2011/05/31

#132 日本のスポーツ政策考 (11)

SMJブログ#119で、Terry は「日本には“スポーツ”によって国家的課題の解決を図ろうとする特別な理由がない」と書きました。……この部分だけを読むと、唐突すぎますので、詳細につきましては#116(http://sportmattersjapan.blogspot.com/2011/05/116-7.html)~#119で、ご確認ください。

……では、本当に日本にはそのような“国家的課題”がないのでしょうか?

それがないと、特に、“国際競技力の向上”を国家レベルで推進していく上での明白な根拠を示すことができず、国民の納得(総意)を得ることができません。……政治家も本気で動いてくれません。……スポーツ政策が国の主要政策課題として掲げられません。(※名目的にはそうなっていますが…)

以前(2002年)から、Terry は「国力」と「スポーツ政策」の関連について、学会、著書等で論じてきました。……その後、各方面でも同種の言及がなされてきていますが、Terry の主張がまったく反映されていません。……多分、まだまだ根拠が薄いのと、Terry の説明が不足しているのだと思います。

この件について、Terry の主張を改めて整理するとともに、ボチボチ語っていきたいと思います!

2011/05/30

#131 外国スポーツ政策研究の意義 (3)

一国のスポーツ政策の全体像を把握するということは、“3次元パズルを解くようなもの”と何度もSMJブログで書いてきました。

 Terry はカナダのスポーツ政策の全体像を把握しました!

……と言っても、100%ではありません。……その構造が何となく分かってきた…程度のものです。50%、40%、30%、いや、20%といったところでしょうか……今後もカナダ研究をライフワークとして、①日々進歩し続けるカナダのスポーツ政策の後追い、②各施策・機関・組織等についてのさらなる理解、③それらの連関・効果・機能等の解明、④個別テーマの研究、⑤定期的な現地調査、⑥その他、を積み重ねることにより、その把握度を高めていくことになります。

外国スポーツ政策研究を通じて、曲がりなりにも一国(カナダ)のスポーツ政策の全体像を把握した結果、次のようなものを得ることができました。

 ★国のスポーツ政策の在り方に関する一つのモデル、スタンダード及びスケール

すなわち、①日本のスポーツ政策について考える際の比較対象、②日本のスポーツ政策を分析・考察する際の基準、③日本のスポーツ政策を評価する際の尺度となる“研究ツール”のようなものを得ることができたのです。

その研究ツールに照らし合わせて日本のスポーツ政策を概観すると、今のところ……と言わざるを得ません。日本のスポーツ政策研究だけでは見えてこない日本のスポーツ政策の問題点や改善すべき点の幾つかが、外国スポーツ政策も研究していることによりハッキリと見えてくるのです。

2011/05/29

#130 外国スポーツ政策研究の意義 (2)

何のための外国スポーツ政策研究か?

色々な表現がありますが……Terry の場合は“日本のスポーツ問題解決”に資するために「カナダのスポーツ政策研究」に取り組んでいます。

大学院入学直後から昨年までは、カナダ連邦政府のスポーツ法の成立過程研究を主にしてきました。……今も継続中ですが……。 以下は、カナダ連邦政府のスポーツ(関連)法の主要なものです。

 ストラスコナ信託法 青年訓練法 全国体力法 フィットネス・アマチュアスポーツ法
 1976年オリンピック法 ナショナル・スポーツ法 身体活動・スポーツ法 
 オリンピック・パラリンピック商標法 等

カナダのスポーツ(関連)法の総合的な研究を通じて、日本のスポーツ政策またはスポーツ法に何らかの還元ができれば…と考えています。

また、昨年度からは「カナダスポーツ政策の全体像の把握」に取り組んでいます。……その成果物については、もう間もなく、SMJブログで報告できると思います。その暁には、今まで書きたくても書けなかったネタをSMJブログでご披露します!

外国スポーツ政策に関する「個別テーマの研究」「全体像の把握(研究)」の両方に取り組んで得られた Terry なりの「外国スポーツ政策研究の意義」についてのコメントは、次回にしま~す!

2011/05/28

#129 外国スポーツ政策研究の意義 (1)

Terry  の恩師である Knob 先生は先見の明があられました。

……そう言えば、今日(5月28日)は、妻 Peach  との11回目の結婚記念日です!
Knob 先生には“青山ラピュタガーデン(Altomond)”での披露宴において、主賓のご挨拶をしていただきました。……大事な日を忘れるところでした。

Terry は Knob 先生の“三番弟子”であると勝手に思いこんでいます。
先生の周辺には1980年代頃から外国スポーツ法&政策研究をする若手(当時)らが集まっていました。……先生の求心力と先生の示唆によるものと考えられます。
以前、SMJブログでも書いたように、Terry のカナダ研究は、Knob 先生のご誘導あってのことです。

 外国スポーツ政策研究の意義について書きます。

去年の今頃でしたら、「カナダのスポーツ政策について語れ!」と言われても、聞き手に納得していただける説明はできなかったです。……何故なら、主として、カナダの「フィットネス・アマチュアスポーツ法(1961年)」「身体活動・スポーツ法(2003年)」の研究をしていただけで、本気でカナダのスポーツ政策の全体像を把握しようとする作業はしていなかったからです。

しかしながら、昨年度、SSF から2件のお仕事をいただいたことにより、本来やるべき作業であった“一国のスポーツ政策理解”に取り組むことができました。

Terry の場合は“カナダ”ですが、一国のスポーツ政策の全体像を把握した結果、「外国スポーツ政策研究の意義」について若干語れそうな気分になってきました。

ただし、全体像の把握は厳密に言うと“研究”ではありませんが……(つづく)

2011/05/27

#128 SMJブログの目指すもの (2)

「PV」って何? ……SMJブログを書き続けていますが、最近になって知りました。
「ページビュー」のことなんですよ!……エッ、そんなの当たり前?

