2012/12/24

#596 オンタリオ州のサブリナ法

朝日新聞(12/22)の記事から…

 「給食後、小5女児死亡 食物アレルギーか」

東京都調布市立富士見台小学校で12/20に、給食を食べた直後に小学5年生の女子児童(11歳)が体調を崩し、搬送先の病院で死亡した…とのことです。死因はアレルギーで起きるアナフィラキシーショックの疑いがあるそうです。…何よりもまず、ご冥福をお祈り申し上げます。

…この事故の記事を読み、2012年の大仕事の一つであった「海外派遣プログラム(SA)」の諸準備を通じて知ったカナダ・オンタリオ州の「サブリナ法」のことを思い出しました。…何となく気になっていましたので、カナダ現地調査中(10/29-11/9)のオンタリオ州教育省へのヒアリングの際に、担当者にその州法に関する質問していました。

…オタワ川沿いのペンブローク(Pembroke)にある中学校に通っていたサブリナ・シャノン(Sabrina Shannon)さん(13歳)が、学校のカフェテリアでのランチで“フライドポテト”を食べた後、発作を起こし、病院に搬送されたが不幸にも亡くなられた…という事故がありました。…サブリナさんは自分がフードアレルギーであることを理解しており、エピペン(自己注射用キット)を携行し、摂取する食品の成分についても常に配慮していたようです。…では、なぜ…

原因はフライドポテトを盛るために使ったトングにありました。…“プーティン(poutine)”という薄いクレープにフライドポテトを乗せ、その上にチーズを乗せ、肉汁で作ったソースをかけた(仏系カナダ人の好む)料理を盛るのに使っていたトングでフライドポテトを盛って(盛られて?)しまったようです。…サブリナさんは凝乳?アレルギー(allergic to the curds)でした。…トングに付着していたチーズがサブリナさんの口に入ってしまったようです。

2003年9月30日に最愛の娘を失ったシャノン夫婦らは、同じような悲しみが二度と学校で起きてほしくないという思いから活動を始め、政府、議員等に働きかけを行ったようです。…そして、オンタリオ州の法律として2005年6月13日に成立し、2006年1月1日に施行されたのが「アナフィラキシーの児童・生徒を守るための法律(An Act to Protect Anaphylactic Pupils)」です。…同法はオンタリオ州の全ての教育委員会が学校におけるアナフィラキシーに取り組むための指針または手続きをもつことを保証しています。…そして、同法の略称については、「サブリナ法(Sabrina's Law, 2005)」として規定されました。

<参考資料>
 http://allergicliving.com/index.php/2010/07/02/sabrinas-law-the-girl-and-the-allergy-law/?page=1

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