(新スポーツ振興基本計画)の策定 ★

SMJブログ#158にも書きましたように、今後の約10年間の日本のスポーツ政策(Japanese Sport Policy:JSP)は「スポーツ立国戦略」であり、同戦略の法的裏付けとなるものが「スポーツ基本法」で、JSPを具現化するための行動計画(Action Plan)が「新スポーツ振興基本計画」である……と、Terry は解釈しています。

以下は、JSPの5つの政策の柱(重点戦略)です。

 ライフステージに応じたスポーツ機会の創造
 世界で競い合うトップアスリートの育成・強化
 スポーツ界の連携・協働による「好循環」の創出
  スポーツ界における透明性や公平・公正性の向上
  社会全体でスポーツを支える基盤の整備

そして、上記5つの重点戦略の下には「目標」と「施策」が示されています。……施策については、詳細過ぎるぐらいですが……まるで、JSP の中に Action Plan が既に示されているようです。……と言うことは……

「新スポーツ振興基本計画」の予想策定パターン

 その1:「スポーツ立国戦略」が一部手直しされて「スポーツ基本法(第9条)」に基づく
     「スポーツ振興基本計画」として生まれ変わる!
 その2:「スポーツ立国戦略」に示されている「目標」を達成するための「施策」ごとの
      Action Plan が詳細に立案され、それらが記載される!

“その3”もあるかもしれませんが、“その2”であれば冒頭の★★の通りです。……ただ、“その1”ではないかと、このSMJブログを書きながら思うようになってきました……

2011/06/29

#159 日本のスポーツ政策考 (19)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの⑤

必要なものって、何だと思いますか?
Terry Bird には、それらが幾つか見えるようです! Terry さーん、教えて!

 うーん …… じゃ、1つだけ書きます。

 ★ スポーツ関係者の Japanese sport policy についての的確な理解 ★

例えば、Terry が研究している“カナダのスポーツ政策”に関連した同国の印象ですが、カナダのスポーツ関係者(※説明省略)の多くは、自国のスポーツ政策に対して“批判的”に捉えるのではなく“ポジティブ”に捉え、“カナダ(のスポーツ)を良くしていくため”に同じ方向を向いて、それぞれの置かれている立場でやるべきことに専心しているように見受けられました。そして、それを支えているのが“スポーツ関係者の多くが Canadian Sport Policy を的確に理解していること”だと Terry には感じ取れました。

「スポーツ基本法」成立後の日本のスポーツにとって、『スポーツ政策(論)』を授業、講習会等で教える者の責任は大きいと思います。単に、各種関係資料やウエブサイトで書かれていることを紹介するだけの内容では“的確な理解”には結びつかないでしょう。

もちろんスポーツ関係者も自ら勉強する必要があります! ……SMJブログをよろしく!

2011/06/27

#158 日本のスポーツ政策考 (18)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの④

Terry なりの解釈ですが……「スポーツ立国戦略」の法的裏付けとなるものが「スポーツ基本法」で、同戦略を具現化するための(同法第9条に基づく)実施計画が「(新)スポーツ振興基本計画」である……と、まとめることができます。日本のスポーツ政策において、今までにない、何と合理的な“枠組み”なのでしょう!

 …学者の経歴もある文部科学副大臣のリーダーシップの影響なのでしょうか?…

要するに……(これまた Terry の解釈ですが)……政策(Policy)が「スポーツ立国戦略」であり、その実施計画ないし行動計画(Action Plan)が「(新)スポーツ振興基本計画」である……と、見なすことができるでしょう。

関係者の皆さんにとっては周知の事実かもしれませんが、ここ数回のSMJブログで書いてきた一連の関連性についてクリアに理解しているスポーツ界の人間は、Terry を含めそれほど多くなかったと思います。

取りあえず整理できました。ようやく本題に入れそうです! (つづく)

2011/06/26

#157 日本のスポーツ政策考 (17)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの③

「スポーツ立国戦略(The Strategy for Sports Nation)」(2010年8月26日文部科学大臣決定)は何のために策定されたのか?