……Terry は、未だにブログ初心者の域を脱していません。

インターネット(ブログ)で自分の文章を公開している訳ですから、当然、SMJブログのページビューのされ方も気にしたいと思います。…PV が多ければ多いほど、モチベーションは上がるので……

 SMJブログは「PV 向上」も目指しています!

ただし、PV についての目標値はありません。1日500PV ぐらいあれば良いのでしょうか?
因みに、TSU副学長のブログは1日3000PV を超えているようです。…凄い!

ここ数日、何故か PV が急増しています。……何となく理由は分かりますが……
現在、225PV です。

AKB48 の総選挙ではありませんが、投票(PV)よろしくお願いいたします。
……カナダ、アメリカ、ドイツ、マレーシア、シンガポール、韓国、ニュージーランド、フィンランド他からアクセスしていただいている方にはAKB48??? ですね……

皆様、ご愛読、感謝いたします!

2011/05/26

#127 SMJブログの目指すもの (1)

2011年1月11日に本ブログを開設してから4ヶ月半ほど過ぎました。……ハマッてます!
ブログを書く(アップする)ことが、こんなに面白いとは……もっと早く始めれば良かったぁ!

…そう言えば、一昨日はイタズラ坊主 Saint 君の3歳の誕生日でした。……某政党の実力者お二人と同じ誕生日です。……将来、政治家を目指させるか……総理大臣にでも……ハハハハハッ……

それはさて置き、じゃぁ、Terry が30代の時にSMJブログ的なものを書けたかと言うと、多分、書けなかったと思います。46歳の今だからこそ、コップから水があふれるように?! 書けるのだと思います。……てまひまは多少かかりますが……無理やり、ネタを探すようだったら、Terry の性格なら“開店”しないです。

…ですので、SMJブログは Terry の40数年の“キャリア”そのものだと言えます。

Terry の好きだったテレビドラマに「ビバヒル」「渡鬼」等があります。1本のストーリーだけではなく、複数のストーリーを同時並行で展開させ、それらを巧みに絡ませることによって、より面白く感じさせてくれました。……SMJブログも、そんな展開を目指しています。

不定期シリーズですが、「SMJブログの目指すもの」について、少しずつ書いていきたいと思います。……(結構、壮大な計画です。)

頑張って、たどり着きま~す!

2011/05/25

#126 スポーツ法ニュース (第2号)

『体育・スポーツの近現代-歴史からの問いかけ-』(不昧堂出版)が刊行されました。
 ※ISBN978-4-8293-0479-2 (7,800円+税)


Terry は、「第Ⅴ章 スポーツ法とスポーツの近現代」で、第4節 カナダ連邦政府の身体活動・スポーツ分野への法的関与”(pp.522-534.)を分担執筆しています。

まだまだ勉強不足です。やりたいことが“山ほど”あります。もっと、もっと研究して、それらの成果をドシドシ発信していきたいと思います。……そろそろ“研究室”と“書斎”を片付けねば!……現在、どちらも“立入ご遠慮”状態で~す。

2011/05/24

#125 大学テニスの指導法 (9)

大学体育会テニス部の指導法⑥

#121の“気配り”について~その2~です。

体育会運動部の“気配り・配慮”とは一体どのようなものなのでしょうか?

 一般論は、とてもとても書けません!

“周囲を思い遣る気持ちから”あるいは“周囲の空気を読んで”状況に応じて振舞われる行動ですので、それらは無限にあります。自発的なものもあれば、それぞれの置かれている立場で求められる義務的なものもあります。……思いつくままに、それらを書いてみます。

練習や部の行事にOB・OGが来られたら、積極的に話しかけて“独り”にさせない。
対戦相手に対して“ガッツポーズ”をしない。
レギュラークラスの部員は、積極的にイレギュラー部員の練習相手になってあげる。
後輩がミスをして怒られないように“さりげなく”アドバイスしてあげる。
後輩への些細な注意は、キャプテンにさせるのではなく“叱り屋”(汚れ役)が担当する。
各自の役割・責任を全うすることを原則とするが、お互い補い合うことも忘れない。
学年ごとの役割、責任を自覚し、それらに徹する。
先輩であっても道具は使った本人が片付ける……が、後輩は率先してお手伝いする。
イレギュラー選手の“思わぬ活躍の場”となるようなレクリエーションをたまに企画する。
感謝の気持ちを忘れない。 ※例: 応援、準備、援助、指導、球拾い等
その他

SMJブログ#121~125は、「大学体育会テニス部の指導法」ではなく、「体育会運動部の基本3原則」の話になってしまいました。 本題は、いずれ書きま~す!

