2012/11/03

#553 2012 カナダ 海外派遣プログラム:現地報告⑤

5日目(11/2)終了…感激しました!

今回の学校視察先を選定するにあたり、Terry Bird としてはある基準を設けていました。詳しくは書きませんが、そのうちの一つに“カナダで一番の体育教師”への接触を図ることがありました。…すなわち、優秀な体育教師を全国表彰するための「2012年度体育指導優秀賞(Physical Education Teaching Excellence Award)」(PETE賞)の最優秀賞を受賞されたアンドレア先生の授業を見学させてもらったり、話を聞かせてもらうことを目指したのです。…ところが、事情によりアンドレア先生が休職中であったため、このリクエストはNGとなっていました…

現地調査⑦ 11/2 10:15~12:05 オンタリオ身体・健康教育協会(Ontario Physical and Health Education Association:OPHEA)

OPHEA(オフェア)とは、オンタリオ州の学校における身体・健康体育を充実させるための活動等を民間レベルで行っている団体です。全国規模のものとしてはPHE Canadaがあり、そちらには11/6にヒアリングに行きます。以前のOPHEAは、体育・健康・レクリエーション指導者の“職能団体”であったようですが、現在では、この分野において唱道(advocacy)活動を積極的に行うようになってきているようです。オンタリオ州の「体育カリキュラム(暫定版)」の改定(2010)にも関与したり、学校現場のみならず地域の活動を調整する役割も担うようになっています。…体育を専門としない小学校教師のためにOPHEAが開発した教材等の紹介も受けましたが、“これ使えるねぇ”ということで、後で購入された先生もいました。

OPHEA プレゼン資料
現地調査⑧ 11/2 13:10~15:30 ビル・クローザース高校(Bill Crothers Secondary School)

ビル・クローザース高校(BCSS)は、2008年に創立したオンタリオ州唯一のいわゆる“スポーツ学校”です。地元出身の1964年東京オリンピック男子陸上800m走の銀メダリストであったBill Crothersさんの功績を讃えてこの校名にしたとのことです。単にスポーツに秀でた生徒だけが集まるのではなく、スポーツに関わる仕事に就きたいと考えている生徒たちも学べる環境にあるとのことです。こういった特色のある学校が「ヨーク地区教育委員会(York Region District School Board:YRDSB)」の裁量で設立されたのですが、驚いたことに、設立に際してのキーパーソンの一人にBruce Kid先生(トロント大学)の名前が挙げられました。2011年1月にお会いした時には、BCSSの話は聞けませんでした。カナダのスポーツの発展のために様々な影響を及ぼしている方なのだと改めて認識しました。ちなみに、キッド先生は1964年東京オリンピックの金メダリストです。

BCSSの素晴らしいスポーツ施設を案内していただいたのち、YRDSBのカリキュラム・コンサルタントのケンさんによる「講義+ワークショップ」がありました。ケンさんから「アンドレアは事情があり帰りました…」と一言説明があり、講義が始まりましたが ??? でした。

ケンさんのプレゼンは熱のこもった非常に素晴らしい内容でした。現場で体育(スポーツ)を教えるものとして大いに考えさせられました。…そして、いよいよワークショップが始まりました。…ケンさんの説明を受け、あるゲームを体験したのですが、…んっ…何だこれは…面白い…自然に体が動く…ぐいぐい引き込まれる! 少なくとも Terry Bird は感じました…こんな体育の授業を受けたことがない!…と。

ワークショップが終わってから気がついたのですが、実は、スポーツ施設案内で一緒に回っていただき途中で帰られた女性は、あの2012年PETE賞を受賞されたアンドレ先生だったのです。そして、彼女が考案し普段の授業で実践しているプログラムの幾つかを、彼女に代わってケンさんが我々に体験させてくれたのです。用具の準備、掲示物の作成等はアンドレア先生がしてくれたようです。…最後に、アンドレ先生が指導する日頃の授業風景のスライドショーが流れました。…彼女の授業の中で子どもたちが生き生きと体育活動をしている様子を見て、ある種の感動を覚えました。それ以上に、休職中でありながらも我々のために時間を割いて相当手間のかかる準備をしていただいたこと、また、先生の素晴らしい教授法を紹介していただいたことに涙が出るほど“感激”しました!

今回の現地調査の前半戦が終了しましたが、行く先々で温かく迎え入れていただいています。カナダの方々の心遣いには頭が下がります。我々の目指す最高の返礼は、この経験を日本に還元させていくことに尽きる…とTerry Bird は思いました。以下は、午前午後でいただいた記念品の一部ですが、それ以上のモノをいただけています。


トロント(11/3 5:15)より Terry Bird でした!

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