同戦略 “はじめに”(p.1) のところで、以下のように記述してあります。

……文部科学省では、現在の「スポーツ振興法」を見直し、新たにこれに代わる「スポーツ基本法」の検討を視野に入れ、今後の我が国のスポーツ政策の基本的な方向性を示す「スポーツ立国戦略」の策定に向けた検討を進めてきた。……

また、同戦略 “Ⅳ.スポーツ立国戦略実現のための国の体制整備と今後の進め方”(p.20) のところで、以下のように記述してあります。

……今後、本戦略を踏まえ、「スポーツ基本法」等の検討に取り組むとともに、短期的に実現すべき施策については、財政運営戦略を踏まえた平成23年度の概算要求や、スポーツ振興くじ・スポーツ振興基金の助成内容に反映させる。また、中長期的に取り組むべき施策については、今後新たに策定するスポーツ振興基本計画において具体的な実施計画を示すこととする。……

Terry がまとめる(解説する)必要はありません。冒頭の問いに対する答えは、同戦略の中でハッキリと説明されています!

※引用:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/09/16/1297203_02.pdf

2011/06/25

#156 日本のスポーツ政策考 (16)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの②

Terry だけが理解していないのでしょうか? 

スポーツ振興基本計画(The Basic Plan for the Promotion of Sports)」(2000年9月策定・2006年9月改定)、「スポーツ立国戦略(The Strategy for Sports Nation)」(2010年8月26日策定)、2011年6月17日に成立した「スポーツ基本法(The Basic Sports Act)」および今年度中に策定されるであろう「(新)スポーツ振興基本計画」の関連が、Terry の頭の中で整理しきれていません。……(そんなことも理解していないの?)……お恥ずかしい!

周知の通り、スポーツ振興基本計画は2001年度からの概ね10年間で実現すべき政策目標とそれを達成するために必要な施策を示したもので、スポーツ振興法第4条に基づき策定されました。そして、昨年策定されたスポーツ立国戦略は、今後概ね10年間で実施すべき5つの重点戦略、政策目標、重点的に実施すべき施策等を示しています。

例えば、スポーツ振興基本計画の政策目標の1つに「成人の週1回以上のスポーツ実施率が50パーセントとなることを目指す」がありましたが、スポーツ立国戦略では「成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65パーセント程度)、成人の週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30パーセント程度)となることを目指す」という上方修正した目標値が示されています。

スポーツ立国戦略は新しいスポーツ振興基本計画なのか?……そう疑問に思っているスポーツ関係者は案外多いのではないでしょうか……

実は、違うようです! スポーツ立国戦略は何のために策定されたのか? (つづく)

2011/06/23

#155 日本のスポーツ政策考 (15)

「スポーツ基本法」成立後に必要なもの①

日本に“スポーツ庁”が必要なのか、Terry は甚だ疑問です。……だれか納得のいく説明をして下さい。……それよりも、“危機管理庁”を新設した方が、今後の日本のためには良いのではないでしょうか……アメリカのFEMA(Federal Emergency Management Agency)が参考例として良く挙げられていますが……

スポーツ庁を設置すれば“スポーツ予算が増える”とか、“スポーツ関連行政の縦割りによる弊害が解消される”とか、“競技力向上策が展開しやすくなる”とか、“国民のスポーツへの意識が高まる”とか、色々言われています。また、“競技スポーツ先進国の多くは国が多額のスポーツ予算を配分している”とか、“中央競技団体(NSO)への補助金増が期待できる”とかも言われています。

“スポーツ振興法制定後50年・日本体育協会創立100周年という記念すべき年だから…”という論調もあります。

SMJブログは単なる“政策批判”をするつもりはありません。ただ、日本のスポーツのために本当に必要なことを、ムード(雰囲気)に流されるのではなく、“合理的”な考えのもと執り行っていただきたいだけです!

SMJブログでは、この件について考えていきます!