2011/05/23

#124 大学テニスの指導法 (8)

大学体育会テニス部の指導法⑤

#121の“気配り”について~その1~です。

昔(30数年前)、角川映画「野生の証明」のCMで「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格が無い」(※記憶に基づく)というキャッチコピーが流れていました。……あの頃、Terry は“森村誠一”や“横溝正史”にはまっていました。……無理やりこじつけると……スポーツ集団は“気配り・配慮”がなければ強くなれない、あるいは、たとえ強くても真の強者とは言えない!…となりますでしょうか。

 体育会運動部であれば気配り・配慮の気持ちを忘れるな! …ということです。

#103でも書きましたが、Terry の卒論テーマは「効果的リーダーシップ行動に関する研究~大学テニス部をモデルにして~」でした。三隅のリーダーシップPM理論他に依拠して、大学テニス部の「キャプテンのリーダーシップ行動」「モラール(士気)」「競技成績」の関連を明らかにしたものです。

詳説しませんが、当時、「モラールが高いと競技成績も良い」という、ごく当たり前のような仮説が立証されていませんでした。先行研究の幾つかの修論レベルの論文または大先生の論文でも、それは立証できていませんでした。……多分、現在でも立証できていないと思います。(※リサーチした訳ではありませんが…)

 Terry の卒論を公表していれば……でも、穴だらけだったので……

…(僭越ですが)…ミステイクは「モラール」と「競技水準」の関係を見ていたところにあります。……例えば、中学生のサッカーチームとJリーグのチームが試合をして、中学生の方がモラール得点が高いからと言って、Jチームが負けてしまうことはないですよねぇ……あるいはトーナメントの1回戦負けのチームと優勝チーム、5部チームと1部チームが試合をしても同様ですよねぇ……先行研究他は、そんな比較の仕方で分析をしていました。

そこで、Terry は独自の競技成績の捉え方をすることにより「モラール」とそれとの関係を見ることにしました。すなわち、「同程度の競技水準のチーム間の試合であればモラールの高い方が勝つ」という仮説を立て検証したのです。……立証されました!

横道にそれましたが、集団のモラールを高めるには“組織”あるいは“リーダー”の「M機能(Maintenance)」が「P機能(Performance)」に比べ、より重要になります。……すなわち、組織全体あるいはリーダーの「気配り・配慮の行動」が「モラール」、ひいては「競技成績」に強く影響を及ぼすと Terry は考えています。…(つづく)

2011/05/22

#123 大学テニスの指導法 (7)

大学体育会テニス部の指導法④

#121の“声の瞬発力”についてです。

Terry の独論(経験則)ですが……“声の瞬発力のある人”はスポーツのパフォーマンスが高く、また、社会でも活躍できる……と確信しています。

 体育会運動部であれば挨拶・声だしを徹底せよ! …ということです。

体育会運動部の最大の敵は“妥協”の二文字です。……そして、その度合が如実に現れるのが「挨拶」「声だし」等の場面です。

挨拶とは……①指導者(部長、監督、コーチ等)②関係者(教職員、OB・OG、業者、保護者等)③その他(対戦相手及びその関係者、施設関係者等)への挨拶です。一般的に「ちわっ!(= こんにちは)」、「失礼します!(= さようなら)」と言います。数十メートル先で「対象者」を認識した段階で「ちわっ!」、間近に来た段階で「ちわっ!」と2度発声します。……傍からは「ちわ、ちわ」「ちわ、ちわ」とニワトリのようで“バカみたい”な光景に見えると思いますが……

次に、声だしとは……①練習の開始・終了時、②各練習に入る時と終える時、③プレイ等の結果に対して、④激励・鼓舞・注意するため、⑤その他(適宜)に発声するもので、その内容もそうですが“タイミング”と“大きさ”が重要です。一般的に「しわっす!(= お願いします)」、「あしたっ!(= ありがとうございました)」と言います。……形式的な、機械的な声だしは必要ないと思いますが、意味のある声だしは体育会運動部にとってかなり重要です。

誰しも、調子の悪い時、疲れている時、苦しい時、負けて悔しい時などは声が出にくくなるものですが、そんな時でも、声を出し続けられるか否かが強いスポーツ集団か否かの分かれ目、あるいはバロメーターであると Terry は考えます。

“声の瞬発力”の意味は伝わりましたでしょうか?

そう言えば、20数年前、No.6コート後ろにある出入口の「カチャッ!」という音だけで過敏に反応し、No.1コートから振り向きざまに「ちわっ!」と言っていたのを、今でも思い出します……たまに「あの人、誰?」というように、見ず知らずの人に大声を張り上げていたこともありましたが……

2011/05/21

#122 大学テニスの指導法 (6)

大学体育会テニス部の指導法③

#121の“時間管理”についてです。

流行りの言葉でいえば“タイムマネジメント”なのでしょうが、一分野を確立しているそれとは一線を画した Terry の独論です!

 体育会運動部であれば時間に厳格であれ! …ということです。

練習開始時刻を決めたら、何があろうと“定刻”に練習を開始しなさい!
(そして)正当な理由なく1秒でも“遅刻”したら“問答無用”、ペナルティを課しなさい!
練習メニューの時間配分はレギュラー or イレギュラーにかかわらず平等・公平にしなさい!
各練習に入る前に時間を設定しなさい!
タイムキーパー(時計係)を置きなさい!
ストップウォッチを複数用意しておきなさい!
 その他
“全ての練習日に参加できること”を入部の条件にしなさい!
いかなる経済的理由があろうともアルバイトで練習を休むことは認めない!
現役部員である以上、原則として“就職活動”を理由に練習を休ませない!
 アバウトでも良いので、目標達成に向けた年間スケジュールを立てなさい!

因みに20数年前 Terry がテニス部キャプテンだった時のペナルティは“丸坊主”でした。

いつの時代でも、体育会運動部であれば①~⑩のすべてを……う~ん……幾つかを……求めたいものです!

……上記の趣旨を全員が納得して、合理的に展開されることが重要です。……決して、“理不尽な掟(おきて)”であってはなりません。……そして、それらが実践できた時、強いスポーツ集団ができるのだと、Terry は考えます。

2011/05/20

#121 大学テニスの指導法 (5)

大学体育会テニス部の指導法②

そもそも、「体育会とは何か?」というところから書かせていただきます。

大学入学後、大学でスポーツをしようと思った時に迫られる選択が「体育会」「同好会(サークル)」のどちらの団体に属するか……ということでしょう。

多くの大学には体育系団体等を統括する組織として「○○大学体育会」が存在します。大学によって学友会、校友会など名称は様々ですが……要するに、その大学を代表して学生競技連盟等に加盟が認められる学内唯一のスポーツ団体を統括する学内組織を意味します。そして、そのような統括組織に属する運動部を「体育会○○部」といいます。

体育会の運動部と聞くと、「厳しい(挨拶、上下関係等)」「きつい(練習量・質、役割分担、大学の威信・歴史を背負う重圧等)」「拘束される(練習時間、各種大会・行事等)」の3Kのイメージが頭に浮かび、多くの場合敬遠されます。また、体育会の学生は「熱い」「汗臭い」「頭(脳みそ)が筋肉」の3Aのレッテルを貼られがちです。

ただし、就職活動の際はアピールポイントになるとともに、企業等が求める人材適性にも合致している部分が多く、後々、恩恵を被ることもあります。また、所属団体のOBや試合等で知り合った関係者等の人脈も大きな財産になります。

テニス以前の話になりますが、Terry が考える「体育会運動部の基本3原則」は以下の通りです。

1. 時間管理
2. 声の瞬発力
3. 気配り

……つづく

2011/05/19

#120 大学テニスの指導法 (4)

大学体育会テニス部の指導法①

Terry は“体育会”に強い思い入れがあります。日本独特のシステム or 文化でしょうか…
アメリカのNCAAとも、イギリスのパブリックスクールのスポーツ教育とも異なりますが…

元来、大学の課外活動は学生の自主的な運営で成り立っているものでした。ところが、大学の上位リーグで良い結果を残そうとする場合、あるいは新興大学がスポーツで知名度の向上を目指そうとする場合、そこに大人(教員、外部指導者等)が関与することがあります。プロの指導者を雇用している大学も少なくない状況です。

それが良いとも悪いとも言いませんが、Terry は「主として学生の力で目標達成を目指す体育会運動部」を理想としています。……そのつもりで、TSUテニス部を14年間指導してきましたが、なかなか軌道に乗りません。……スポーツ推薦で部員を集めれば簡単なことなのでしょうが……でも、無名の選手たちであっても、やりようによっては120%の結果を残すこともできるものです。

大学テニス界には大先輩が多数おられますが、Terry の考える「体育会テニス部の指導法」について不定期シリーズで書かせていただきます。

指導者はいないが「体育会テニス部」として“本気”で頑張ろうと思っているテニス部の“キャプテンへのメッセージ”という設定で、書かせていただきます。

SMJブログをご愛読くださっている方で、テニスにまったく興味のない方でも「(スポーツ)マネジメント」に通じる話もありますので、お付き合いいただければと思います。

“もしドラ”ならぬ“もしテリ”です! ……っと、そこまで言うか!!

2011/05/18

#119 日本のスポーツ政策考 (10)

日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”~その4~

SMJブログ#116~118のまとめです。

「日本のスポーツ政策する理由(わけ)」から「(スポーツの諸機能に基づく)他国と共通のスポーツ政策する理由(わけ)」を引いたものが、日本のそれの“本質や特徴”であると仮定すると……

今のところ、「高齢化社会対策」「国民への夢や感動の提供」が、日本の“スポーツ政策する理由(わけ)”の“本質や特徴”であると考えることができます。

一方、カナダはケベック問題とともに、多民族国家あるいは多文化主義の実現という課題も抱えており、カナディアンアイデンティティの確立や国民統合や社会的結合を図るうえでスポーツ、特にオリンピックなどの国際競技大会でのカナダの成功に、国家として価値を見出しています。

幸か不幸か、日本にはカナダのような複雑な国内事情がありません。

要するに、「日本には“スポーツ”によって国家的課題の解決を図ろうとする特別な理由がない」と言えるのではないでしょうか。

2011/05/17

#118 日本のスポーツ政策考 (9)

日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”~その3~

SMJブログは面白い! …もちろん、Terry にとって“面白い”という意味ですが…

研究テーマが1つ思い浮かびました! 論文が1本書けそうです! #116・#117で日本とカナダの“スポーツ政策する理由(わけ)”について簡単に比較しました。その結果、ある“仮説”が天から降ってきました。……企業秘密ですが、書いちゃいます。

★ここからは数学の時間です!

集合A、集合B があります。この集合はA国・B国の“スポーツ政策する理由(わけ)”を表わすものです。「A ⋂ B」は両国に共通する部分です。すなわち、スポーツ政策により問題解決、課題達成、目標実現等を図ろうとする両国共通の“スポーツ政策する理由(わけ)”です。おそらく、国は違ってもスポーツの諸機能は、ほぼ同じようなものなのでしょう。

注目すべきは、「A-(A ⋂ B)」と「B-(A ⋂ B)」の部分です。Terry は、この部分に各国のスポーツ政策の“本質や特徴”が表れるのではないかと考えます。……(もちろん、その集合が、多くの国々で共通する「スポーツの諸機能」のみの国もあるかと思いますが)……皆さん! この “仮説” いかがでしょうか? 

日本で“スポーツ政策”が国家レベルの政策課題に上がってこないのは、この部分に“ヒント”があるのではないかと考えます。 (つづく)

2011/05/16

#117 日本のスポーツ政策考 (8)

日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”~その2~

…その理由(わけ)を知るために、「スポーツ振興基本計画(2006年改定版)」の 『1 総論』 を読みました。…… Terry の頭が沸騰してしまいました……難解な文章です……分かるようで、分からない!