2011/06/22

#154 スポーツ政策ニュース (第5号)

「日本体育・スポーツ政策学会第21回大会」①

今年度の標記学会大会が Terry の勤務する TSU で開催されます!
Terry が大会実行委員長を務めることになります。

昨年度の大会(於:同志社大)での次回大会実行委員長挨拶で「最寄駅は“成田空港”で~す!」とジョークを飛ばしましたが、真面目に言いますと『勝田台駅』(京成 or 東葉高速)下車スクールバス10分のところにあります。

  開催日  2011年12月3日(土)
  会 場   TSU(八千代キャンパス)

企画等については現在検討中です。近々、SMJブログでもご案内します。

今のところ、基調講演(keynote address)では、外国人研究者(カナダ)を招聘する予定です。またシンポジウムは“ユニーク”かつ“タイムリー”なテーマを考えています。……と言っても、最近、スポーツ基本法関連で新聞に度々登場している Prof. Kenさん にお任せすることにしました。……「○○○○○ と スポーツ政策」のようなテーマです!

今年は、多分、“スポーツ基本法成立後のスポーツ政策”についてのテーマが、主要学会のシンポジウム等で扱われると思いますので、本家本元は一味違うテーマにします!

2011/06/21

#153 解説:カナダのスポーツ法 (6)

SMJブログ#152からの続きです。

上院において修正付で可決された「身体活動・スポーツ法案(C-12法案)」は、再び下院にて審議されることになりました。

★C-12法案:下院(House of Commons):審議経過

  上院から下院へメッセージ送付         2003年2月4日
 下院における上院修正の意見に関する審議 2003年2月27日
  女王裁可                      2003年3月19日

こうして、カナダにおいて「エリザベスⅡ世治世第51-52年議会第2番法律:身体活動及びスポーツを振興するための法律」(※略称:「身体活動・スポーツ法」)が成立しました。

日本人の感覚では、たかがスポーツのこと(法律)で何でここまで議論するの?……と首をかしげてしまうと思います。……英米法(common law)の諸国における法制度の仕組みや考え方が、日本のそれらと大きく異なっているからなのでしょうか?

もう1つ、「国家としてのスポーツの位置づけ」 の違いもあると思います!

2011/06/20

#152 解説:カナダのスポーツ法 (5)

何故、カナダのスポーツ法の内容ではなく、立法経過(legislative history)について解説(紹介?)させていただいてるかと言いますと、今回の「スポーツ基本法」の成立のされ方に、一言“皮肉”を申し上げたいからです。……ただし、成立した以上は、仕方ないので日本のスポーツが良い方向に向かうようポジティブに捉えますが……

★C-12法案:上院(Senate):審議経過

  第一読会       2002年10月10日
  第二読会       2002年10月23日
  社会問題、科学及び技術に関する常任委員会審議
                 2002年11月6日、20日、21日
  委員会報告       2002年11月21日
  委員会報告の審議  2002年11月21日
  第三読会審議     2002年11月26日、27日、28日、12月3日、4日
                2003年2月4日
  第三読会        2003年2月4日 ※C-12法案修正付で可決、下院へ

… まだ、つづく …

2011/06/19

#151 解説:カナダのスポーツ法 (4)

SMJブログ#149からの続きです。

「身体活動・スポーツ法案(C-54法案)」は、下院で可決(2002年6月18日)されたにもかかわらず、第37年議会第1会期が2002年9月16日に閉会されたときに、下院通過後の審議は議事日程表から消滅しました。……(この場合「廃案」と言って良いのか確認中です。)

2002年10月7日、P. DeVillers 国務長官(アマチュアスポーツ担当)により、前会期に下院を通過したC-54法案の再上程が提案され、可決されました。これにより、第37年議会第2会期において、「身体活動・スポーツ法案(C-12法案)」として審議されることになったのです。

2002年10月9日、同長官(P・ドヴィレル)はC-12法案を上程し、前議会閉会時に達していた同じ段階で再上程されることを求め、その提案は採択され第一読会がなされました。その後、同法案は議長の提案に基づき、下院のすべての段階で賛成されたとみなされることになりました。

★C-12法案:審議経過

  第一読会
 第二読会
 カナダ民族遺産に関する常任委員会審議
 委員会報告
  委員会報告の審議
  第三読会
   ※2002年10月9日、下院の全審議段階を終えたとみなされ下院通過

… つづく …

2011/06/18

#150 SMJブログの目指すもの (3)

SMJブログ#150 を記念して、サービスメニューにさせていただきます。
「解説:カナダのスポーツ法」はお休みします。

…人生って面白いですね! 天命なのでしょうか…

でも、Terry は、まだ“不惑”代?! ですので、“知命”には至っておりません。……“惑わずSMJブログを更新し続けている段階”ということだとすると、この先、数年後に本当の意味での天命を知ることになるのでしょうか……

最近、公の場で “Terry Bird です!” と、真顔で自己紹介したこともあり、「何で Terry Bird なんですか?」と以前にも増して聞かれるようになりました。……決して、ふざけている訳ではありません。

実は、尊敬しつつも、乗り越えたい対象としている Ian Bird  という男の存在を意識していることが、その主たる由来なのであります。なお、Terry Bird は、最近、別人格をもったバーチャル人間として独り歩きしているようです。

今後の展開を楽しませていただきます!

2011/06/17

#149 解説:カナダのスポーツ法 (3)

昨日(6/16)、「スポーツ基本法案」が参議院・文教科学委員会で可決されたようです。今日(6/17)にも参議院本会議で可決され、50年ぶりに「スポーツ振興法」が全面改正され「スポーツ基本法」が誕生することになります。

もし、数十年後に日本の「スポーツ基本法」の“成立過程研究”をしようとする外国人研究者がいた場合、とても楽に論文が書けると思います。……主たる資料(史料)となる議会他審議録が、極めて少ないからです。……何故、日本の国会議員は法律を制定する際、とことん議論しないのでしょうか……

議員立法で、かつ超党派の合意を得て提出している法案だから、議論がないのが当たり前なのでしょうか……国会議員は、形式的な質問をするだけの役割で十分なのでしょうか…

やはり SMJブログ#6(http://sportmattersjapan.blogspot.com/2011/01/6.html)に書いたとおりになってしまいました。……それ以下です。

カナダの「身体活動・スポーツ法案(C-54法案)」の下院における審議経過を簡単に紹介します。

★C-54法案:審議経過

  第一読会        2002年4月10日
 第二読会        2002年4月15日
 カナダ民族遺産に関する常任委員会審議
                  2002年5月22日、28日、6月4日、11日
 委員会報告               2002年6月12日
  委員会報告の審議     2002年6月17日
  第三読会                  2002年6月18日 ※C-54法案下院可決

  ※第37年議会第1会期が2002年9月16日に閉会されたときに、
   C-54法案の下院通過後の審議は議事日程表から消滅

… つづく …

2011/06/16

#148 解説:カナダのスポーツ法 (2)

カナダ連邦政府がスポーツ分野に積極的に関与するようになったのは「フィットネス・アマチュアスポーツ法(1961年)」制定以降のことであると言われていますが、それ以前にもスポーツ法的な役割を担っていた法律もありました。以下は、カナダにおける主要なスポーツ法の略称、正式名称です。

 1943年 『全国体力法』 (The National Physical Fitness Act)
  :体力づくりを促進するための全国審議会を設置するための法律
  (An Act to establish a National Council for the purpose of promoting
   Physical Fitness)

 1961年 『フィットネス・アマチュアスポーツ法』 (The Fitness and Amateur Sport Act)
  :フィットネス及びアマチュアスポーツを奨励する法律
  (An Act to encourage fitness and amateur sport)

 2003年 『身体活動・スポーツ法』 (The Physical Activity and Sport Act)
  :身体活動及びスポーツを振興する法律
  (An Act to promote physical activity and sport)

1943年法を「国民体力法」と訳しておられる方もいましたが、Terry は「全国体力法」と訳しています。 (つづく)

2011/06/15

#147 解説:カナダのスポーツ法 (1)

SMJブログでは、「解説:カナダのスポーツ政策」シリーズの中(#39~41)で、カナダの「フィットネス・アマチュアスポーツ法(1961年)」(以下、1961年法)制定の背景について紹介しました。 ※参照:http://sportmattersjapan.blogspot.com/2011/02/393.html

今さらですが…(時期が時期ですので)…カナダの1961年に代わる新しいスポーツ法として2003年に制定された「身体活動・スポーツ法」 (以下、2003年法)について Terry が把握している範囲で紹介していきたいと思います。……今後、その他のスポーツ法について解説することもありますのでシリーズ名を「解説:カナダのスポーツ法」にすることにしました。