昔から、日本の教育白書に当たる「我が国の文教施策」や「文部科学白書」を読んでいますが、Terry は“乾いた文章”を読むのが苦手です。……ですので、以下はその類である 同計画から読み取った Terry の読解力の範囲での日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”です。

 明るく豊かで活力に満ちた社会の形成  個々人の心身の健全な発達
 心身両面にわたる健康の保持増進  青少年の健全育成
 地域における連帯感の醸成  国民経済への寄与(経済発展、医療費の節減)
 国際的な友好と親善  子どもの体力低下  高齢化社会問題
 国民の夢と感動  等

★日本にあってカナダにない項目
 「高齢化社会問題」、「国民の夢と感動」 ……

★カナダにあって日本にない項目
 「Canadian Identity」、「Cultural Diversity」、「National Unity」 ……

何となく、日本とカナダの違いが見えてきました! (つづく)


参考資料
 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/plan/06031014/001.htm

2011/05/15

#116 日本のスポーツ政策考 (7)

日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”~その1~

妙なタイトルで申し訳ありません。

SMJブログ#109 では、日本のスポーツ政策の“存在”及びその“政策目標”について、Terry なりに明らかにしました。(※2011/5/8付ブログ参照)

日本に限らず、多くの国々で自国の実情に即した“スポーツ政策”が存在しています。Terry が専門とするカナダでも「The Canadian Sport Policy」(2002-2012)が存在し、4つの政策目標が設定されています。

 1) Enhanced Participation
 2) Enhanced Excellence
 3) Enhanced Capacity
 4) Enhanced Interaction

…これだけ見ても何の事だか分からないですよねぇ……詳細は、文科省の「スポーツ政策調査報告書」が公表されてから説明しますが……カナダが“スポーツ政策する理由(わけ)”として、以下のキーワード等を挙げることができます。(※順不同、説明は後日)

 Canadian Identity  Youth Development  Cultural Diversity
 Community Development  Social Cohesion  National Unity
 Economic Growth and Prosperity  Health and QOL
 Inactivity Crisis  etc.

…では、日本が“スポーツ政策する理由(わけ)”は何なのでしょうか? (つづく)

2011/05/14

#115 消えたブログ記事 (1) 

SMJブログをご愛読の皆様!

Blogger の不具合が続いておりまして、「#113 Bloggerの不具合 (1)」「#114 TSU講義ノート (3)」の記事が消えてしまいました。100%再現するのは無理です……残念!

記憶を頼りに書きますと…

#113 Bloggerの不具合 (1)
・Bloggerの不具合がありました。2度目です。
・手書きの日記であれば現物が手元に残りますが、他人の土俵でブログを書いている限り、自分の意に反して、その存在が全く消えてしまうこともあり得ます。アナログとデジタルの長短は裏腹です。
・SMJブログの次のステップが早まりそうです。
・不具合 (2) が来ないことを祈りま~す! ……来てしまいましたが……

#114 TSU講義ノート (3)
・12日の講義「スポーツ心理学特講Ⅰ(現代社会とスポーツ)」の準備をしています。
・日本体育協会の公認スポーツ指導者資格関連の授業です。「文化としてのスポーツ」を3回の授業で消化しなけれなりません。6項目ありますので、大変です。
・それにしても教科書(テキスト)というものは、その質・量ともに感嘆させられます。
・上記のテーマは、Ron さん他のスポーツ社会学の大御所のお二人が執筆していますので、とても奥が深いです。
・学生にテキスト(3,800円×2)を買わせていますので、効果的に使わねば…

今までは、数十単位でPCに保存していましたが、その間隔を短くする必要がありそうです。SMJブログは Terry の老後の楽しみの1つでもありますので…

消えたブログ記事 (2) が来ないことを祈りま~す!

(約1時間後)
結局、消えたブログが復活していました……しかたないので、#115にします!

2011/05/13

#114 TSU講義ノート (3)

ただ今、今日の講義 『スポーツ心理学特講Ⅰ(現代社会とスポーツ)』 の準備中です。

日本体育協会の 公認スポーツ指導者資格 取得に関わる授業なので、テキストをもとに授業展開しなければなりません。テーマは 「文化としてのスポーツ」 で、3回の授業で①スポーツの概念と歴史(3項目)、②文化としてのスポーツ(3項目)…についてレクチャーする予定です。

それにしても、教科書というものは、その質・量ともに感嘆させられます!
上記については、Ron さん他のスポーツ社会学の大御所のお二人が執筆されてますので、深みがあります。これを3回の授業で消化するのは・・・です。

学生にテキスト(3,800円×2冊)を買わせたしなぁ~

授業が始まると、なかなか研究ができません!

では、また準備に取り掛かりま~す。

2011/05/12

#113 Blogger の不具合? (1)

SMJブログ ご愛読の皆様!

おそらく午後2時30分ぐらいから午後7時ぐらいまでBloggerに不具合があったみたいです。この間にアクセスいただいた方がいらっしゃいましたら、お詫びいたします。これで2回目です。

手書きの日記でしたら手元に現物が残るので自分の責任で管理できますが、他人の土俵でブログを書いている限り、このようなアクシデントは対処のしようがありません。デジタルとアナログの長短は裏腹のようです。

SMJブログの次のステップが早まりそうです!

不具合(2)が来ないことを祈りま~す。

2011/05/11

#112 スポーツ政策:独論 (4)

久しぶりに、独論を吐きます! ※独論とは#100で説明してあります!