奇しくも日本とカナダでは1961年に国家として初めてのスポーツ法が誕生しました。…日本が「スポーツ振興法」、カナダが「フィットネス・アマチュアスポーツ法」です。…その後、カナダでは42年後に「身体活動・スポーツ法」が制定されました。そして、日本では50年後の今、「スポーツ基本法」が制定されようとしています。

日本の場合は、現在国会で審議中の「スポーツ基本法案」にもありますように“スポーツ振興法(昭和三十六年法律第百四十一号)の全部を改正する”という位置づけの新しいスポーツ法の誕生(予定)です。

一方、カナダの場合は、2003年法第39条に規定されているように“フィットネス・アマチュアスポーツ法は廃止される”という位置づけの新しいスポーツ法の誕生でした。 (つづく)

2011/06/14

#146 SMJ アクション2011 ~その1~

Sport Matters JAPAN は、日本のスポーツ問題解決に資する具体的な取組み・行動をしていきます。……「SMJ アクション2011」と命名しました!

★第1弾:スポーツ基本法案前文・冒頭文章を再検討して!

スポーツ基本法案については、衆議院を通過(6/9)し、現在、参議院に送付されているところです。何もなければ、まもなく「スポーツ基本法」が成立することでしょう。

SMJブログ#136に書きましたが、同法案前文の冒頭文章に Terry は違和感をもっています。 ※参照:http://sportmattersjapan.blogspot.com/2011/06/136.html 

そこで、遅きに失したかもしれませんが、国会議員に働きかけ(メール送信)を行いました。

 → 文部科学副大臣(参議院議員、文教科学委員会委員) 様
 → 民主党スポーツ議員連盟事務局長(参議院議員、文教科学委員会委員) 様

 スポーツは、世界共通の人類の文化である。

皆さん! この一文についてどう思いますか? Terry がこだわり過ぎなのでしょうか?
外国(カナダ)スポーツ法を研究している者からすると、とても気になる一文です。

ところで、日本のスポーツ法を研究している外国人研究者っているのかなぁ…

2011/06/13

#145 スポーツ政策研究日誌 (20)

学会報告~その2~

日本スポーツ産業学会・スポーツ法学専門分科会の2011年度第1回研究会(2日目)が、無事終わりました。とても有意義な2日間でした。

★MLBのグローバル戦略
★カナダにおけるスポーツ紛争処理制度について  by Terry
★スポーツ基本法案について

研究者として、学会等で発表することは大切なことだと思っています。不勉強が露呈したり、恥をかくこともありますが、その悔しさがバネになります。……今回も、多くの助言をもらうことができました。

Terry の第3の研究テーマとして「カナダのスポーツ紛争処理制度に関する研究」(仮題)に取組み、12月中旬の日本スポーツ法学会で発表するつもりです。フロアの半分以上は弁護士さんですし、民事訴訟法の専門家も何人かおられるようです。……怖~い!

2011/06/12

#144 スポーツ政策研究日誌 (19)

学会報告~その1~

日本スポーツ産業学会・スポーツ法学専門分科会の2011年度第1回研究会(1日目)が、無事終わりました。こういった合宿形式での研究会は“気合いが”入ります。また、研究者としての“若さ”を取り戻せます……

★栂池高原雪崩事故(2008年2月3日)に関する報告
★アメリカにおけるスポーツ観戦中の観客事故の法的責任に関する考察
★その他

今日の午前中は Terry の発表です!

「鞆の浦山荘」から瀬戸内の島々を望む

2011/06/11

#143 スポーツ政策研究日誌 (18)

SMJブログ#93(4/22)以来のスポーツ政策研究日誌です。
……授業が始まると、なかなか研究が進まないです。……それではダメなのですが……

現在、学会(分科会研究会)に参加するために、新幹線で移動中です!

★日本スポーツ産業学会 スポーツ法学専門分科会
   2011年度第1回研究会 (6/11・12 於:福山市「鞆の浦山荘」)

Terry の発表(※報告)テーマ:
 「カナダのスポーツ紛争処理制度について」

カナダにおいてスポーツ紛争処理を担っているADR(裁判外紛争解決)機関は「カナダスポーツ紛争解決センター(Sport Dispute Resolution Centre of Canada:SDRCC)」です。今回の発表では、カナダにおけるスポーツ紛争処理制度の概要、SDRCCの設立経過、身体活動・スポーツ法(2003年)の関連条項翻訳他について報告し、今後の研究の進め方等について、専門家のご意見をお聞きしたいと考えています。

12月の日本スポーツ法学会での発表、論文投稿までもっていきたいです!

やっぱり、研究のために時間を費やすことは楽しい!

2011/06/10

#142 大学教育・雑感 (12)

大学教員を如何に inspire するか!~その5~

SMJブログご愛読の皆様! お騒がせしました。
「第2回情報交流会」の担当者としての責任は果たしました。

20分のつもりで準備しましたが、30分話してしまい、充分な意見交換をすることができなかったのが心残りです。……おそらく、この種の問題で、Terry から働きかけることはもうないです。職務命令があった場合は別ですが……。

また、いつものSMJブログに戻ります!

ただ今、本日の講義の準備中、そして、明日の学会発表の準備もしなければ……

睡眠不足が続きます~

2011/06/09

#141 大学教育・雑感 (11)

大学教員を如何に inspire するか!~その4~

本日(9日)の“決戦”に向けて、パワーポイントを作りました。
4時間かかりましたが……。
何でこんなことをしているのだろうと、ふと思いました。
Terry の宿命でしょうか? 貧乏くじ? 試練?

★TSU教授会後「第2回情報交流会」

 テーマ: TSU を inspire する! ~あなたは“プロ”の大学教員ですか?~

 担当者: Terry Bird

……頑張ります!

えっ、何を?

2011/06/08

#140 大学教育・雑感 (10)

大学教員を如何に inspire するか!~その3~

 Aパターン → ケンカを仕掛ける!
 Bパターン → 理詰めで迫る!
 Cパターン → さわやかに、さらっと、それとなく!

6月9日の“決戦”に向けて、あれこれ考えています。
SMJブログをお読みいただいている方まで巻き込んで申し訳ありません。……“電車男”ならぬ“大学男”のような感じになってきました。……“電車”は“○ちゃんねる”でしたっけ?

Cパターンが通じるなら、もっと早く良くなっています。また、大学教員は「一国一城の主」「一匹狼」「お山の大将」「頑固」「変なプライドの持ち主」なので、Bパターンだと拒絶されてしまいます。……じゃ、Aパターンしかないかぁ……

学会誌の編集もあるし、週末の学会発表の準備もあるし、授業の準備もあるし、インターンシップ69名の派遣業務もあるし、テニス部の指導もあるし、その他諸々、Terry の人生は“貧乏ヒマなし”のようです!

……SMJブログが更新できているということは、まだまだ“余力”があるのでしょうか?

いや、“人生(仕事)を楽しんでいる”から、処理できる? のだと自己分析しています。
もう一つ挙げるならば“プロ意識”です。

……他人を傷つけないように“Aパターン”するのは難しい……

2011/06/07

#139 大学教育・雑感 (9)

大学教員を如何に inspire するか!~その2~

“Cパターン”でいくことにしました!

巷でよく聞く「2:6:2の法則」が正しいとすると、それに逆らうのは困難のようです。何故なら、必然的にそうなっているからです。……インターネット情報ですが、イタリアの経済学者パレートさんの法則が大本のようです。

上の2割がいなくなっても、下の2割がいなくなっても、結局残りの8割の中で「2:6:2」が形成されるようです。

ならば、それを逆手!?にとって、上の2割の絶対数を増やすことはできないでしょうか?

現在、全体で「2:6:2」が形成されているとするならば、branch ごとで「2:6:2」が形成されるように仕向ければ上手くいくのではないでしょうか!

……でも、逆に減ってしまうケースもあるかぁ……再考します!

2011/06/06

#138 大学教育・雑感 (8)

大学教員を如何に inspire するか!~その1~

“テリーの法則”

 忙しい人はより忙しくなり、ヒマな人は忙しくなろうとはしない!

 忙しいと感じるレベルには個人差があり、気力・体力に比例する!

 越えられる壁か、越えられない壁かは、壁を越えた者しか分からない!
 