スポーツ政策研究を志す学生・院生たちへ④

#103からの続きです。

Terry は若手研究者の研究発表後、「面白いテーマですね!」とコメントさせていただくことがあります。…笑っちゃう!…という意味ではなく、その後の研究の発展性に期待が持てる…あるいは、もっと大きなテーマになり得るのでは?…と感じた時に使わさせていただく表現です。

最近、そのような感想を抱いたのが、現役院生の同僚 Coach K さんの修論テーマの相談を受けた時です。ある地域の学生競技団体に関する事例研究のようなものでしたが、特定地域レベルで終えるだけではもったいないと感じました。……案の定、その後、指導教官他からの助言を得て、より大きなテーマが設定されたようです。

確たる問題意識に基づくテーマ設定であれば、一見小さな研究のように思えたとしても、その後、より大きな研究に発展することもあります。……ですので、「研究の動機」は適当に作文するのではなく、しっかりと考えて記述されることをお勧めします。……そこがしっかりしていると発展性も期待できると Terry は考えます。

独論ですので、さらっとお読みください!

2011/05/10

#111 TSU講義ノート (2)

5月10日深夜、何かの不具合でSMJブログ更新できませんでしたので、今になりました。

Terry は今年度からTSU・健スポの3年次ゼミを担当します。スポーツ心理学演習3(スポーツ活用)」という授業名です。#82でも触れましたが、「心理学と若干テイストが異なりますが、社会を元気にすれば個人も元気になる、と考えれば、健康・スポーツ心理学科の一領域に加わることができます。社会を、そして日本を元気にする方策を共に考えていきましょう!」というコンセプトで学生に諸課題を提示していく予定です。

その演習の目玉として、公益財団法人笹川スポーツ財団(SSF)が今年から実施する「Sport Policy for Japan 2011」に、所属学生7名による Team TSU でチャレンジすることにしました。以下、#66より再掲します。

★Sport Policy for Japan 2011★

・日本のスポーツ政策の現状や将来について問題意識を持つ大学3年生が所属大学の枠を超え、政策提言を持ち寄り、意見を交換する場。(コンペ形式?)
・5名程度のグループ参加(最小3名)。指導教員が付くことが必須。(原則大学3年生)
・大会:2011年10月1日(土)~2日(日)
・最優秀賞(1団体)、優秀賞(3団体程度)には、トロフィー&副賞(内容変更あり)

 詳細 → http://www.ssf.or.jp/s_policy/index.html

テーマは「日本のスポーツ政策の課題―その本質を探る―」(仮題)です!

…ひそかに日本一を狙っています…

2011/05/09

#110 大学テニスの指導法 (3)

#91、#94(不定期シリーズ)の続きです…

ファイブ・ステップ・ドリル(5 Step Drill:5SD)の指導方法

Step 0 導入練習
 ○コンチネンタルグリップによる1人でのボールつき(フォア、バック、交互)
 【基本動作のアドバイス】
 ●手首をぐらぐらさせてラケットを動かさない
 ●バック面の時、力が入らない場合はもう一方の手を素直に添えてダブルハンドにする

 ハーフコートを使っての2人組の練習(Step 1~3 :1コートに3ペアでも可)

Step 1 フォア面によるボールのパス交換
 ○コンチネンタルグリップ・フォア面でのボールつき(※ボールリフティング)
 ○ボールつきをする中でパスの準備が整ったら受け手の利き腕側にノーバウンドパス
 ○受け手はノーバウンドタッチ(※トラップ)後ボールつきをし、準備が整ったら同様にパス
 ○慣れてきたら1stタッチ後3回以内にパス交換
 【基本動作のアドバイス】
 ●パスをしたら、ラケットを両手で持ち、身体の正面で構える!

Step 2 フォア・バック両面によるボールのパス交換
 ○Step 1 のパスを、バック面でも行う
 ○フォア面でトラップしても、ボールつきをしながらバック面に切り替えパスをする
 【基本動作のアドバイス】
 ●ボールをパスするラケット面と身体の向きの関係(※右利きの場合)
   フォア面 → 右横を向く 
   バック面 → 左横を向く
 ●決して、正面を向いてパスをしない

Step 3 足元にボールをバウンドさせてからのノーバウンドパス交換
 ○Step 2 のパスを、足元にボールをバウンドしてから行う
 ○受け手はノーバウンドタッチ(※トラップ)してボールつきを続け同様のパスを行う
 【基本動作のアドバイス】
 ●ボールをパスするラケット面と身体の向きの関係を正しく実践する
 ●ボールを落とす位置が重要
   → まっすぐパスできる位置を見つける(※位置が悪いと左右にパスが逸れる)

Step 4 足元にボールをバウンドさせてからのワンバウンドパス交換
 ○Step 3 のパスを、受け手に対してワンバウンドパスで行う
 ○テニスコート縦半分のエリア内で、必ずワンバウンド後にボールタッチ(※トラップ)する
 ○慣れてきたら、エリア内で受け手を前後左右に意図的に動かすようなパスをする
 【基本動作のアドバイス】
 ●パスされた瞬間に、ワンバウンドタッチできるように動き始めるようにする
 ●どこにボールが飛んできても必ずワンバウンド後にボールタッチ(※トラップ)する
   → テニスはワンバウンド後にボールを打つ機会が多い

Step 5 ミニテニス(※ショートラリー)
 ○送り手からのワンバウンドしたボールをダイレクトに相手コートにパスをする
 ○必ず、サービスラインの手前にバウンドするようにパスをする
 ○テニス経験者についてはグラウンドストローク用のグリップでの練習を可とする
 ○サービスライン間のショートラリーが安定的に続くペアは徐々にベースラインまで下がる
 【基本動作のアドバイス】
 ●ボールを打つ時のラケット面と身体の向きの関係を正しく実践する
 ●遠くにボールを打ちたい時は、ラケットの引きを大きくする
 ●無駄な回転をボールに与えない(※無回転 or ゆっくりとした順回転)
 ●バウンド地点に近づき過ぎない

テニスが全く初めての人でも、5SD を練習し、初級用サーブ&リターンを練習すれば、すぐにダブルスのゲームが楽しめるようになります!