 背中で教えるなんて……、1~10まで大声で説明した方が手っ取り早い!

 嫌われ役をかって出たら、本当に嫌われる!

 会議で発言しない人は大人しいのではなく、実は、賢い!
 
 失敗を恐れている限り、成果を得ることはできない!

 研究者ほど、合理的に物事を考えられない!

 専門外だから……という人ほど、その道の専門家ではない!

 大学関係者が inspire されれば、学生も inspire され、大学も良くなる!
  
スイマセン、たまにはSMJブログで愚痴らせて下さい。

今週の教授会後、FD(Faculty Development)関連で何か話せと言われてます。
……A、B、C のどのパターンにするか、まだ迷っています!

2011/06/05

#137 日本のスポーツ政策考 (14)

SMJブログ#135のつづきです。

Terry は、国力を「ある国の各分野の国際競争力の総和」と仮定義しました。そして、日本の将来において、「少子化による人口減少に伴う国力の低下が危惧される」的なことを書きました。

2002年12月の日本体育・スポーツ政策学会第12回大会シンポジウムで、Terry は「国際競技力」は「国力の一要素」であるとの考えを初めて示しました。……当時、フロアの反応は???だったように記憶しています。……それ以来、この件を Terry の研究第一テーマに掲げ、今日に至っています。……なかなか前に進んでいませんが、第二テーマの「カナダのスポーツ法と政策」が一段落しそうなので、ボチボチ再開できそうです。

Terry は、拙稿(2003、2008)において「国際競技力とは、ある国の競技スポーツ分野の国際競争力を示すものであり、オリンピック競技大会、競技別世界選手権大会等の国際競技大会における競技成績等を指標として表した、国家間を比較しうる相対的競技水準のことである。国際競技力は、①国際総合競技力、②特定国際競技力の2つの観点から表わすことができる」と定義しています。

……これ以上は、企業秘密!? ですので書けませんが、数年のうちに完結させ、論文として公表したいと考えています。スポーツを通じて日本の国力を維持・向上するための方策を実証的に明らかにしたいです!

                ※引用:「スポーツ政策の現代的課題」日本評論社、2008年

2011/06/04

#136 スポーツ法ニュース (第4号)

スポーツ基本法案前文:冒頭文章について!

内閣不信任決議案が否決されましたので、今国会での「スポーツ基本法」の成立が現実味を帯びてきました。多分、無修正で通過すると思いますが……1つだけ指摘させていただきます。

SMJブログ#134でも触れました。Terry は同法案の前文の冒頭に「スポーツは、世界共通の人類の文化である。」を置くことに違和感を感じています。……と言っても、新しいスポーツ法の制定に反対している訳ではありませんし、「スポーツが文化である」ということを否定している訳でもありませんので、誤解なく!

主な理由は「世界共通の人類の文化」という文言は国際的に同意(共通認識)されていないのではないかと考えたからです。……いつの頃からか、よく見聞きするようになった文言ですが、もしかして日本だけで使われている文言なのでは?…… 以下、短時間で調べましたので、もし Terry の解釈が間違っていればどなたかご指摘ください。

「スポーツ振興基本計画」(2000年9月策定)では“世界共通の文化”、「21世紀に向けたスポーツの振興方策について(答申)」(1989年11月)では“世界共通の人類の文化”、「スポーツの振興に関する報告書」(1988年3月)では“人類共通の文化”と記述されていました。Terry の知る限りでは、1988年の報告書のそれが日本での初出ではないかと思います。……では、この文言は何故生まれたのでしょうか?

おそらく、1978年11月にユネスコ総会で採択された「体育およびスポーツに関する国際憲章」“universal language(世界共通語)”が参考とされ、そして、それが拡大解釈され、日本で「人類共通の文化」という文言が生まれたのではないかと Terry は考えます。二十数年を経た今、「世界共通の人類の文化」が法律内の文言として定着しようとしています。参考までに、同憲章内の該当箇所の原文を記載します。

Through co-operation and the pursuit of mutual interests in the universal language of physical education and sport, ・・・  

「スポーツは、世界共通の人類の文化である。」の趣旨は理解できます。しかしながら、国際的に同意された文言でないとすると、あえて法律の前文の冒頭で記述する必要はないのではないでしょうか。

2011/06/03

#135 日本のスポーツ政策考 (13)

SMJブログ#133のつづきです。

Terry の考える解決を図るべき“日本の長期的な政策課題”の1つは、

 「少子化 → 人口減少 → 国力低下」    ……です。

一般的に、人口が減少すると国力が低下すると言われています。“国力とは何か”については、今後、Terry が本格的に論文を書く時に定義しますが……取りあえず、以下のように定義しておきます。

 ★「国力」 = 「ある国の各分野の国際競争力の総和」

6月2日付けの新聞にも掲載されていましたが、日本の2010年の合計特殊出生率は1.39で、出生数は107万1306人でした。因みに、フランスの出生率は約2.0のようです。

国立社会保障・人口問題研究所の推計(平成18年12月)によると、日本の2055年の将来推計人口は8993万人です。40数年後の日本の人口は、現在よりも約4000万人少なくなることになります。……Terry はその時90歳ですので、多分この世にいないと思いますが…、子供たちの結婚式までは長生きしたい……孫も見たい……あと30年摂生しないと!

さて、現在、日本の国会は震災対応で混乱していますが、政治家、官僚、研究者たちは人口減少下の日本の国家像(or 国づくり)をデザインし、着実にソフトランディングする政策を計画的に打ち出すことが求められます。その際、人口減少に伴う国力低下を甘受するのではなく、可能な限り国力を維持・向上する努力をし続ける必要があると Terry は考えます。

……では、“国力向上”に“スポーツ”はどのような役割を果たすことができるのでしょうか?
(つづく)

2011/06/02

#134 スポーツ法ニュース (第3号)

「スポーツ基本法案」の国会審議始まる!

第177回国会(常会:会期=2011年1月24日~6月22日までの150日間)が開会中ですが、1961年制定の「スポーツ振興法」の全改正となる「スポーツ基本法案」が5月31日に議員立法として衆議院に提出されました。

昨日、SSF経由で「スポーツ基本法案の概要」と「同法案の全文」を入手し、眠い目をこすりながら一読しました。

印象:
50年ぶりの全改正というが、“マイナーチェンジ+アルファ”といったところかなぁ…
冒頭の「スポーツは、世界共通の人類の文化である。」はいらないのでは…
「この法律の施行の際現に…」は「…の際、現に…」の方が読みやすいのでは…
法律なので、もう少し贅肉(説明的文章)を落とした方が良いのでは…

以上は、表面的な印象です。中身についてはこれから吟味したいと思います。

同法案は、6月1日に衆議院文部科学委員会にて“可決”されたようです。今後、本会議、参議院での審議へと進むことになりますが、「内閣不信任決議案」が提出されたようですので、どうなることやら……

2011/06/01

#133 日本のスポーツ政策考 (12)

日本が抱えている“国家的課題”は幾つもあります。

昨日、某テレビ局の朝のワイドショーで「スポーツ基本法案の国会提出」に関する特集が放映された際、あるスポーツ選手がコメントを求められ「スポーツをすることにより医療費が削減できるのです!」と力説していました。……その通りだと思います。……ただ、この主張はSMJブログ#118でいうところの「スポーツ政策により問題解決、課題達成、目標実現等を図ろうとする両国共通の“スポーツ政策する理由(わけ)”」に当たります。……また、短期・中期・長期で分類した場合、この“医療費削減”は中期的課題であると Terry は考えます。

付言しますと……(カナダとの比較でしか言えませんが)……スポーツによって医療費の“何が”削減できるのかについて解説する必要があります。……すなわち、日々の生活にスポーツや身体活動を取り入れることによって、(日本人の)どのような病気が予防できるのでしょうか?……(日本人の)どのような症状 or 健康状態が改善できるのでしょうか?……そのためには、どのような運動をどれぐらいすれば良いのでしょうか?……そして、その結果、(日本の)医療費のどの項目が削減されるのでしょうか?……カナダでは、そう言ったことがほぼ説明されています。

本題に戻ります!

 少子化 → 人口減少 → 国力低下   

この問題を改善・解決することが、Terry の考える“日本の長期的な政策課題”の1つです。……(つづく)