テニスの初心者指導法には色々あると思いますが、参考にしていただけると幸いです。

……文字で説明するのは難しい!

2011/05/08

#109 日本のスポーツ政策考 (6)

日本のスポーツ政策は何を目標としているのか⑤

SMJブログ「日本のスポーツ政策考」シリーズで書きたいことは山ほどあります……が、書きたいことがあっても、それがイコール書けるとは限りませんので苦労するところです。……ただし、標記の問題であまりウロウロできないと思い、一気に調べました。

Terry なりの結論を得ました!

日本のスポーツ政策は何を目標にしているのか? …の答えです。

 日本には、公表、公刊等された「The Japanese Sport Policy:JSP」は存在しないが、「スポーツ振興基本計画(The Basic Plan for the Promotion of Sports)」が JSP に該当する。したがって、“Japanese sport policy” の目標、すなわち現在の日本のスポーツ政策目標は、同計画(2006年9月改定版)で明示されている以下の主要課題ということになる。

 1) スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上
 2) 生涯スポーツ社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境の整備充実
 3) 我が国の国際競技力の総合的な向上

結論に至ったプロセスは省略しますが、関心のある方はお問い合わせくださ~い!

えっ、どこへ?

2011/05/07

#108 日本のスポーツ政策考 (5)

日本のスポーツ政策は何を目標としているのか④

現在の文部科学省の政策体系(or 政策評価体系)は「文部科学省政策評価基本計画(平成20年3月31日策定)」で確認することができますが、平成20年度から平成24年度までの5年間(2008-2012)のものです。

その政策体系は、「使命」 → 「政策目標(13)」 → 「施策目標(47)」 の階層構造からなっており、スポーツに関する政策は、#105でも記述しましたが、「政策目標11 スポーツの振興」として示されています。また、その下位に3つの「施策目標」が設定されています。

#107で「文部科学省の使命」については、多少理解できましたが、その下の「政策目標11」の説明文、またその説明文と「施策目標」との関連については、またまた難解です。該当箇所を再掲します。

★政策目標11 スポーツの振興
 世界共通の人類の文化の一つであるスポーツの振興により、生涯スポーツ社会の実現に向けて地域におけるスポーツ環境を確保するとともに、わが国の国際競技力を向上させ、子どもから大人まで心身ともに健全な明るく豊かで活力のある社会を実現する。

★施策目標
 ①子どもの体力の向上
 ②生涯スポーツ社会の実現
 ③我が国の国際競技力の向上

政策目標の説明文は、以下のように解釈すれば良いのでしょうか?

 1)地域におけるスポーツ環境の確保 → 生涯スポーツ社会の実現
 2)国際競技力の向上 → 国民が心身ともに健全で活力のある社会の実現

……となると、3つの施策目標との関連や整合性はどうなるのでしょうか?

冒頭の問題を投げかけておきながら、もたもたして申し訳ありません。また、頭を冷やします。(つづく)

2011/05/06

#107 日本のスポーツ政策考 (4)

日本のスポーツ政策は何を目標としているのか③

#106からのつづきです。「文部科学省の使命」の意味が良く分からなかったので「文部科学省設置法」を調べてみました。

第三条(任務)
 文部科学省は、教育の振興及び生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成、学術、スポーツ及び文化の振興並びに科学技術の総合的な振興を図るとともに、宗教に関する行政事務を適切に行うことを任務とする。

上記を踏まえ、Terry なりの解釈で「文部科学省の使命」を作文すると以下のようになりました。

 教育、学術、スポーツ及び文化並びに科学技術の振興を未来への先行投資と位置づけ、これらの振興を通じ、「教育・文化立国」と「科学技術創造立国」を実現する。

少し、すっきりしました!

 元の文を書いた担当者の方に確認してみないと分かりませんが……(つづく)

2011/05/05

#106 日本のスポーツ政策考 (3)

日本のスポーツ政策は何を目標としているのか②

#105で引用した「文部科学省の使命」について、頭を冷やして考えましたが、Terry の頭では良く理解することができませんでした。

★文部科学省の使命
 教育、科学技術・学術、文化、スポーツの振興を未来への先行投資と位置づけ、
 これを通じ、「教育・文化立国」と「科学技術創造立国」を実現する。

「振興」は、スポーツだけにかかっているのか、それとも「教育~スポーツ」の全てにかかっているのか?

「これ」とは何か? 「先行投資」なのか、それとも「教育~スポーツ」のことなのか? でも、「これら」ではないので、「先行投資」なのだろうか?

最近、やたらと「観光立国」「スポーツ立国」など「○○立国」が目につくが、「立国」とはどういう意味なのか? 2010年8月26日に文部科学大臣決定された「スポーツ立国戦略」の英訳は「The Strategy for Sports Nation」のようだが……

Terry は、SMJブログ#5でも書きましたが、「英語」は得意ではありません。そして、「国語」も得意ではありません(※漢文は好きだった~)。双方の文法他については、アバウトな理解しかしていませんので、その都度、調べながら作業(仕事)しているぐらいです。

少し調べ、また考えてみます。(つづく)

※引用資料
(http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/seido/__icsFiles/afieldfile/2011/04/01/1304333_1.pdf)

2011/05/04

#105 日本のスポーツ政策考 (2)

日本のスポーツ政策は何を目標としているのか①

そもそも、日本にスポーツ政策は存在するのか? 

“Japanese sport policy” は存在するが、“The Japanese Sport Policy” は存在しない…ということになるでしょうか……因みに、カナダではどちらも存在します。

その“Japanese sport policy” は、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(「政策評価法」)を受けて文部科学省が策定した「文部科学省政策評価基本計画」の“文部科学省の使命と政策目標(別紙)”で確認することができます……が、

★文部科学省の使命
 教育、科学技術・学術、文化、スポーツの振興を未来への先行投資と位置づけ、これを通じ、「教育・文化立国」と「科学技術創造立国」を実現する。

★政策目標11 スポーツの振興
 世界共通の人類の文化の一つであるスポーツの振興により、生涯スポーツ社会の実現に向けて地域におけるスポーツ環境を確保するとともに、わが国の国際競技力を向上させ、子どもから大人まで心身ともに健全な明るく豊かで活力のある社会を実現する。

★施策目標
 ①子どもの体力の向上
 ②生涯スポーツ社会の実現
 ③我が国の国際競技力の向上

何だか、分かったようで、分からない……頭を冷やして考えます。(つづく)

※引用資料
(http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/seido/__icsFiles/afieldfile/2011/04/01/1304333_1.pdf)

2011/05/03

#104 日本のスポーツ政策考 (1)

最近の日本人は“政策通!?”です。

以前でしたら、「スポーツ政策の研究をしていま~す」…と言うと、「何それ」のような顔をされたものでしたが、今では、「政策(policy)」についての何らかのイメージを、多くの人がお持ちのようですので、すんなり、その後の会話に移行できるようになりました。また、政策について語り合うことも多くなりました。

テレビのワイドショー番組では、ほとんど毎日、専門家、キャスター、芸能人らが「政策」について語っておられます。“菅さん(民主党)の政策ではダメだ”、“与党は政策立案能力がない”、“日本の原子力政策は失敗だ”、“○○○な政策にすれば良い”など……批判的なコメントが90%以上でしょうか……

いずれにしても、テレビ番組の影響で日本人は“一億総政策通”になりつつあります。

(現政権を弁護する訳ではありませんが…)政策を批判するのは簡単ですが、政策を立案すること、そして、その政策により結果を出すことは、とても、とても大変な作業である…ということは理解しておいてほしいものです。ただし、政治家や官僚だけに任せておくのはダメで、政策研究者が積極的な働きかけをしていかなければなりません。“御用学者”に任せていてはダメです!

日本のスポーツ政策について、ボチボチ語っていきたいと思います。(つづく)

2011/05/02

#103 スポーツ政策:独論 (3)

スポーツ政策研究を志す学生・院生たちへ③

今日(5/2)、妻 Peach と人間ドッグに行く予定ですが、夜更かしして大丈夫だろうか…

さて、研究テーマの設定について、独論を吐きます!

Terry の場合は、卒論構想発表時に、当時所属していたゼミ(体育経営学)で、身の程知らずのテーマ設定をしました。「日本の金メダル獲得数を増やすにはどうしたら良いか?」というようなテーマだっだと思います。……レジュメを作り、自信を持って発表しました。……どうだ!……と思っていたところ、学生・院生・教官からの集中砲火が待っていました。……テーマがでかすぎる!、お前にそんなことができるか!、そんな方法じゃダメだ!……など雨あられでした。

その後も、先輩院生たち4~5人を相手に、深夜、大激論を繰り広げ、「効果的リーダーシップ行動に関する研究~大学テニス部をモデルとして~」というテーマに落ち着き、卒論を書くことになりました。補足しますと、同論文は、大学テニス部の競技成績を向上させるためのキャプテンのリーダーシップ行動について明らかにするもので、当初のテーマの縮小版、あるいは最下層に位置づく研究に当たり、一応、初志は貫徹できたと思っています。

スポーツ政策は「競技力向上」のみではありませんが、実のところ、Terry のメイン研究テーマは「カナダのスポーツ法・政策」ではなく、卒論構想時に抱いた“思い”に連なるものなのです。

結論です!

研究テーマを設定する際、まずは、どでかい構想(大テーマ)を打ち上げて下さい……そして、その核となる、基礎となる、種のような、双葉のような、縮小されたテーマを見つけ出して下さい。

次回は、同僚 Coach K さん(現役院生)の例を挙げて、研究テーマ設定における、その逆のパターンを独論しま~す。取材しなきゃ!

2011/05/01

#102 スポーツ政策:独論 (2)

スポーツ政策研究を志す学生・院生たちへ②

40代の中年のオジサンにもなると、若者に色々アドバイスしたくなるものなのでしょうか?
余計なお世話かもしれませんが、Terry の「独論」にお付き合いください。

メインの研究テーマとは別に、ライフワークとして、特定国の「スポーツ政策ウォッチ」をしておくことをお勧めします。言語上の問題はありますが、行政機関等のウェブサイトにおいて、英語バージョンで情報公開している国は案外多いので、ある程度の動向を掴むことはできると思います。……第二、第三言語として、ターゲット国の「母語」をマスターするのが理想なのですが……

一国のスポーツ政策の全体像を理解すると、色々なことが見えてきます。また、そのことは多くの副産物を生みだしてくれます。

そう言えば、以前、Terry がコーチをしていた某短大テニス部顧問のMutsuちゃん(国際政治学:東欧研究)は、1989年のルーマニア革命の時、テレビ局に監禁?!されるぐらい、引っ張りだこだったそうです。

外国スポーツ政策研究は“穴場”です。
あなたも、ある国のスポーツ政策についての“第一人者”になれますよ~!